「ねじれた家(アガサ・クリスティ)」の超あらすじ(ネタバレあり)

この記事では、「ねじれた家」のあらすじを詳細に解説し、事件の真相や各キャラクターの背景についても触れています。ネタバレを含む内容を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

アガサ・クリスティの「ねじれた家」は、ギリシャ出身の大富豪アリスティド・レオニデスが謎の死を遂げたところから物語が始まります。レオニデスの孫ソフィアは、祖父が殺害されたと疑い、私立探偵のチャールズ・ヘイワードに捜査を依頼します。家族全員が犯行の動機と機会を持つ中で、複雑な人間関係が浮き彫りになります。

チャールズは捜査を進めていくうちに、レオニデス家のメンバーが抱える秘密に気付きます。物語は予想外の展開を迎え、驚くべき真相が明らかになります。最終的に明らかになる真犯人とは一体誰なのでしょうか?

この記事では、「ねじれた家」のあらすじを詳細に解説し、事件の真相や各キャラクターの背景についても触れています。ネタバレを含む内容を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事のポイント
  • 物語の中心となるレオニデスの死について
  • 捜査にあたるチャールズ・ヘイワードの役割
  • レオニデス家の複雑な人間関係と動機
  • ブレンダとローレンスの逮捕に至る経緯
  • 真犯人が誰なのかとその動機

「ねじれた家(アガサ・クリスティ)」の超あらすじ(ネタバレあり)

第1章:アリスティド・レオニデスの謎の死と捜査の開始

アリスティド・レオニデスは、ギリシャ生まれでイギリスに渡り、レストラン経営で大成功を収めた人物です。彼はその後、一代で大富豪となり、家族とともに豪邸で暮らしていました。しかし、ある日突然、レオニデスは謎の死を遂げます。死因は最初不明でしたが、後に毒殺であることが判明します。この事件を受けて、レオニデスの孫であるソフィアは、祖父が殺害されたのではないかと疑い、かつての恋人で私立探偵のチャールズ・ヘイワードに助けを求めます。

チャールズは一度は依頼を断ろうとしますが、ソフィアの懇願に心を動かされ、捜査を引き受けます。彼は元ロンドン警視庁の警視監である父親の知人、タヴァナー主任警部に相談し、レオニデスの死因がインスリンによる毒殺だと知ります。捜査を急ぐように依頼されたチャールズは、レオニデス家を訪れ、家族一同に会うことになります。

レオニデス家の豪邸に入ったチャールズは、そこに暮らす一族が一様に強烈な個性を持っていることに驚きます。彼らは皆、複雑な背景を抱えており、それぞれがレオニデスの死に関連している可能性を秘めていました。こうして、チャールズの困難な捜査が始まります。

第2章:レオニデス家の複雑な家族構成と動機

レオニデス家の家長が亡くなった後、家を取り仕切るのはレオニデスの前妻の姉、イーディス・デ・ハヴィランドです。彼女は一家をまとめる役割を果たしていますが、他の家族も個々に怪しい動機を持っていました。後妻であるブレンダは元ラスベガスのダンサーであり、レオニデスに糖尿病のインスリン注射を行なった人物でした。ブレンダには家庭教師のローレンス・ブラウンという愛人がいるとの噂もあります。

他の家族もまた怪しい行動を見せていました。長男のフィリップは映画製作のためにレオニデスから資金を頼んでおり、妻のマグダは売れない女優です。また、次男のロジャーは会社を倒産寸前にまで追い込み、彼の妻クレメンシーは毒の専門家という背景を持っています。加えて、フィリップの息子ユースティスや探偵小説好きの娘ジョセフィーンも含め、全員がレオニデスを殺す動機を持っていました。

遺言状を確認した結果、レオニデスの遺産はブレンダに相続されることが判明します。この事実を知った家族たちは混乱に陥ります。全員が動機と機会を持っている状況の中、チャールズの捜査はますます難航していきました。

第3章:ブレンダとローレンスの逮捕、そして新たな事件

捜査が進む中、チャールズはレオニデスの回想録を焼却しているソフィアを目撃します。証拠隠滅を疑いますが、ソフィアは祖父の悪行が暴露されるのを防ぎたかったと説明します。レオニデスは反共主義者であり、アメリカのCIAに資金援助をしていました。その見返りとして事業の成功を保証されていたのです。この事実がチャールズにも影響を与えます。彼はかつて外交官としてレオニデスを調査するためにソフィアに接近していた過去を思い出します。

