
福岡県八女市にある西日本短期大学附属高校、通称「西短」。この高校の大きな特徴は、一人ひとりの夢や目標に合わせて選べる多彩なコースがあることです。そのため、西日本短期大学附属高校の偏差値は一つの数字で表すことができず、コースによって様々です。
この記事では、西日本短期大学附属高校が持つ幅広い偏差値の意味を深く掘り下げていきます。高い偏差値が求められる特進コースから、専門的な道を目指すコースまで、それぞれの偏差値が示す難易度や目標を詳しく解説します。偏差値は、自分にぴったりの高校生活を見つけるための大切な道しるべです。このガイドを読んで、あなたの未来につながるコースを見つけるための第一歩にしてください。
西日本短期大学附属高校の偏差値とコース別の難易度を徹底分析
最新の偏差値は?コースごとに紹介
西日本短期大学附属高校の偏差値は、38から52までと非常に幅広いのが特徴です。これは、学力向上を徹底的に目指すコースから、特定の職業に就くための専門知識や技術を学ぶコースまで、多種多様な教育を提供しているからです。この偏差値の幅広さは、様々な個性や目標を持つ人が集まる、西短の大きな魅力と言えるでしょう。
以下に、現在のコースごとの偏差値の目安をまとめました。自分の興味や将来の夢と照らし合わせながら、どのコースが自分に合っているか考えてみてください。
コース名 | 偏差値の目安 | コースの特色・目標 |
特進選抜コース | 52 | 国公立大学や難関私立大学への現役合格を目指す |
特進看護・医療進学コース | 50 | 看護・医療系の大学や専門学校への進学を目指す |
特進総合進学コース | 49 | 部活動と勉強を両立させながら大学進学を目指す |
保育進学コース | 40~44 | 保育士や幼稚園教諭を目指し、系列短大への進学も視野に入れる |
キャリアセレクトコース | 39以下 | 就職や大学進学など、多様な進路に対応できる実践的な力を養う |
ここで一つ、とても大切な情報があります。令和8年度(2026年4月)の入学生からは、コースの編成が新しくなる予定です。具体的には、「特進選抜コース」と「特進看護・医療進学コース」が「特進総合進学コース」に統合され、「保育進学コース」が「キャリアセレクトコース」に統合される計画です。これから西短を目指す皆さんは、現在のコースだけでなく、この新しい編成についても情報を集めておくことが重要です。
【特進コース】の偏差値と目指せる大学
西短の大学進学を力強く支えるのが「特進コース」です。特進コースの生徒は「立志館」という専用の校舎で学びます。冷暖房完備の教室や自習スペースなど、勉強に集中できる環境が整っているのが大きな特徴です。
特進選抜コース(偏差値52)
このコースは、国公立大学や、合格が難しいとされる有名私立大学への現役合格を目標とする、少数精鋭のコースです。生徒一人ひとりへの手厚い指導が特徴で、在籍する生徒は全員が学業奨学生として認められます。熊本大学、鹿児島大学、上智大学、立命館アジア太平洋大学など、全国の難関大学への合格実績が続いています。さらに、大手予備校「久留米ゼミナール」と提携しており、3年生になると希望者は国語・数学・英語の受験対策講座を無料で受講できます。学校から予備校までのバスも無料で利用できるなど、学校が全力で大学受験をサポートする体制が整っています。
特進看護・医療進学コース(偏差値50)
将来、看護師や理学療法士など、医療の道に進みたいという強い意志を持つ人のためのコースです。専門科目「看護基礎」の授業があり、病院での実習や医療セミナー、リハビリ体験など、実際の医療現場に触れる機会が多く設けられています。これにより、早くから医療従事者としての自覚を育むことができます。福岡大学、久留米大学、聖マリア学院大学、国際医療福祉大学など、多くの看護・医療系大学への進学実績があります。
特進総合進学コース(偏差値49)
「勉強も部活動も、どちらも全力で頑張りたい」という人に最適なのがこのコースです。「文武両道」を掲げ、ほぼ100%の生徒が部活動に所属しながら大学進学を目指しています。部活動引退後の3年生からは、特進選抜コースと同様に「久留米ゼミナール」の無料講座に参加することも可能です。進路も多様で、関西大学や福岡大学などの私立大学への進学のほか、警察官や消防官、自衛官といった公務員になる卒業生もいます。
