この記事では、乙一の小説『夏と花火と私の死体』の詳細なネタバレをお届けします。
物語は、夏休みに神社で遊ぶ主人公の五月ちゃんと友達の弥生ちゃんから始まります。突然の危機を救ってくれた弥生ちゃんの兄、健くんとの交流や、家でのアイスクリームを食べる和やかな時間が描かれています。
しかし、森での秘密の告白がきっかけで悲劇が起こり、五月ちゃんは命を落とします。物語はその後、五月ちゃんの死体を隠そうとする弥生ちゃんと健くんの葛藤と緊張感を描き、最後に驚きの展開が待ち受けています。
詳細なプロットを知りたい方は、続きをご覧ください。
- 『夏と花火と私の死体』のあらすじ全体
- 主要キャラクターの関係性と役割
- 物語の重要な出来事と転機
- 五月ちゃんの死の経緯とその後の展開
- 最終的な結末と真実の発覚
夏と花火と私の死体の超あらすじとネタバレ
第1章: 出会いと友情
夏休みが始まったある日、主人公の五月(さつき)ちゃんと仲良しの弥生(やよい)ちゃんは、近くの神社で遊んでいました。二人は鬼ごっこをして楽しんでいましたが、突然、凶暴な野良犬66の唸り声が聞こえてきました。恐怖で体が動かなくなってしまった五月ちゃんの前に、弥生ちゃんの兄である健(けん)くんが現れ、勇敢にも66を追い返してくれました。
「五月ちゃん、大丈夫?」と優しく声をかける健くんに、五月ちゃんは少し安心しました。弥生ちゃんは「緑(みどり)さんがアイスクリームを持って来ているかもしれないよ」と言い、3人で弥生ちゃんの家に向かいました。
弥生ちゃんの家では、家政婦の緑さんが本当にアイスクリームを持って来ていました。みんなでリビングに集まり、テレビを見ながらアイスクリームを食べました。その時、ニュースで近所で起こった誘拐事件が報道されました。緑さんは冗談めかして「健くんも気をつけなさい。可愛いから誘拐されちゃうよ」と笑いながら言いました。場は和やかな雰囲気に包まれました。
第2章: 秘密の告白
アイスクリームを食べ終わり、少し退屈になった五月ちゃんと弥生ちゃんは、家の裏にある森へ向かいました。健くんは緑さんを送ってから来ると言っていたので、二人はいつものように高い木に登り、弥生ちゃんのおしゃべりを楽しみました。
木の枝に腰かけた弥生ちゃんは「違う家に生まれたかった」とつぶやきました。それを聞いた五月ちゃんが「どうして?」と尋ねると、弥生ちゃんは「弥生も健くんと呼びたかった」と答えました。弥生ちゃんの長い髪は、健くんが好きな緑さんの真似をしていることが分かりました。
そこで、五月ちゃんも「わたしも健くんが好きなんだ」と弥生ちゃんに打ち明けました。遠くに健くんの姿が見えたので、五月ちゃんは手を振りました。その瞬間、背中を強く押され、五月ちゃんは木から落ちてしまいました。五月ちゃんはそのまま意識を失い、帰らぬ人となりました。
第3章: 突然の死
大きな音に気づいた健くんは、急いで五月ちゃんの落ちた場所に駆けつけました。そこで彼は、動かなくなった五月ちゃんの体を見つけました。木の枝から降りてきた弥生ちゃんは泣いていて、健くんが何があったのか尋ねると、弥生ちゃんは「いつものようにおしゃべりしていたら、五月ちゃんが滑って落ちてしまった」と説明しました。
健くんは「滑って落ちちゃったのなら仕方がない。弥生は悪くないから泣くのはやめな」と優しく慰めました。五月ちゃんの体に向き直り、母親に知らせに行こうとしましたが、弥生ちゃんが嫌だと言いました。そのため、二人は五月ちゃんの死体を隠すことに決めました。健くんが五月ちゃんを背負い、森の端に向かいました。
第4章: 死体を隠す試み
森の端にあるコンクリートの蓋がされた溝に、五月ちゃんの体を隠し、二人は家に戻りました。家に帰り、いつも通りに夕飯を食べていると、五月ちゃんの母親が訪ねて来ました。その声に動揺する弥生ちゃんでしたが、健くんは冷静に対応しました。
