こどもの日いつから始まった?端午の節句との違いや鯉のぼりの意味

こどもの日に関するさまざまな疑問、「こどもの日いつから始まったのか」「誰が作ったのか」「端午の節句との関係は?」など、これらの質問に対して明確な答えを探している方は多いことでしょう。

この日がいつから始まったのか、また、その背景にある歴史や文化について、深く知りたいと思う人も少なくありません。こどもの日は、鯉のぼりや五月人形を通して子どもたちの成長を祝う日本独特の伝統行事です。

しかし、この特別な日がどのようにして始まり、端午の節句とどのように関係しているのか、そしてその習慣が世界共通で祝われているのかどうか、詳しい背景は案外知られていません。

この記事では、こどもの日と端午の節句の起源から現代に至るまでの変遷、そして鯉のぼりや五月人形が持つ意味、さらにはこの日が世界共通で祝われているかどうかについても掘り下げていきます。

この記事のポイント
  • 「国民の祝日に関する法律」で定められた背景
  • 奈良時代には既に日本で行われていた歴史
  • 鯉のぼりや五月人形が持つ意味
  • 世界各国で子どもを祝う独自の日が存在する

こどもの日はいつから始まった?由来は?

 

意味は?端午の節句と同じ?

こどもの日が公式に始まったのは、1948年です。この年、日本の政府は「国民の祝日に関する法律」を制定し、5月5日をこどもの日と定めました。しかし、この日の起源はもっと古く、端午の節句として知られています。

端午の節句は、もともと中国から伝わった行事で、日本では奈良時代にすでに行われていたことが記録されています。この日は、主に男の子の成長を祝い、家族が健康と幸運を願う日として祝われてきました。端午の節句には、鯉のぼりを飾ったり、子どもが兜や鎧を身につける風習があります。これらは、子どもたちが力強く成長することを象徴しています。

こどもの日に変わった背景には、戦後の新しい時代の価値観を反映したものがあります。「国民の祝日に関する法律」によると、こどもの日の目的は「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことにあります。これにより、端午の節句が持っていた男の子だけの成長を願う日から、全ての子どもの幸福を願うより包括的な祝日へと変化しました。

端午の節句とこどもの日は、根本的には子どもたちの健やかな成長を願う同じ思いを持っています。ただし、こどもの日は性別に関係なく、すべての子どもたちの幸福と成長を願い、家族全員でその喜びを分かち合う日として広く認識されています。例えば、端午の節句には特に男の子の成長を祝う風習がありますが、こどもの日には男女問わず子どもたち全員がお祝いの対象となります。また、こどもの日には家族で楽しいイベントを行ったり、お出かけをしたりすることも一般的です。

なぜ5月5日?

 

こどもの日はなぜ5月5日なのでしょうか。

これには複数の理由がありますが、主なものは、端午の節句が季節の節目、特に初夏を迎えるこの時期に位置していることにあります。また、「端午」という言葉自体が、旧暦の5月初頭を指す言葉であったことも関係しています。さらに、「五」という数字が重なる日(5月5日)に特別な意味を持たせる文化的背景もあります。例えば、中国では「重五」と呼ばれるこの日を祝う習慣があり、日本でもその影響を受けた形で端午の節句が祝われるようになりました。

こうして、古くから中国や日本で重要視されてきた端午の節句が、時代を経て現代のこどもの日に引き継がれ、5月5日という日付には古来からの伝統や文化が色濃く反映されているのです。現代では、すべての子どもたちの成長と健康を願い、また家族で過ごす楽しい時間としてこの日が大切にされています。

世界共通?

こどもの日が世界共通で祝われるかというと、その答えは「いいえ」と「はい」の両方です。世界各国には子どもを祝う日は存在しますが、それが5月5日であるというわけではありません。実際に、世界各国では異なる日に、様々な名前でこどもの日が祝われています。

たとえば、国際連合が定める「国際子どもの日」は11月20日に設定されています。これは、1959年に国連総会で採択された「子どもの権利宣言」の記念日として選ばれました。また、多くの国々は自国の文化や歴史に基づいて独自の日付を子どもの日としています。トルコでは4月23日が「国民主権と子どもの日」として祝われ、メキシコでは4月30日が「子どもの日」です。

つまり、こどもの日そのものの意義は世界共通であっても、それを祝う日や方法は国によって大きく異なります。各国が自国の文化や歴史に根ざした独自の子どもの日を持っており、それぞれに特色があるのです。これは、世界中で子どもたちの健康と幸福を願う心が共通していることを示しているとも言えます。

こどもの日はいつから始まった?なにをする日?

鯉のぼりの意味は?

こどもの日に鯉のぼりを飾る風習は、日本の家庭で広く行われています。この習慣には、子どもたちの健やかな成長と成功を願う深い意味が込められています。

鯉のぼりの起源には、中国の古い伝説が関わっています。この伝説によると、鯉が龍門という高い滝を登りきると、龍に変身すると言われています。これは、困難に立ち向かい乗り越える強さと、高い目標に向かって努力する勇気を象徴しているのです。

日本では、この伝説を子どもたちの成長になぞらえ、鯉のぼりを空高く揚げることで、子どもが健康で強く、また成功を収めるよう願います。大きな黒い鯉は家族の父親を、赤い鯉は母親を、そして小さな青や緑の鯉は子どもたちを表していると言われています。家族全員の健康と幸福を祈りながら、一緒に成長していく姿を象徴しているのです。

具体例として、家の庭やベランダ、地域の公園などに鯉のぼりを揚げる風景は、こどもの日になると日本各地で見られます。これらの鯉のぼりが風になびく様子は、子どもたちの未来に向けた希望と願いを表しており、見る人々にもその思いが伝わります。

このように、こどもの日に飾られる鯉のぼりは、単なる装飾品ではなく、子どもたちの成長と家族の絆を祝う、深い意味を持った伝統的なシンボルなのです。

五月人形の意味は?

