早稲アカ小5算数とWベーシックの二重苦。予習シリーズとの併用軸

早稲アカ小5の算数で、予習シリーズとWベーシックの両方を「全部」やろうとすると、ほぼ確実にどちらも中途半端になります。これは子どもの根気の問題ではなく、メインテキストと塾オリジナル教材が別々に出される構造の問題です。2冊とも満点を目指す設計になっていないのに、家庭では2冊とも終わらせるべきものとして受け取ってしまいます。

この記事の結論は、予習シリーズを軸にして、Wベーシックは基本問題だけを回す、という線引きです。応用や発展にあたる問題は、いったん手放します。手放す問題を決めるための基準と、1週間の回し方を具体的にお伝えします。

早稲アカ小5算数で「二重苦」が起きる仕組み

早稲田アカデミーは、四谷大塚の予習シリーズをメインに使い、そこに塾オリジナルの教材を足していく形をとっていると、複数の情報で紹介されています。クラスごとに必要な内容を補う教材が加わる、という説明です。

Wベーシックは、保護者の相談投稿や体験談で「予習シリーズ、Wベーシック、土曜のテスト」という並びで出てくる、算数の問題集です。ただし、わたしが調べた範囲では、塾の公式サイトでこの教材の扱いを確認できませんでした。校舎や学年、コースで扱いが違うことも考えられるので、お手元の教材と塾の案内を優先してください。この記事では「塾オリジナルの算数の問題集」として話を進めます。

小5になると、授業は週3日の夕方から夜までという形になり、4年生のころより平日に家庭学習へ回せる日が減ります。隔週ではカリキュラムテストがあります。そのうえで、授業の復習としての予習シリーズ、基礎固めとしての問題集、テスト直しが重なります。

2冊は「役割」が違うのに、同じ重さで出てくる

予習シリーズは、単元の考え方を順に学ぶ本です。例題で筋道を覚え、基本問題で確かめ、練習問題や応用で広げていきます。一方、塾オリジナルの問題集は、典型的な問題を数多く解いて型を身につける性格の教材だと、保護者の側では受け止められています。

役割が違うのに、宿題としてはどちらも「やってきてください」と同じ重さで渡されます。ここに板挟みの正体があります。

たとえば5年生の男の子で、授業中は分かったつもりでいるのに、家に帰るとどちらの本から手を付けるか決められず、結局どちらも1〜2問ずつで止まる、というケースはよくあります。やる気がないのではなく、順番と終わりの基準がないだけです。

小5は「量」より「難度」で詰まりやすい学年

早稲アカの講師が書いた保護者向けの文章にも、小5は宿題の絶対量が極端に増えるわけではないが、難度が上がり、苦手な科目ほど時間がかかるようになる、とあります。また、小4までのような「毎日の宿題」の形が薄れて、1週間単位で計画を立てる必要があるとも書かれています。

つまり、気合で毎日こなす学習から、自分で配分を決める学習へ切り替わる学年です。この切り替えを子ども任せにすると、パンクします。親が「何を捨てるか」を先に決めてあげる必要があります。

軸は予習シリーズ。Wベーシックは基本問題だけ

結論の線引きを、表にします。

教材 位置づけ 家庭で回す範囲
予習シリーズ(算数) 軸。授業の理解を固める 例題の解き直し、基本問題、間違えた練習問題
Wベーシック 補助。型の定着 基本問題にあたる問題だけ
カリキュラムテスト・組分けテスト 確認 間違えた問題のうち、基本〜標準の問題だけ直す

ポイントは、軸を1つに決めることです。2冊を並べて同時進行にすると、どちらを優先するかで毎日迷います。予習シリーズを先に、Wベーシックは余った時間で、と順番を固定します。

「基本問題」の見分け方

Wベーシックを開いたとき、どれが基本問題か分からない、という声は多いです。次の3つで判断してください。

  • 単元の最初のほうに並んでいる、1行〜2行で読み終わる問題
  • 授業の例題と、数字を変えただけの形の問題
  • 解説を読むと、式が1つか2つで終わる問題

反対に、図を自分で描き足さないと始まらない問題、条件が3つ以上絡む問題、解説が長い問題は、いったん後回しにしてかまいません。教材の構成は版や学年で違うことがあるので、見開きを親子で一度ながめて、「ここまで」の線をえんぴつで引いておくと迷いません。

手放す問題を決めるのは「罪悪感」を減らすため

応用問題を飛ばすことに、親も子も抵抗があります。そこで、飛ばした問題には小さく印を付けます。「やらなかった」のではなく「今は置いておく」と記録に残すだけで、気持ちが軽くなります。

小6に向けて基礎が固まってきたら、印を付けた問題に戻れます。戻るのは、基本問題がほぼ自力で解けるようになってからで十分です。

○△×の仕分けで、解く問題を絞る

宿題を仕分けるやり方は、早稲アカ小5向けの学習解説でも紹介されています。自力で解けたら○、ヒントがあれば解けるなら△、考え方が分からないなら×です。

最優先は△

○の問題は、もう解けているので、何度も繰り返す必要はありません。×の問題は、長く粘っても進まないので、質問に回します。時間をかける価値があるのは△です。白紙の紙に、図と式を最初から書き直して、自力で解けるまでやります。