【保育・福祉コース】の偏差値と多様な進路
保育進学コース(偏差値40~44)
将来、子どもたちの成長を支える保育士や幼稚園の先生になりたいという夢を持つ人のための専門コースです。系列校である西日本短期大学の保育学科と深く連携しており、高校にいながら大学レベルの学びを先取りできるのが強みです。校内には40台の電子ピアノが設置されたピアノ演習室があり、保育の現場で必要不可欠なピアノの技術を基礎からしっかりと学べます。また、保育技術検定などの資格取得にも力を入れています。卒業生の多くは、西日本短期大学(保育学科の偏差値は44程度)へ進学しますが、中村学園大学や福岡女学院大学など、他の大学の保育・教育系学部に進む道も開かれています。高校から短大・大学へと続く、安心で確実な道筋が用意されているのが、このコースの最大の魅力です。
【キャリアセレクトコース】の偏差値と専門性
キャリアセレクトコース(偏差値39以下)
西短で最も多くの生徒が在籍する、非常に柔軟で可能性に満ちたコースです。このコースの最大の特徴は、自分の興味や目標に合わせて専門的な授業を選べる「キャリアセレクト講座」にあります。例えば、プロのトレーナーから直接指導を受け、資格取得も目指せる「パーソナルトレーナー理論」、系列短大の先生が教える「公務員講座」、就職活動で必須となるSPI試験の対策講座など、ユニークで実践的な学びが満載です。パソコンの検定や秘書検定など、社会に出てすぐに役立つ資格取得にも力を入れています。
このコースの卒業生の進路は驚くほど多彩です。早稲田大学や関西大学といった難関私立大学への進学者もいれば、トヨタ自動車、日産自動車、ロッテといった日本を代表する大企業や、プロ野球チームの福岡ソフトバンクホークスに就職する人もいます。偏差値の数字だけでは測れない、一人ひとりの「得意」や「好き」を具体的な強みに変え、社会で活躍するための力を育てる。それがキャリアセレクトコースの真価です。
福岡県内での偏差値ランキングと立ち位置
福岡県にはたくさんの高校がありますが、西短のように複数のコースを持つ私立高校は、一つの偏差値で語られる公立高校とは少し違う立ち位置にあります。
偏差値52の「特進選抜コース」は、福岡県内の公立高校で言えば、育徳館高校や柏陵高校などと同じくらいの学力レベルです。しかし、西短には予備校との無料連携といった、公立高校にはない手厚い受験サポートがあります。
偏差値49~50の「特進総合進学コース」や「特進看護・医療進学コース」は、八幡中央高校などと同じくらいのレベルですが、看護やスポーツといった明確な目標に特化したカリキュラムが強みです。
そして、偏差値38~44の「保育進学コース」や「キャリアセレクトコース」は、西短が特にユニークな価値を持つ領域です。同じ偏差値帯の公立高校もありますが、保育士やパーソナルトレーナーといった専門職に直結する資格やスキルを、高校時代から学べる場所は多くありません。
このように西短は、県内トップクラスの進学校と偏差値だけで競うのではなく、それぞれの学力レベルの生徒に対して「西短ならではの付加価値」を提供することで、福岡県の高校の中で独自の確かな地位を築いています。
偏差値が近い併願校・すべり止めの候補
高校受験では、自分の実力に合った学校をいくつか受ける「併願」という戦略が一般的です。西短を第一志望にする場合、同じくらいの偏差値の学校や、安心して合格を目指せる「すべり止め」の学校も考えておくと良いでしょう。
実際に西短と合わせて受験する人が多い学校として、福島高校や八女農業高校などが挙げられます。
もしあなたが偏差値49~52の特進コースを目指すなら、偏差値45前後の公立高校などを併願校として検討すると、受験の計画が立てやすくなります。
偏差値38~44の保育進学コースやキャリアセレクトコースを目指す場合は、同じように専門的なコースを持つ他の私立高校や、自分の学力で確実に合格できる地元の公立高校を調べてみると良いでしょう。
大切なのは、模試の結果などを参考に、学校の先生や塾の先生とよく相談して、自分だけの受験プランを作ることです。
西日本短期大学附属高校の偏差値から見る合格ラインと入試対策
合格に必要となる「内申点」の目安は?
