日能研上位校日特に届かなかった小6。単独校対策に代わる過去問特化

日能研の上位校日特に届かなかった時点で、「志望校対策が受けられない」と感じるのは自然です。ただ、塾の講座に入れなかったことと、志望校の入試に備えられないことは、別の話です。入試で問われるのは、志望校の問題との相性と、時間内に点を取りきる力です。それを鍛える一番の教材は、志望校の過去問そのものです。

この記事では、日曜の午前中を「過去問だけをやる枠」に作り替える進め方を書きます。いまの時期に、何を何回やり、どこまで直すのか。判断に迷わないよう、手順と表にしました。

日特に届かなかった小6の秋に、まず確認すること

日能研では、6年生の秋から志望校別の講座(日能研入試問題研究特別講座、通称「日特」)が組まれます。コースの案内や受講の条件は、校舎や年度で違います。公開模試の成績などをもとに、塾から推奨のコースが示されるという保護者の声もあります。細かな基準は公式には確認できなかったので、ここでは断定しません。

大事なのは、「届かなかった」という結果の受け止め方です。

基準に届かないことと、受験できないことは別

日特は、塾が用意する講座の一つです。志望校への入口ではありません。受験は、願書を出して試験を受ければ成立します。日特に入れなかった子が、志望校に合格した例は珍しくありません。

よくあるのは、こんなケースです。たとえば6年生の女の子で、公開模試の偏差値がわずかに足りず、希望の日特に入れなかった。そこで親子とも気持ちが沈み、過去問に手がつかないまま10月が過ぎていく。落ち込んで止まる時間のほうが、成績にとっては大きな損失です。

塾に問い合わせる前に、親子で整理する3点

校舎の先生に聞く前に、次の3点を紙に書いておくと、話が早く進みます。

  • 第一志望校と、併願校の入試日程
  • 過去問を、すでに何年分、どの教科でやったか
  • 日曜の午前中に、ほかに予定が入っているか

この3点が見えると、「日特がない日曜に何をやるか」が決められます。

日特の代わりになるのは「日曜午前の過去問演習」

単独校対策の講座がやってくれることは、大きく分けて3つあります。志望校の出題形式に慣れさせること、時間配分を体で覚えさせること、間違えた問題の直し方を示すことです。この3つは、家庭でも再現できます。

日曜の午前中が向いている理由

入試は、ほとんどが午前中に始まります。日曜の午前に、入試と同じ時刻に始めて同じ時間で解くと、体と頭が「その時間帯に働く」状態に慣れていきます。平日の夜に疲れた状態で解いた点数と、午前の点数は、別物です。

開始時刻は、志望校の試験開始に合わせて決めます。8時台に始まる学校もあれば、9時台、10時台に始まる学校もあります。募集要項の集合時間と試験開始時間を確認して、その時刻に机に向かいます。

完全マンツーマンとは、子どもの答案だけを見る時間のこと

ここでいう「完全マンツーマン」は、誰かに教わるという意味に限りません。その子の答案だけを、一対一で見る時間という意味です。集団授業では、ほかの子の質問や解説に時間が流れます。日曜午前は、その子が間違えた問題、時間が足りなかった大問、白紙にした記述だけに時間を使えます。

親が横について解説する必要はありません。むしろ、解説は控えめで構いません。やるのは、時計を見ることと、採点の補助、そして直しの段取りを組むことです。

日曜午前の過去問演習を、そのまま使える進め方にする

過去問は、秋に始めて12月までにひと通り終える、という進め方が多くの家庭で取られています。日曜1回で何をやるか、時間割にしてみます。

日曜午前のタイムテーブル例(4教科を午前中に収めるのは難しいため、2教科ずつ)

時間帯 やること 親の役割
入試開始時刻に合わせる 1教科目を本番と同じ制限時間で解く 時計を見る。声はかけない
解き終えた直後 休憩。水分とおやつ 点数の話をしない
休憩のあと 2教科目を制限時間で解く 同上
昼食のあと〜午後 採点と、間違いの印付け 採点を手伝う。配点は目安として扱う

志望校によっては、4教科すべてを1日で解くと半日以上かかります。そのため、日曜1回を「国語と算数」、翌週を「理科と社会」のように分けても構いません。大事なのは、同じ曜日・同じ時刻に続けることです。

解く順番と、年度の選び方

志望校が決まっていて、いま学力との差を感じているなら、いきなり最新年度から始めないほうがいい場合があります。志望校と学力が離れているときは、押さえの学校の過去問から始める、という考え方もあります。解いた手応えをつかんでから、第一志望の過去問に入ります。

第一志望の過去問は、できれば1冊分すべてやりたいところです。最新年度は、本番直前に実力の確認として取っておく手もあります。直前期に新品の問題が残っていると、確認の意味が出ます。

点数は、気にしすぎない

過去問の点数が合格者最低点に届かなくても、動揺する必要はありません。本番まで、得点力は伸び続けます。過去問の配点は目安にすぎない、という指摘もあります。見るべきなのは、点数より次の2つです。