ノートを見て「分かった」と感じる状態と、何も見ずに解ける状態は別物です。算数は特に、この差が点数に出ます。

質問は2〜3問に絞る

×の問題をすべて質問しようとすると、今度は質問が溜まってしまいます。次の授業までに解決できる数、2〜3問に絞ります。残りは「次回以降」の箱に入れておきます。

質問するときは、どの教材の何ページかと、どこで手が止まったかを伝えると、短い時間で答えをもらえます。

1週間の回し方(小5・通塾週3日の例)

通塾日は帰宅が遅くなるので、通塾日にたくさんやろうとしないことが前提です。以下は目安なので、ご家庭の生活に合わせて動かしてください。

曜日の種類 やること 目安時間
通塾日 宿題の一覧を書き出す/分からなかった問題に印を付けるだけ 10〜15分
通塾のない平日① 予習シリーズの例題の解き直し、△の問題を白紙から 40〜60分
通塾のない平日② Wベーシックの基本問題、計算 30〜40分
土日のどちらか テスト直し、質問の整理 60分前後
予備枠 平日・日曜に1枠ずつ空けておく 30分

予備枠は、削らないでください。小5の算数は、1回つまずくと取り戻すのに時間がかかります。予備枠がないと、遅れがそのまま翌週に積み上がります。

時間で区切る

1つの宿題に使う時間も、先に決めます。早稲アカの講師が小4の宿題について書いた文章にも、1つひとつの宿題にかける時間を決め、決めた時間を超えてやらないと約束する、というやり方が出てきます。大切なのは全問正解することではない、と子どもと確認するのがコツです。

小5でも考え方は同じです。「今日のWベーシックは20分」と決め、タイマーが鳴ったら、解けていなくてもそこで止めます。止めた場所に印を付けておけば、次に回せます。

カリキュラムテストの直しも、同じ軸で絞る

小4・小5は、隔週でカリキュラムテストがあり、5週に1回は組分けテストもあります。テストのたびに間違いが出るので、直しの量も無視できません。

直す問題は、次の順で選びます。

  1. 計算ミスや読み間違いで落とした問題(解き方は分かっている問題)
  2. 予習シリーズやWベーシックの基本問題と同じ型の問題
  3. 授業で扱った例題の類題

反対に、正答率が低く、塾内でもほとんどの子が間違えるような難しい問題は、直しの対象から外してかまいません。そこに時間を使うより、基本問題の取りこぼしを減らすほうが、次のテストの点につながります。

点数が動かない時期の見方

この方針に切り替えても、すぐに点数は動きません。2〜3回のテストの間は、点数より「直した問題を次のテストで落とさなかったか」を見てください。同じ型の問題を落とさなくなってきたら、基礎が固まってきているサインです。

学習時間の使い方の一例:Wベーシック20分の中身

「基本問題だけ」と言われても、20分で何をするのかが曖昧だと、手が止まります。たとえば次のように区切ると、迷いが減ります。

  • 最初の3分:今日やる範囲に線を引き、問題数を数える
  • 次の12分:線の中の問題を、順番に解く。止まったら印を付けて次へ
  • 最後の5分:印を付けた問題のうち、1問だけを解説を見ながら読み直す

解説を読んだあと、翌日にもう一度白紙から解くと、△が○に変わります。1日で全部を理解しようとせず、1問ずつ○を増やしていく感覚です。

親が横についているときは、答えを教えるより、「どこまで書けた?」と聞くだけにとどめます。止まっている場所が分かれば、それが質問に回す問題になります。

塾に伝えておくと楽になること

宿題の量を調整したいときは、「多すぎる」という感想より、事実で伝えるほうが通りやすいです。どの教材の何ページに何分かかったか、△と×がそれぞれいくつあったかを、1週間分メモしておきます。

そのメモを面談で見せ、「軸は予習シリーズに置き、Wベーシックは基本問題のみにしたい」と相談します。塾の方針と家庭の方針が違うと感じたときは、遠慮せずに確認してください。校舎や担任の先生によって、柔軟に対応してくれる範囲は違います。

まず自分たちでやってみる最小の手順と、続かないとき

今週からできる最小の手順は3つです。

  1. 予習シリーズとWベーシックの今週分に、「ここまで」の線を引く
  2. 宿題を○△×に仕分ける
  3. 通塾のない平日に、△の問題を白紙から解き直す

この3つだけで、板挟みの状態はかなり軽くなります。

それでも、毎週の線引きと仕分け、丸つけ、テスト直しの選別を、仕事や下の子の世話と並行して続けるのは、簡単ではありません。親が全部を抱えて回している家庭ほど、2〜3週目で息切れしがちです。続かない週が出てきたら、仕分けや計画づくりの一部を、外の力に分けるという選択肢もあります。まずはこの軸で1か月回してみて、どこで詰まるかを見てから考えれば間に合います。

※テキスト管理をプロに任せる場合の選び方はこちらの記事で解説しています