四谷大塚新小4でテキストの厚さに戸惑う。2月スタートの学習リズム

予習シリーズを初めて手に取った新小4の子が固まってしまうのは、能力の問題ではありません。フルカラーで厚みのある冊子を「全部やるもの」と受け取ってしまう、入口の設計の問題です。2月のスタートで大事なのは、1冊をどう攻略するかではなく、1週間のうち「何曜日に、どの教科の、どこを読むか」をあらかじめ決めておくことです。この記事では、その1週間のルーティン表を親子で作る手順を、順番にお話しします。

四谷大塚の新小4が「分厚さ」に戸惑うのは自然なこと

四谷大塚の本科は、小4から小6まで、国語・算数・理科・社会の4教科で、メイン教材が予習シリーズです。3年生の2月から、第一志望校合格を見据えた本格的な学習が始まる、というのが塾側の位置づけです。

つまり新小4の子は、2月にいきなり「中学受験用の本物のテキスト」を渡されます。それまでの学校の教科書や市販のドリルとは、紙面の密度も情報量も別物です。とくに理科と社会はフルカラーで、図や写真が多い分、1ページに入ってくる情報の量が目に見えて多くなります。

大人が見ても「これを毎週やるのか」と構えてしまう冊子を、9歳や10歳の子が前にして、固まるのは当たり前の反応です。ここで「やる気がない」「集中力がない」と見てしまうと、親子の最初の1か月がしんどくなります。

たとえば、新4年生の女の子で、テキストを開くと「全部できなかったらどうしよう」と手が止まってしまうケースがよくあります。このタイプの子は、分量の問題ではなく「どこからどこまでが今日の仕事か」が見えていないだけです。見えれば動けます。

塾の側は、実は「1週間1単元」で設計している

四谷大塚は「1週間1単元」のスモールステップで進めるカリキュラムだと説明しています。毎週の週テストと、5週に1度の組分けテストで復習を組み込む形です。

ここは大事なところです。冊子は厚くても、子どもが1週間で向き合うのは、そのうちの1単元分だけです。分厚さに圧倒されるのは、1冊全体を一度に視界に入れているからです。1週間の単位に切り直すだけで、見え方はかなり変わります。

ルーティン表を作る前に、親が先に決めておく3つのこと

表を作る作業は、紙とペンがあれば20分ほどで終わります。ただ、その前に決めておかないと、表が1週間で形骸化します。

1. 塾の授業の曜日と、テストの日を書き出す

授業の曜日や時間割、週テストの実施日は、校舎や学年、コースによって違います。ここは推測せず、入塾案内や校舎から渡される案内で確認してください。確認できたら、カレンダーの1週間の枠に、授業・週テスト・習い事・家族の予定を先に書き込みます。

2. 「1日にできる時間」を現実の数字で出す

小4の子が平日に机に向かえる時間は、学校の宿題や習い事を引いたあとの、思ったよりも短い時間です。理想の時間ではなく、先週実際にできた時間で考えます。まず1日30〜40分あれば出発できる、と置くくらいで十分です。足りない分は土日に回します。

3. 「全部やる」を禁止にする

新小4の最初の数週間は、テキストの全ページを埋めることを目標にしません。目標は「1週間のリズムが回ること」です。やり切れなかった部分は、あとで戻る場所として印をつけておきます。この許可を親が先に出しておくと、子どもの肩の力が抜けます。

1週間を「曜日×教科×範囲」に分けるルーティン表

ここからが本題です。予習シリーズは、授業の前に子どもが自分で読んで取り組む「予習」を軸にした教材です。そこで、授業の前に読む日、授業のあとに見直す日、週テストの前に確認する日を、曜日ごとに分けます。

下の表は、授業が週の後半にあるケースを例にした「たたき台」です。授業の曜日は家庭によって違いますので、そのまま使うのではなく、自分たちの曜日に合わせてずらしてください。

曜日 時間の目安 やること 範囲の切り方
月 30分 算数:計算練習と、今週の単元の例題だけ読む 例題の解説部分まで
火 30分 国語:今週の本文を1回読む、漢字・語句を確認 本文と語句のページ
水 30分 理科:今週の単元を「読むだけ」(フルカラーの図を眺める) 単元の見開き1〜2ページずつ
木 30分 社会:今週の単元を「読むだけ」、地図や年表に印をつける 単元の最初から半分まで
金 30分 算数:例題を自分で解いてみる(間違えてよい) 例題と基本問題
土 40分 前の週の復習:間違えた問題の見直し 前週の週テストの誤答
日 30分 来週のテキストをパラパラ見て、予定を確認 見出しと図だけ

この表のポイントは3つです。

1回の作業を30分に区切ること。「理科をやる」ではなく「理科の単元の見開き1〜2ページを読む」まで細かくします。範囲が小さいほど、始める前の重さが消えます。

1日1教科にすること。 1日に複数の教科を詰めると、どれも中途半端になります。曜日と教科を結びつけておくと、「今日は何をやるの?」という毎日のやりとりも減ります。

