陽気なギャングが地球を回す(伊坂幸太郎)の超あらすじとネタバレ

「陽気なギャングが地球を回す」(伊坂幸太郎)は、個性豊かな4人のメンバーが織りなす痛快な銀行強盗ストーリーです。

成瀬、響野、久遠、雪子という4人のキャラクターが、それぞれの特技を活かして大胆な計画を実行します。彼らのモットーは「美しく」「ロマン」を追い求めること。物語は、彼らが計画を進める中で巻き込まれる様々なトラブルやハプニングを通じて展開されます。

この記事では、「陽気なギャングが地球を回す」のあらすじとネタバレを詳しく紹介し、この魅力的な作品の全貌をお伝えします。ぜひ最後までお読みください。

この記事のポイント
  • 登場人物の個性と役割
  • 強盗計画の詳細と実行過程
  • 偽警官との遭遇とその結果
  • 横取り犯との対決とその対策
  • 計画の実行と最終的な罠の仕掛け

陽気なギャングが地球を回す(伊坂幸太郎)の超あらすじとネタバレ

第1章: 強盗チームの紹介

成瀬誠(なるせ まこと)は、普段は市役所で働く公務員です。冷静で、どんなことにも用意周到に準備をする性格です。成瀬には特別な能力があり、人が嘘をついているかどうか一瞬で見抜くことができます。いつも鋭い目で周りを観察しています。

次に紹介するのは響野雅彦(きょうの まさひこ)です。響野は妻と一緒に小さな喫茶店「カフェ・ヒビキ」を経営しています。響野は話し上手で、口から次々と面白いことを言います。まるで政治家のように上手に話すことができる一種の天才です。成瀬とは高校時代からの親友で、二人は長い付き合いです。

3人目の久遠翔太(くおん しょうた)は、動物をこよなく愛する若者です。久遠はチームの中で最年少で、動物と自然が大好きです。彼はお金が貯まるとニュージーランドで過ごし、お金が無くなると日本に戻ってくるという生活をしています。

最後に紹介するのは、唯一の女性メンバーである雪子(ゆきこ)です。雪子は時間に正確で、1秒の狂いもなく行動できます。さらに、彼女の運転技術は天下一品で、逃走の際に運転手として参加しています。

この4人のモットーは「美しく」「ロマン」を追いかけることです。彼らは普通の生活をしながらも、普通に計画を立てています。それぞれが自分の役割を理解し、ターゲットが決まれば準備に余念がありません。

第2章: 偽警官との遭遇

ある日、成瀬と久遠は銀行の下見に出かけました。そこで二人は、怪しい警察官を見かけます。成瀬は「人間嘘発見器」と呼ばれるほどの能力を持っており、その警察官が偽物であることに気づきました。「あの警官は偽物だ」と成瀬が言うと、久遠はその偽警官に声をかけました。

話を聞いてみると、その偽警官は警察官のコスプレを楽しんでいるマニアでした。少しの間やり取りがありましたが、最後には偽警官が「君たちも制服が欲しければ用意するよ」と言って別れました。

一方、雪子は毎回事前に逃走ルートを確認し、逃走用の車を手配しています。各自が準備を終えると、響野が経営する「カフェ・ヒビキ」に集合し、打ち合わせを行います。その時、成瀬は雪子の様子が普段と違うことに気づきましたが、何も言いませんでした。

第3章: 強盗と横取り

いよいよ計画当日がやってきました。響野が「ロマンはどこだ!」と叫ぶと、4人は行動を開始します。無事に計画を実行し、目的を達成した4人は、雪子の運転する車で逃走します。

ところが、逃走の途中で一台の車が突っ込んできました。雪子の見事な運転技術で衝突は避けられましたが、その車から男たちが降りてきて「車を渡せ。カバンも一緒に出せ」と言って、手に入れたものを奪い取られます。しかし、久遠はその男たちの一人から財布を盗んでいました。

第4章: 取り返し計画

後日、響野の「カフェ・ヒビキ」に集まった4人は「奪われたものを取り返そう」と計画します。久遠が盗んだ財布に入っていた免許証から、横取り犯の一人を特定し、その人物の家に行くことにしました。その家の合鍵を作るため、彼らは引きこもりで発明家の田中(たなか)に依頼しました。

