「傾物語」の超あらすじ(ネタバレあり)

『傾物語』は、阿良々木暦と忍野忍がタイムスリップを試みる物語です。

高校3年生の夏休み最終日、宿題が未完了だった暦は、忍の力を借りて過去に戻ることを決意します。しかし、11年前の世界に飛んでしまい、交通事故で亡くなった八九寺真宵を救うことに成功しますが、それが原因で予期せぬ未来に繋がってしまいます。元の世界に戻るため、暦と忍は再び過去と向き合い、様々な試練に立ち向かいます。

この記事のポイント
  • 『傾物語』の基本的なあらすじ
  • 阿良々木暦と忍野忍がタイムスリップする経緯
  • 11年前の世界に飛んでしまったこと
  • 八九寺真宵を救うことで未来が変わる展開
  • 元の世界に戻るための試練

「傾物語」の超あらすじ(ネタバレあり)

高校3年生の阿良々木暦(あららぎ こよみ)は、夏休みの最後の日に、宿題をまったく終わらせていないことに気が付きます。夏休み中、彼は怪異に関わるさまざまな事件に巻き込まれており、勉強に時間を割く余裕がありませんでした。そのため、宿題がまったく進んでいなかったのです。

その日、阿良々木暦は忍野忍(おしの しのぶ)に、「宿題を手伝ってくれ」と冗談交じりに頼みますが、忍は最初、冷たく突き放します。「お主が宿題をしなかったのは、自分の責任じゃ」と言われ、暦はしつこく頼み込みます。そして、暦は「忍、タイムマシンを出してくれないか? 昨日に戻って宿題をやり直したいんだ」と、アニメや漫画でよくある展開を持ちかけます。

当初、忍はそれを聞き流しますが、最終的には暦の頼みを受け入れ、タイムスリップを試みることになります。吸血鬼である忍の力を使えば、時間を遡ることができると彼女は言いますが、現在の幼い姿ではその力が十分ではないようです。そこで、彼らは北白蛇神社(きたしらはじんじゃ)に集まる良くないエネルギーを利用することにします。

二人は神社に向かい、忍がタイムスリップのための準備を進めます。神社の中で忍は儀式のような行為を行い、光が彼らを包み込んでいきます。暦と忍は、光の中で意識を失い、次の瞬間、過去へと飛ぶことになります。

暦と忍が目を覚ますと、彼らは再び北白蛇神社にいました。暦は「タイムスリップが失敗したのではないか」と不安になります。しかし、神社の様子がどこか異なることに気が付きます。神社が驚くほど綺麗になっていたのです。それを見て、暦は「過去に戻り過ぎたのではないか」と心配になります。

二人は神社を出て、町の様子を確認しに行きますが、そこでさらに驚くべき事実に直面します。通りかかった女子中学生に現在の日付を尋ねると、なんと今から11年前の世界に来てしまったことが判明します。暦は驚きつつも、過去に戻ったことを受け入れますが、ふと「八九寺真宵(はちくじ まよい)」という少女のことを思い出します。

八九寺真宵は11年前、母の日の前日に交通事故で亡くなってしまった少女です。暦はこの時代に戻ったのは偶然ではなく、運命なのではないかと考えます。そして、真宵を救うことで彼女の命を助けたいと決意します。しかし、もし真宵を救ってしまえば、現在の世界で彼女との関係が消えてしまうかもしれないという葛藤を抱きます。それでも暦は、「今この時、彼女を救わなければならない」と心を決めます。

暦は真宵を救うために、彼女の家を探し始めます。しかし、真宵の正確な住所を知らなかったため、すぐには見つかりません。町中を歩き回っていると、暦は一冊の本を読みながら歩いている少女を見かけます。それは、幼い頃の羽川翼(はねかわ つばさ)でした。

暦は一目散に彼女に駆け寄り、彼女と話をしますが、羽川は突然現れた見知らぬ青年に警戒します。それでも暦は、真宵の住所を探すために羽川の助けを借りることにします。暦は羽川と別れた後、警察署へ向かい、そこで真宵の住所を調べます。珍しい苗字の「八九寺」のおかげで、簡単に彼女の家を見つけることができました。