西短では、「内申点が何点以上ないと合格できない」というような、はっきりとした基準は公表されていません。
これは、受験生の評価をテストの点数だけで判断しない、という学校の姿勢の表れです。もちろん、入学試験の点数は非常に重要ですが、それと同じくらい、中学校から提出される調査書の内容も大切に見ています。調査書には、各教科の成績だけでなく、授業態度、部活動や委員会での活動、学校を休まずに通えたか、といった日々の頑張りが記録されています。
ですから、「内申点を上げるためにこれをやらなきゃ」と心配しすぎる必要はありません。まずは、今受けている授業を大切にし、提出物をきちんと出し、学校行事や部活動に積極的に参加すること。そうした毎日の積み重ねが、自然と良い評価につながり、合格へと近づけてくれます。
専願・前期・後期入試の倍率と傾向
西短の入試には、主に二つの種類があります。「専願入試」と「一般入試(前期)」です。専願入試は、「合格したら必ず西短に入学します」と約束して受験する方法で、一般入試よりも少し早い時期に行われます。
近年の入試の競争倍率(募集人数に対してどれくらいの人が受験したかを示す数字)は、コースや入試方法によって1.00倍から3.50倍までと幅があります。1.00倍というのは、基準を満たした受験者全員が合格したことを意味し、3.50倍となると、かなり競争が厳しかったことを示します。一般的には、目標とする人が多い特進コースの方が倍率は高くなる傾向にあります。
それぞれの入試の違いを下の表にまとめました。自分にはどちらの入試が合っているか、よく考えてみましょう。
項目 | 専願入試 | 一般入試(前期) |
試験日 | 1月下旬ごろ | 2月上旬ごろ |
試験科目 | 国語、数学、英語、面接 | 国語、数学、英語、理科、社会、面接 |
受験資格 | 卒業見込みで、合格したら必ず入学する人 | 卒業見込みの人、または既に卒業した人 |
専願入試は試験科目が3教科なので、理科と社会が苦手な人にとっては受けやすいかもしれません。一方、一般入試は5教科の勉強が必要ですが、他の高校と併願することができます。
偏差値クリアのための効果的な勉強法
高校受験に向けて、今からできる最も効果的な勉強法は、中学校の授業内容を完璧に理解することです。特に、国語、数学、英語の3教科は、どの高校の入試でも土台となる重要な科目です。日々の授業を大切にし、基礎をしっかりと固めていきましょう。
そして、西短を目指す上で非常に心強い情報があります。西短では、オープンスクールや入試対策説明会に参加すると、昨年度の入試で使われた「過去問題集」を無料で配布してくれるのです。さらに、秋に行われる「入試対策説明会」では、その過去問を使いながら、問題を作成した先生自身が解き方のポイントや出題の傾向を詳しく解説してくれます。
これは、学校側が「ぜひうちの学校に来てほしい」という気持ちで、受験生を応援してくれている証拠です。このチャンスを最大限に活用しない手はありません。
具体的な学習プランとしては、
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まずは中学校の授業に集中し、基礎学力をつける。
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3年生になったら、夏以降のオープンスクールに参加して過去問を手に入れる。
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過去問を解いて、西短の入試問題の形式に慣れる。
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秋の入試対策説明会に参加して、先生から直接攻略法を教わる。
この流れで準備を進めれば、自信を持って本番に臨むことができるはずです。
オープンスクールや学校説明会には参加すべき?