合鍵を受け取った成瀬は、雪子と一緒にその家に向かいました。そこで二人が目にしたのは、倒れている人でした。どうやら横取り犯たちの間でトラブルがあったようです。

調査を進めるうちに、横取り犯の黒幕の一味に雪子の元夫が関わっていることがわかりました。雪子は大切な人を守るために、わざと横取りされたことを白状しました。この事実を知った成瀬は、雪子の元夫を仲間に引き入れ、横取り犯たちに罠を仕掛けることを決めました。元夫を信用していない雪子は「裏切るに違いない」と言いますが、成瀬はそれを聞き入れず、次の計画の打ち合わせをショッピングモールで行いました。

第5章: 計画の実行と罠

元夫は連絡用の携帯電話を雪子に渡し、仲間になったふりをしています。打ち合わせが終わった後、4人は再び響野の「カフェ・ヒビキ」に集まり、もう一度詳細な打ち合わせを行いました。実は、ショッピングモールでの計画は罠を仕掛けるための偽計画だったのです。本当の計画は別の日に別の場所で行う予定でした。

計画当日、雪子はいつも通り逃走用の車を運転し、待機します。そこへ、黒幕が「計画は知っている」と現れました。さらに、成瀬たちが向かった場所には、パトカーやテレビの中継車が押し寄せ、計画が失敗したかのように見えました。

すると、雪子の車に警察官が3名やってきて、「車から出てください」と言います。雪子が外に出た瞬間、その警察官は車を外から施錠しました。驚く雪子の前で、その警察官は成瀬、久遠、響野に変わりました。

混乱する雪子に、成瀬は「あの場所は今日が訓練の日だった」と告げました。さらに今回の逃走用の車は、田中から手に入れた「外から鍵を掛ければ中から開かない車」で、黒幕と仲間割れした人物を閉じ込めました。その車を放置したまま、4人は次の計画へと進みました。

陽気なギャングが地球を回す(伊坂幸太郎)の感想・レビュー

「陽気なギャングが地球を回す」(伊坂幸太郎)は、キャラクターがとても魅力的な作品です。成瀬誠は、嘘を見抜く能力を持つ冷静な公務員で、彼の鋭い観察力には驚かされます。彼の冷静さが、物語全体に安定感を与えています。

響野雅彦は、喫茶店「カフェ・ヒビキ」を経営する話し上手なキャラクターです。彼のユーモアと話術は物語に軽快さをもたらし、読んでいて楽しいです。響野と成瀬の高校時代からの友情も、物語に深みを加えています。

久遠翔太は、動物と自然を愛する若者で、その純粋さがとても好感が持てます。彼のニュージーランドと日本を行き来する生活もユニークで、興味を引かれます。彼の存在がチームに柔らかさと温かさをもたらしています。

唯一の女性メンバーである雪子は、時間に正確で運転技術が抜群です。彼女のプロフェッショナルな姿勢と正確さは、物語の緊張感を高めています。また、彼女が大切な人を守るために取る行動は、読者に感動を与えます。

ストーリー全体は非常にテンポが良く、飽きることなく読み進められます。偽警官との遭遇や横取り犯との対決など、次々と起こる出来事がスリル満点で、目が離せません。特に、計画を実行する際の緻密さとその結果としてのトラブルは、読んでいてハラハラします。

最後の計画での大逆転も見事です。成瀬たちが黒幕に罠を仕掛ける場面は、非常に緻密に描かれており、驚きと興奮を感じました。雪子の元夫との関係や、その裏切りの可能性に対する緊張感も、物語をさらに引き立てています。

総じて、「陽気なギャングが地球を回す」は、キャラクターの魅力と緻密なストーリー展開が見事に融合した作品です。伊坂幸太郎の巧みな描写により、読者は物語に引き込まれ、最後まで楽しむことができます。この本を読むことで、キャラクターたちのユニークな魅力と、予測不可能なストーリー展開に満足できること間違いありません。

まとめ:陽気なギャングが地球を回す(伊坂幸太郎)の超あらすじとネタバレ

上記をまとめます。

  • 成瀬誠は嘘を見抜く能力を持つ冷静な公務員である
  • 響野雅彦は話術に長けた喫茶店経営者である
  • 久遠翔太は動物と自然を愛する最年少メンバーである
  • 雪子は時間に正確で運転技術が優れている女性である
  • 彼らのモットーは「美しく」「ロマン」を追求することである
  • 偽警官との遭遇でコスプレマニアに出会う
  • 初回の強盗は成功するが、横取り犯に奪われる
  • 久遠が横取り犯の財布を盗み、手がかりを得る
  • 横取り犯の黒幕に雪子の元夫が関与している
  • 最終的に黒幕に罠を仕掛けて計画を遂行する