五月人形を飾る習慣は、こどもの日に特に見られる風習の一つです。五月人形には、子どもたちの成長と健康、さらに将来の成功を願う深い意味が込められています。具体的には、五月人形には兜や鎧、そして武将や英雄の人形が含まれることが多く、これらは子どもを災いから守り、勇敢で強い人物に成長することを願う象徴とされています。

歴史的に見ると、五月人形の起源は古代中国にまで遡りますが、日本においては平安時代から子どもの健やかな成長を願って、端午の節句に武者人形を飾る習慣がありました。江戸時代になると、この習慣がより一般化し、今日に至るまで続いています。

五月人形を飾る際には、兜や鎧が中心に置かれます。これは、昔の武士が戦いに臨む際に身につけていたもので、子どもが社会での戦いに挑む際にも、同様に強く、そして賢く立ち向かえるようにとの願いが込められています。また、兜や鎧は、災害や病から子どもを守るための魔除けとしての役割も持っています。

例として、多くの家庭では、こどもの日に向けて、家族の男の子の健康と将来の成功を願い、リビングや玄関に五月人形を飾ります。これは、家族全員で子どもの成長を祝い、支えるという意味合いも含んでいます。

このように、五月人形は、子どもたちの未来に対する保護と祝福の願いを込めた、こどもの日に欠かせない伝統的なアイテムなのです。

食べ物は?

こどもの日には、子どもたちの成長と健康を願い、特別な食べ物を用意する習慣があります。これらの食べ物には、古くから伝わる意味や願いが込められており、家族で一緒に楽しむことが多いです。主な食べ物としては、「柏餅(かしわもち)」「ちまき」「鯛の形をした料理」が挙げられます。

柏餅(かしわもち)
柏餅は、餡を包んだもち米のお菓子を柏の葉で包んだものです。柏の葉が新しい芽が出るまで古い葉が落ちないことから、「子孫繁栄」や「家系が絶えない」という願いが込められています。関東地方を中心に食べられることが多いです。

ちまき
ちまきは、もち米やうるち米を竹の葉や笹の葉で包み、蒸したり炊いたりして作る料理です。元々は中国の端午の節句に関わる食べ物で、無病息災や邪気払いの意味が込められています。関西地方を中心に好まれる傾向があります。

鯛の形をした料理
鯛は「めでたい」という語呂合わせから縁起物とされています。こどもの日には、鯛を丸ごと一匹調理するか、鯛の形をしたお菓子を用意する家庭もあります。これは、子どもの将来の成功や幸運を願う意味が込められています。

これらの食べ物は、子どもたちの成長を祝い、家族の絆を深めるための大切な役割を果たしています。例えば、家族で一緒に柏餅やちまきを作り、その過程で子どもたちに食べ物の意味を教えることは、文化的な伝承としても価値があります。

こどもの日には、これらの伝統的な食べ物を通して、子どもたちの幸せや健康を願い、家族で楽しい時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

菖蒲湯は?

こどもの日に菖蒲湯(しょうぶゆ)に入る習慣は、子どもたちの健康と長寿、さらには邪気を払うという古くからの願いからきています。菖蒲には、強い香りとともに、身を清め、悪い気を追い払う力があるとされてきました。この習慣は、端午の節句の風習として日本各地で受け継がれています。

菖蒲湯に入ることの起源は、中国の古い伝承に遡ります。日本においても、奈良時代から菖蒲を用いた厄払いの風習があり、その後、菖蒲湯に入る習慣として確立しました。端午の節句に菖蒲湯に入ることは、子どもだけでなく家族全員の健康と幸福を願う行事となっています。

菖蒲湯に入る際には、生の菖蒲の葉を浴槽に浮かべたり、菖蒲の精油を加えたりします。また、菖蒲を布袋に入れて湯船に浮かべる方法もあります。このとき、菖蒲の香りが湯気とともに立ちのぼり、浴室いっぱいに広がります。この香りが、身体だけでなく心をも癒し、家族の絆を深める時間となります。

具体的な例としては、家族で菖蒲を集め、共に浴槽に入れて菖蒲湯を楽しむ家庭が多く見られます。子どもたちにとっては、特別な香りと共に湯船に浸かる体験は、毎年の楽しみの一つとなっています。さらに、この行事を通して、自然の恵みや伝統的な習慣の大切さを、子どもたちに伝える機会ともなります。

こうして、こどもの日に菖蒲湯に入る習慣は、ただの風呂の時間を越えた、豊かな意味を持つ日本の美しい風習として、今も多くの家庭で大切にされています。

まとめ:こどもの日はいつから始まった?由来や意味は?

上記をまとめます。

  • こどもの日は1948年に「国民の祝日に関する法律」によって定められた
  • 元々は端午の節句として知られ、奈良時代から日本で行われていた行事
  • 端午の節句は男の子の成長を祝う日だが、こどもの日は全ての子どもの幸福を願う日
  • 5月5日が選ばれた理由には季節の節目と「五」の重なりが文化的背景にある
  • 世界共通で祝われるわけではなく、国によって異なる日が子どもの日とされる
  • 鯉のぼりは子どもの健やかな成長と成功を象徴する中国の伝説が起源
  • 五月人形は子どもの健康と将来の成功を願い、魔除けの意味も持つ
  • 柏餅やちまきは家系繁栄や無病息災を願う伝統的な食べ物
  • 菖蒲湯は子どもの健康と長寿、邪気払いを目的とした風習
  • この日は家族が一緒に過ごし、子どもたちの成長を祝う重要な日