「五月ちゃんが帰って来ていないらしいけど、何か知らない?」と尋ねる母親に、二人は「知らない」と答えました。「もう暗いのに心配ね」と話す母親に、弥生ちゃんは顔を上げることができませんでした。
翌日、警察が捜索を始め、二人は五月ちゃんの死体を再度移動する必要が生じました。警察に見つかりそうになりながらも、死体を部屋の押し入れに隠しましたが、再度移動する必要が出てきました。緑さんに見つかりそうになりながらも、深夜に五月ちゃんの死体をお宮の石垣へ移動しようとしましたが、途中で人に遭遇しそうになり、田んぼに一時的に死体を隠すことにしました。
第5章: 真実の発覚と解決
四日目、今日は花火大会の日です。弥生ちゃんと健くんは、花火大会の中で石垣に到着し、五月ちゃんの死体を投げ込もうとしていました。すると、そこに緑さんが現れました。
緑さんは、二人が死体を処理しようとしていることを知っていました。実は、緑さんは過去に誘拐した男の子たちの死体を工場の冷凍庫に隠していたのです。緑さんはその冷凍庫に五月ちゃんの死体も隠すことを提案し、二人はその提案を受け入れました。
こうして、五月ちゃんの死体は工場の冷凍庫に隠され、物語は幕を閉じました。緑さんの秘密も明らかになり、すべての真実が解き明かされたのでした。
夏と花火と私の死体の感想・レビュー
『夏と花火と私の死体』を読んで感じたことは、物語の展開が非常に緊張感に満ちていて、一度読み始めると止まらないほど引き込まれました。物語は、主人公の五月ちゃんとその友達の弥生ちゃんが、神社で遊んでいるシーンから始まります。突然現れた凶暴な野良犬66を、弥生ちゃんの兄である健くんが勇敢に追い返す場面は、兄妹の絆を感じさせるとても印象的なシーンです。
その後、3人が弥生ちゃんの家でアイスクリームを食べながらテレビを見ていると、近所で起きた誘拐事件のニュースが流れます。緑さんの冗談に和やかな雰囲気になる一方で、不安も感じさせる展開が巧妙です。
物語が進むにつれ、五月ちゃんと弥生ちゃんが森で過ごす時間の中で、弥生ちゃんが「違う家に生まれたかった」と告白するシーンがあります。この場面では、弥生ちゃんの心の中にある複雑な感情がよく表現されています。そして、五月ちゃんが健くんに対する気持ちを打ち明けた瞬間に、弥生ちゃんが彼女を木から突き落としてしまうという衝撃的な展開になります。このシーンはとても緊張感があり、弥生ちゃんの心の葛藤が伝わってきます。
五月ちゃんが亡くなった後、健くんと弥生ちゃんが死体を隠そうとするシーンは、二人の恐怖と混乱がリアルに描かれています。警察の捜索や緑さんに見つかりそうになる場面では、読者もハラハラドキドキさせられます。
そして、最後に明らかになる緑さんの秘密。彼女が過去に誘拐した男の子たちの死体を工場の冷凍庫に隠していたという真実は驚愕でした。物語の結末として、五月ちゃんの死体もその冷凍庫に隠されることになり、全ての真実が明らかになります。
全体として、この作品はキャラクターの心理描写が丁寧で、特に弥生ちゃんの複雑な感情がよく描かれていると思います。物語の展開が緊張感に満ちていて、読者を引き込む力が強いです。衝撃的なシーンや意外な結末が続くため、最後まで飽きることなく読むことができました。
まとめ:夏と花火と私の死体の超あらすじとネタバレ
上記をまとめます。
- 五月ちゃんと弥生ちゃんは神社で遊んでいる
- 凶暴な野良犬66に襲われるが、健くんが救出する
- 3人で弥生ちゃんの家でアイスクリームを食べる
- テレビで近所の誘拐事件が報道される
- 弥生ちゃんと五月ちゃんは森へ向かう
- 森で五月ちゃんは弥生ちゃんに告白する
- 弥生ちゃんが五月ちゃんを木から突き落とす
- 健くんと弥生ちゃんは五月ちゃんの死体を隠す
- 警察の捜索で死体を移動させる
- 緑さんが誘拐事件の犯人であると判明する