一方で、ツリーハウスからジョセフィーンが転落する事件が発生します。彼女は軽傷で済みましたが、はしごに切れ目があり、何者かが故意に事故を起こそうとしたことが判明します。さらに、ローレンスの部屋から剪定ばさみが見つかり、これが切れ目を入れるために使われたとされます。これらの証拠を基に、タヴァナー主任警部はブレンダとローレンスが共謀してレオニデスを殺害したと結論付け、二人を逮捕します。

しかし、その後乳母が毒殺される事件が起こり、捜査は再び混乱に陥ります。ブレンダとローレンスが真犯人ではない可能性が浮上し、捜査は振り出しに戻ります。

第4章:真犯人の正体と結末

チャールズは乳母の死が本来の目的ではなく、ジョセフィーンを狙ったものであることに気付きます。ジョセフィーンはレオニデスに関する重要な情報を記したノートを持っており、それが原因で命を狙われている可能性がありました。一方、イーディスはジョセフィーンを連れて外出し、何かを決意している様子でした。

チャールズとソフィアは急いでイーディスとジョセフィーンを追いかけますが、途中でジョセフィーンのノートが発見され、そこには驚くべき事実が書かれていました。真犯人はジョセフィーンであり、彼女はレオニデスにバレエをやめさせられたことを逆恨みして、祖父を毒殺したのです。また、ブレンダとローレンスに罪をなすりつけ、乳母も口封じのために殺害していました。

イーディスはジョセフィーンの罪を知り、彼女の未来を悲観して無理心中を決意します。チャールズとソフィアが追い付いた時、二人の乗った車は崖から転落し、爆発してしまいます。これによって、真相が明らかになると同時に悲劇的な結末が訪れます。

「ねじれた家(アガサ・クリスティ)」の感想・レビュー

アガサ・クリスティの「ねじれた家」は、彼女の作品の中でも特に人間関係の複雑さが際立った作品だと思います。大富豪アリスティド・レオニデスの死をきっかけに、物語は彼の一族が抱える複雑な感情や秘密を次々と暴き出します。レオニデス家のメンバー全員に殺害の動機と機会があるという設定が、物語全体に緊張感をもたらしています。それぞれのキャラクターが何を隠しているのかを探りながら読むことで、読者は次々と驚かされる展開に引き込まれていきます。

特に、チャールズ・ヘイワードの視点から語られる捜査の過程が、非常に興味深いです。彼が元恋人のソフィアに依頼されて調査を進める中で、徐々に家族の一員一員に対する疑念が深まっていきます。ブレンダやローレンスが逮捕された時点では、読者も彼らが真犯人だと思ってしまうほどの緻密なストーリー展開です。しかし、その後に新たな事件が発生し、再び捜査は混迷を極めます。

そして、最終的に明らかになる真犯人がジョセフィーンであったという展開は、予想外の衝撃でした。彼女の犯行理由が単なる逆恨みであることや、それを隠すための巧妙な手口は、クリスティらしい緻密なプロットだと感じました。また、イーディスがジョセフィーンと無理心中を決意するシーンは、非常に悲劇的であり、物語全体に深い感情的な余韻を残します。

最後に、クリスティ作品ならではの「ねじれた家」というタイトルの意味が、家族関係や心理的なねじれを象徴していることにも気付きます。登場人物それぞれが抱えるねじれた思いが、物語全体に緊張感とサスペンスを与えており、最後まで読者を飽きさせない展開になっています。

まとめ:「ねじれた家(アガサ・クリスティ)」の超あらすじ(ネタバレあり)

上記をまとめます。

  • レオニデスはギリシャ生まれの大富豪である
  • 孫のソフィアがチャールズに捜査を依頼する
  • レオニデスはインスリンで毒殺された
  • レオニデス家の全員に動機と機会がある
  • ブレンダとローレンスが共謀者とされ逮捕される
  • 乳母が毒殺され、新たな事件が発生する
  • 真犯人は孫娘ジョセフィーンである
  • ジョセフィーンは逆恨みから犯行に及んだ
  • イーディスはジョセフィーンとの無理心中を決意する
  • 最後に二人は車で崖から転落し、物語は悲劇的に終わる