「読むだけ」の日を作ること。 理科と社会は、最初の数週間は読むだけで十分な日があっていい、と決めます。フルカラーの紙面は、眺めるだけでも立派な予習の入口です。

「どこを読むか」を決めるときの目安

範囲の細分化は、親が先にテキストをめくって決めます。次の基準で線を引いてください。

見るところ 新小4の最初の扱い
例題と解説 読む。子どもが自力で解けなくても構わない
基本問題 余力があれば取り組む。間違えてよい
応用・発展の問題 最初の数週間は飛ばしてよい
図・表・写真 眺めて、気になったものを1つ口にしてもらう
用語のまとめ 授業のあとに見る場所として取っておく

どこまでを今週の範囲にするかで迷ったら、テキストの見出しを目安にします。見出しごとに付箋を貼り、「今日はここからここ」と子どもが指でなぞれる状態にしておくと、動き出しが早くなります。

2月のスタートから3か月、リズムを崩さないための調整

ルーティン表は、作った瞬間が完成ではありません。最初の2〜3週間で、必ず「ずれ」が出ます。それを前提に、見直しの日を決めておきます。

週末に5分の見直しをする

日曜の夜に、親子で表を見ながら、うまくいった曜日と崩れた曜日を1つずつ確認します。崩れた原因を探す必要はありません。「木曜は習い事の日で疲れていたから、社会は土曜に動かそう」と、動かすだけで十分です。

週テストの結果は「点数」ではなく「戻る場所」を見る

週テストは、毎週のリズムが回っているかを確かめる場所です。点数の上下で一喜一憂するより、間違えた問題がテキストのどの単元のどこにあったかを見て、翌週の土曜の復習に回します。四谷大塚は、週テストのあとにタブレットで正誤の情報と優先して取り組む課題が示される仕組みも整えていると案内しています。それを使える家庭は、その情報を土曜の復習の入口にするとよいでしょう。

5週に1度の組分けテストを区切りにする

5週に1度、組分けテストがあります。最初の5週間を「リズムを作る期間」と決めておくと、親の焦りが和らぎます。最初の組分けテストで結果が出なくても、それは新しい環境に慣れる途中の数字です。リズムが回り始めているかどうかの方が、大事な確認事項です。

授業の動画など、塾が用意している道具は先に確かめる

四谷大塚には、授業の動画を自宅で視聴できる「予習ナビ」などのITコンテンツがあります。使えるかどうか、どこで見られるかは、コースや校舎によって違う場合があります。入塾時に渡される案内で確認し、使えるものは表の中に組み込みます。使わなくても回る形にしておけば、道具に振り回されません。

教科ごとに「読み方」を変えておく

同じ「読む」でも、教科によって子どもが見る場所は違います。国語は、本文を声に出さず目で追って、分からない語句に丸をつけるところまでが予習です。算数は、例題の式を写す必要はなく、「何を聞かれているか」を指でなぞれれば十分です。理科と社会は、太字の用語と図の説明文を結びつけて眺めるだけで、授業の聞こえ方が変わります。

親が教科ごとの読み方を一言で伝えておくと、子どもは「読む」という曖昧な作業で迷わなくなります。表に書き込むときも、「理科:図を見て気になるものを1つ」のように、動作が思い浮かぶ言葉にしておくのがコツです。

子どもが動かない日の声かけと、やらないこと

表を作っても、動けない日は必ず来ます。そのとき、親が気をつけたいことをまとめておきます。

動けない日は「5分だけ」にする

机に向かえない日は、30分の予定を5分に縮めます。その日にやることは、テキストを開いて、今日の範囲のページに付箋を貼るところまでです。開いたという事実が残れば、翌日の再開が軽くなります。

親が解説を始めない

つまずいた箇所を親がその場で教え始めると、予習シリーズの詳しい解説と親の説明がぶつかって、子どもが混乱することがあります。最初の数週間は、「ここまで読めたね」と範囲の到達だけを認めます。分からなかった所に印をつけて、授業で聞く場所として残せば、それで予習として成立しています。

他の子や、きょうだいと比べない

同じクラスの子がどのくらい進んでいるかは、本人の視界に入ります。表は、あくまで自分の1週間の見取り図です。比べるのは先週の自分だけにします。

まず自分たちでここまでやってみる。それでも回らないときの選択肢

最初に取り組む最小の手順は、次の3つです。

  1. 授業と週テストの曜日を、カレンダーに書き込む
  2. 表の「曜日×教科」の枠だけ先に決める
  3. 最初の1週間分だけ、範囲に付箋を貼る

これだけで、新小4の2月は動き出します。2週目以降は、週末の5分の見直しで、表を少しずつ直していきます。

ただ、家庭によっては、この「範囲に付箋を貼る」「ずれた予定を組み直す」という作業を、毎週続けるのが難しいこともあります。親の仕事の時間、下の子の世話、そして何より、テキストの中身を先に把握しておく時間が取れないという事情です。そういう家庭では、管理の一部だけを外に出すという選び方もあります。たとえば、範囲の切り分けと進み具合の確認だけを、塾以外の第三者に預ける形です。全部を任せる必要はなく、自分たちで回せる部分は回したまま、詰まる部分だけを手放せば足ります。

まずは1週間、この表で回してみてください。回った週が1つできれば、2月のスタートは十分に成功です。

※テキスト管理をプロに任せる場合の選び方はこちらの記事で解説しています