その夜、暦と忍は真宵の家の前で彼女が家を出るのを待ちます。彼らは、真宵が出かけた後を尾行し、彼女を救おうという作戦を立てます。しかし、待てど暮らせど真宵は家から出てきません。不審に思った暦は、意を決して真宵の家のチャイムを鳴らします。しかし、既に真宵は家を出てしまっていたことが分かります。

焦った暦と忍は急いで真宵を探し回り、ついに彼女を見つけ出します。そして、事故に遭う直前の真宵を助けることに成功します。暦は、ようやく彼女を救えたことに安堵しますが、心の中では複雑な思いを抱えています。

真宵を救った後、暦と忍は再び1日前に戻るため、北白蛇神社で再びタイムスリップを試みます。しかし、再び過去に飛んだ後、町の様子がさらにおかしくなっていることに気付きます。町にはゾンビのような存在があふれ、どこにも生存者の姿が見当たりません。

忍は、この異常な事態の原因を考え、ある可能性に気付きます。6月14日に、忍が家出をした際、真宵の助けがあって忍を見つけ出すことができたことを思い出します。しかし、この世界では真宵を救ってしまったため、彼女が怪異化せず、忍を見つけることができなかったのです。結果として、忍は絶望し、世界を滅ぼしてしまった可能性があると気付きます。

暦と忍は、この世界が「別の世界線」であることを理解し、元の世界に戻る方法を探します。彼らは、21歳の八九寺真宵に出会い、彼女から忍野メメ(おしの めめ)からの手紙を受け取ります。手紙には、現在の状況と、元の世界に戻るための方法が詳細に記されています。

暦と忍は、真宵に別れを告げ、再び神社に向かいます。そこには瀕死のキスショット(忍の本来の姿)が待っていました。キスショットは暦と忍の関係に嫉妬しますが、自分を殺すことを条件に、元の世界に戻す力を与えると約束します。暦はその申し出を受け入れ、現代に戻ることに成功します。

現代に戻った暦は、真宵が忘れていったリュックサックを持って、彼女を探し出します。暦は、無事に真宵と再会し、再び元の生活に戻ることができました。

「傾物語」の感想・レビュー

『傾物語』は、阿良々木暦と忍野忍のコンビがタイムスリップというテーマを通じて、時間と運命について考えさせられる物語です。最初は単純に宿題を終わらせるために過去に戻るという、コミカルな展開から始まりますが、11年前の世界に飛んでしまったことで物語は一転し、シリアスな展開へと進みます。

特に印象的だったのは、八九寺真宵を救うという決断です。真宵は、交通事故で亡くなってしまう運命にありましたが、暦が彼女を救うことで、未来が大きく変わってしまうという展開が見事でした。この選択が後に、世界がゾンビ化するという予期せぬ結果を招くことになり、物語全体に深い緊張感を与えています。

また、忍野忍の過去にまつわる描写も興味深いです。忍がかつての力を失った理由や、家出をした際に起こった出来事が、物語の背景として重要な役割を果たしています。特に、忍が暦とともに元の世界に戻るために奮闘する姿には、彼女の成長や感情の変化が表れており、感動を覚えました。

そして、物語の終盤で、別の世界線に迷い込んだことを理解するシーンは、SF要素が強く、考えさせられる部分が多いです。忍野メメからの手紙を通じて、現在の状況が明かされ、元の世界に戻る方法が示される展開には、伏線がうまく回収されていると感じました。

最終的に、暦が元の世界に戻り、再び八九寺真宵と再会するシーンは、ほっとするエンディングでありながらも、これまでの緊張感をしっかりと締めくくっています。全体を通して、タイムスリップというSF要素を取り入れつつも、キャラクターの感情や成長を丁寧に描いており、非常に満足度の高い作品でした。

まとめ:「傾物語」の超あらすじ(ネタバレあり)

上記をまとめます。

  • 阿良々木暦が宿題を忘れていたことに気づく
  • 忍野忍の力で過去に戻ろうとする
  • 11年前の世界にタイムスリップする
  • 交通事故で亡くなるはずの八九寺真宵を救う
  • 真宵を救ったことで未来が変わる
  • 世界がゾンビ化する異常事態が発生する
  • 忍の家出が原因で世界が滅びる可能性を考える
  • 別の世界線に迷い込んだことを理解する
  • 忍野メメから元の世界に戻る方法を知る
  • 元の世界に戻り、真宵と再会する