  • 時間内に最後の大問まで目を通せたか
  • 同じ種類のミスが繰り返されていないか

点数に一喜一憂すると、過去問をやること自体が怖くなります。淡々と続けることを優先してください。

直しの時間が、単独校対策の代わりになる

過去問演習の価値は、解くことより、直すことで決まります。とはいえ、直しに時間をかけすぎると、ほかの勉強が回らなくなります。

直しは3種類に分けると進む

間違えた問題を、次の3種類に分けます。

種類 例 対応
知識の抜け 漢字、理科の用語、地理の用語 暗記カードやメモに書き写し、後日確認する
解き方の抜け 速さの考え方、図形の補助線 解説を読んで、もう一度自力で解き直す
時間不足・手が出なかった問題 大問の後半、記述問題 次回は後回しにする、と決めておく

3つ目は、直さなくて構いません。手が出なかった問題をすべて直そうとすると、日曜が終わらなくなります。「この問題は、本番でも捨てる」と決める作業も、立派な直しです。

同じ学校の過去問は、解き直しが効く

同じ学校は、出題の癖が似ます。たとえば算数で毎年出る図形のタイプ、国語で毎年出る記述の聞き方があります。2回目、3回目に同じ種類の問題を見たとき、前回より少しでも早く解けていれば、それが単独校対策の効果です。

間違いのメモは、1冊のノートにまとめます。綺麗に清書する必要はありません。日付と、どこで間違えたかが分かれば足ります。

塾の授業と日曜午前を、両立させる

日特がない分、平日と土曜の塾の授業や宿題は、これまでどおり続きます。そこに日曜の過去問を足すと、子どもの負担は重くなります。何かを減らさないと、続きません。

減らしていいもの、減らさないもの

12月までに、過去問に必要な時間を確保するため、優先度を整理します。

優先度 内容
高 日曜午前の過去問演習と、その直し
高 塾の公開模試・志望校判定テストの復習
中 塾のテキストの基本問題
低 平常授業の宿題のうち、応用・発展の問題

宿題をすべて消化しようとして、睡眠時間を削る必要はありません。応用問題のところは、「今日は飛ばす」と決めて構いません。

直前の1か月に向けた考え方

10月後半から11月は、年度ごとに過去問を一気に増やす時期になりやすく、疲れが出ます。そのため、日曜の演習に「予備日」を作ります。体調不良や、直しが終わらなかった分を消化する日です。月に1〜2回は、何も予定を入れない日曜を置いてください。

教科ごとに、日曜の使い方を変える

4教科を同じ重さで扱うと、日曜が足りなくなります。教科の性質に合わせて、見るところを変えます。

算数は「捨てる問題」を決める

算数は、大問ごとに難しさの差が大きい教科です。解き終えたあと、全問に印を付けます。すぐ解けた問題、時間をかけて解けた問題、手が出なかった問題の3つです。次の回では、すぐ解けた問題から先に片づける順番を試します。順番を変えるだけで、同じ実力でも点が変わることがあります。

国語は、記述の「型」をそろえる

国語は、記述問題で何を書けば得点になるのかが、学校ごとに違います。解答例と自分の答案を並べて、解答例に入っている要素が自分の答案にいくつあるかを数えます。足りなかった要素を1つ書き出すだけで構いません。次回は、その要素を意識して書きます。

理科と社会は、間違いの「分類」から始める

理科と社会は、知識の抜けが点差になりやすい教科です。ただ、同じ過去問で間違えた知識が、そのまま本番に出るとは限りません。間違えた用語そのものより、「どの単元が弱いか」を見ます。単元がまとまって見えたら、塾のテキストの該当ページに戻って、基本問題だけを解き直します。

気持ちが落ち込んだ日の、日曜の過ごし方

日特に届かなかったと分かった直後は、子どもも親も気持ちが落ちています。その状態で、いきなり4教科を解かせる必要はありません。最初の1回は、得意な教科を1つだけ、制限時間を守って解きます。解けた感触を持って、日曜を終えることを優先してください。

子どもが「どうせ受けられなかったから」と口にしたら、反論せずに受け止めます。「日特はなかったけれど、この日曜は志望校の問題だけをやる日にしよう」と、日曜の意味を言い換えて伝えます。塾の講座に入れなかったことより、自分の志望校の問題を解く時間が自分にだけあることのほうが、子どもには具体的な励みになります。

まず自分たちでやる手順と、続かないときの選択肢

日特に届かなかった日曜を、過去問の枠に変える手順をもう一度並べます。

  1. 第一志望校と併願校の、入試開始時刻を確認する
  2. 日曜の午前、その時刻に合わせて机に向かう
  3. 2教科ずつ、制限時間を守って解く
  4. 採点し、間違いを「知識」「解き方」「手が出なかった」に分ける
  5. 知識と解き方の2つだけを直し、ノートに1行ずつ残す

ここまでを、親子だけで回せる家庭は少なくありません。

ただ、採点や直しの仕分け、どの年度をいつやるかの管理を、親ひとりで続けるのは重いことがあります。平日の仕事と夕食、塾の送迎をこなしながら、日曜の午前に採点と添削まで受け持つのは、時間の面でも気持ちの面でも限界が来やすいものです。そういうときは、採点と直しの確認の部分だけを、外の手を借りて回す方法もあります。全部を任せる必要はなく、日曜の午前だけ一緒に答案を見てもらう、という頼み方もあります。

日特に届かなかったことは、入試の合否を決める出来事ではありません。日曜の午前を過去問の時間に変えて、志望校の問題に一つずつ慣れていけば、単独校対策に近い準備は、家庭でも進められます。

※テキスト管理をプロに任せる場合の選び方はこちらの記事で解説しています