答えは、間違いなく「はい」です。オープンスクールや学校説明会への参加は、パンフレットやウェブサイトだけでは得られない、たくさんの価値があります。
一番の理由は、学校の「雰囲気」を肌で感じられることです。実際に学校を訪れて、通っている先輩たちの表情を見たり、先生たちの話し方を聞いたりすることで、「この学校、楽しそうだな」「ここで3年間過ごしたいな」と感じられるかどうかは、とても大切な判断基準になります。
さらに、西短のオープンスクールには、参加するだけで得られる具体的なメリットがたくさんあります。
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希望するコースの体験授業や、部活動の体験に参加できる。
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昨年度の入試過去問題集(解答付き)が無料でもらえる。
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西短オリジナルの記念グッズがもらえる。
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イベントによっては、お昼ご飯が無料で提供されることもある。
これほどたくさんの「お宝」が手に入る機会は他にありません。ぜひ積極的に参加して、西短の魅力を直接確かめてみてください。
イベント名 | 時期 | 対象 | 主な内容 |
第1回オープンスクール | 8月 | 中2・3年生 | コース体験、部活動体験 |
第2回オープンスクール | 9月 | 中3年生 | コース体験、部活動体験 |
第3回オープンスクール | 10月 | 中3年生 | コース体験、部活動体験 |
入試対策説明会 | 11月 | 中3年生 | 過去問題解説、面接対策 |
偏差値だけじゃない!西短の学校生活の魅力
高校生活は、偏差値や勉強だけで決まるものではありません。友達と笑い合った時間、何かに夢中になった経験、そうした一つひとつの思い出が、かけがえのない宝物になります。西短には、そんな充実した3年間を送るための魅力がたくさん詰まっています。
春の「緑茗祭(体育祭)」と秋の「青瓈祭(文化祭)」は、学校中が一体となって盛り上がる二大イベントです。学年を超えて協力し合い、最高の思い出を作ることができます。2年生で行く修学旅行も大きな楽しみの一つで、これまではグアムなど海外へ行くことが多く、今後は国内と海外の選択制も計画されています。
そして、西短の代名詞とも言えるのが、非常に活発な部活動です。硬式野球部は、夏の甲子園で全国制覇を成し遂げたこともある全国屈指の強豪で、元北海道日本ハムファイターズ監督の新庄剛志さんをはじめ、多くのプロ野球選手を輩出しています。女子バレーボール部も全国大会の常連です。文化部も負けてはいません。吹奏楽部は九州大会で4年連続金賞を受賞する実力ですし、文芸部も全国大会で数々の賞を受賞しています。「特進コースに入ったら部活動はできないかも」と心配する人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。特進コースの生徒の部活動加入率は87%と非常に高く、勉強と部活を両立させている先輩がたくさんいます。
こうした活発な学校生活を支える施設も充実しています。プロスポーツ選手も使うような高気圧酸素カプセルが設置されたトレーニングルーム、甲子園を目指す野球部専用のグラウンドと室内練習場、40台のピアノが並ぶ演習室、そして日本の伝統文化を学ぶための本格的な茶道会館「禎祥」など、他の学校ではなかなか見られない設備が整っています。生徒に人気の食堂や、遠方からの生徒のための寮も完備されています。
何より、西短の魅力は「人」にあります。生徒からは「先生が親身になって相談に乗ってくれる」「切磋琢磨できる仲間がたくさんいる」という声が多く聞かれます。一人ひとりの個性を尊重し、誰もが自分らしく輝ける場所。それが、偏差値の数字だけでは表せない、西日本短期大学附属高校の本当の魅力です。
まとめ:西日本短期大学附属高校の偏差値
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西日本短期大学附属高校は、福岡県八女市にある自然豊かな私立高校です。
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偏差値は38から52までと非常に幅広く、多様なコースが用意されています。
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特進コースは国公立大学や難関私立大学を目指し、予備校との連携など手厚いサポートがあります。
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保育進学コースやキャリアセレクトコースでは、専門的な資格取得や就職に直結する実践的な学びができます。
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令和8年度からコース編成が新しくなるため、自分の入学年度の情報を確認することが大切です。
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福岡県内では、偏差値帯ごとに特色ある私立校として独自の立ち位置を築いています。
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合格には入試当日の学力試験が重視されますが、中学校での成績や活動も評価されます。
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専願入試と一般入試があり、試験科目や日程が異なるため、自分に合った方法を選べます。
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オープンスクールに参加すると、過去問題集がもらえたり、学校の雰囲気を直接感じられたりします。
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野球部や吹奏楽部など全国レベルの部活動が盛んで、充実した施設や楽しい学校行事も大きな魅力です。