映画『湯を沸かすほどの熱い愛』のあらすじをご紹介します。突然の余命宣告を受けた母・幸野双葉が、失踪した夫・一浩や娘・安澄と共に銭湯「幸の湯」を再開させ、家族の絆を取り戻していく物語です。物語の中で家族の秘密が次々と明らかになり、様々な困難を乗り越えていく様子が描かれます。
双葉は、家族のために強く、優しく生きていく姿が印象的です。物語の終盤では、銭湯での涙と感動のシーンが描かれ、母の深い愛と強さが伝わってきます。愛、葛藤、そして家族の絆が詰まった感動作です。
本記事では、あらすじとポイントを詳しくまとめています。ぜひ、映画を観る前にご一読ください。
- 映画のあらすじと全体的な流れ
- 幸野家の家族構成と新たな家族の登場
- 安澄の学校でのいじめとそれに立ち向かう場面
- 双葉と一浩、君江の複雑な関係
- 双葉の最期と家族の絆の深まり
「湯を沸かすほどの熱い愛(映画)」の超あらすじ(ネタバレあり)
第1章: 余命わずかと新しい家族の到来
幸野双葉は夫・一浩が失踪したため、娘の安澄と2人で暮らしていました。双葉が経営する銭湯「幸の湯」は休業中で、双葉はパン屋で働いて生計を立てていました。安澄は学校でいじめを受けており、頭痛を理由に休もうとしますが、双葉は厳しく登校させます。いじめられた安澄に、双葉は好きな色を尋ね、安澄は「水色」と答えます。一方、双葉の好きな色は「赤」。その日のうちに、双葉は膵臓がんで余命2〜3か月と診断されてしまいます。
双葉は、一浩の行方を探偵に依頼し、あっという間に発見します。そして双葉は病気のことを一浩に伝え、一緒に暮らすことを決意します。その日、一浩は9歳の娘・鮎子を連れて帰ってきました。鮎子は一浩が浮気をして生まれた子どもで、これからは双葉と安澄、鮎子と一浩の4人で暮らすことになります。
一浩が戻った日、幸野家は誕生日の時に食べるのが決まりであるしゃぶしゃぶを囲みます。誰も誕生日ではありませんが、家族の再会と新たなスタートを祝うためのしゃぶしゃぶ。こうして、一浩と鮎子を迎え入れ、再び家族としての生活が始まるのです。
第2章: いじめとの闘いと家族の絆
一浩が戻ってきたことで、休業していた銭湯「幸の湯」を再開することになりました。双葉は、働かざる者食うべからずと安澄や鮎子にも銭湯の手伝いをさせます。そんな中、安澄のいじめはさらにエスカレートし、制服が盗まれる事件が起こります。登校を嫌がる安澄に、双葉は今日休むと学校に行けなくなると励まし、無理やり布団から引きずり出して学校に送り出します。
勇気を振り絞った安澄は、クラスメートの前で母からもらった水色のブラジャーとパンツ姿になり、「制服を返してください」と訴えます。その後、吐き気を催して保健室で休んでいると、犯人が隠していた制服を保健室に投げ入れます。制服を着て家に帰ってきた安澄に、双葉は「お母ちゃんのDNAがちゃんと入っている」と励まします。双葉は、銭湯の前で安澄が帰るのをずっと待っていました。
一方で、鮎子が銭湯の番台からお金を盗んでいるところを双葉が目撃します。鮎子の荷物からは、小銭と一緒に母親からの手紙が見つかり、次の誕生日に迎えに行くと書いてありました。誕生日当日、鮎子は家を出てしまいますが、双葉と安澄は鮎子の以前の住まいを探し、そこでうずくまっている鮎子を見つけます。鮎子は、「もっと一生懸命働くのでここにいたい」と泣きながら訴え、双葉は優しく抱きしめて受け入れるのでした。
第3章: 本当の親子関係と手話の秘密
ある日、一浩は双葉に「自分にできることはないか」と尋ねます。双葉は、エジプト旅行に行く約束を果たしてほしいと答えますが、一浩は銭湯の仕事を任され、双葉は安澄と鮎子を連れて車で旅行に出発します。双葉は本当のことを話すと言い、高速のパーキングエリアでヒッチハイクをする青年・拓海と出会います。拓海は家庭の事情で旅をしており、双葉は彼に目的を持つよう助言します。
拓海と別れた後、3人はタカアシガニの料理店に立ち寄ります。会計を済ませるとき、双葉は突然店員の君江を平手打ちします。双葉は安澄に、君江が毎年幸野家にタカアシガニを送ってくれる人であり、一浩の最初の妻だと明かします。実は安澄は君江が生んだ子どもで、君江は耳が不自由なため育児を放棄してしまったのです。双葉は、事情を話さずに安澄に手話を教えていたのです。
第4章: 最期の別れと母の愛
安澄を迎えに来た双葉は、倒れて病院に運ばれ、長い入院生活が始まります。双葉は毎日亡くなった母親が迎えに来る夢を見ていました。実は双葉も幼い頃、母親に置き去りにされた過去がありましたが、探偵によって生きている母親が見つかります。しかし、双葉は会うことができず、母に拒絶されてしまいます。
双葉の容態は悪化し、銭湯の手伝いに君江が訪れるようになります。そんな時、旅を終えた拓海が双葉に会いに来ます。一浩は双葉のために、みんなで協力して病院の庭で組体操のピラミッドを作り、双葉に見せます。「自分がみんなを支える」と一浩は双葉に誓います。拓海も銭湯の仕事を手伝い、安澄は毎日病院に見舞いに訪れます。最期の時、双葉は安澄に「大丈夫」と励まされ、静かに息を引き取ります。
双葉の死後、銭湯でお葬式が行われます。お経はCDで流し、霊きゅう車は探偵が手配。双葉の遺体は、実際の火葬ではなく銭湯のボイラーで焼かれ、そのお湯で家族全員が湯船に浸かります。銭湯の煙突からは、双葉のような情熱的な赤い煙が立ち上るのでした。
「湯を沸かすほどの熱い愛(映画)」の感想・レビュー
『湯を沸かすほどの熱い愛』は、家族の絆と母の強さ、そして愛がテーマの感動作です。主人公の幸野双葉は膵臓がんで余命2〜3か月と宣告されながらも、娘の安澄や夫・一浩、そして一浩の浮気相手との間に生まれた鮎子を一つの家族として受け入れていきます。彼女の強さは、困難な状況でも前を向き、家族を大切にする姿勢に表れています。
物語の中で描かれるいじめ問題は、現実社会においても多くの共感を呼ぶでしょう。安澄が母からもらった水色の下着姿で「制服を返してください」と訴える場面は、彼女の勇気と双葉の強さがひしひしと伝わってきます。また、双葉が安澄の本当の母親ではなく、手話を覚えさせていた理由が明かされる場面では、親子の関係や愛情の複雑さを感じさせられます。
双葉は、自分が余命わずかであることを知りながらも家族のために行動し続けます。拓海との出会いや一浩との和解、そして君江との関係の中で彼女の人間らしさと母としての愛情深さが際立ちます。彼女の最期は涙なしでは見られませんが、安澄が「大丈夫」と涙をこらえて見送る姿は、母から受け継いだ強さと愛情を感じさせます。
そして、物語の終盤に登場する銭湯のボイラーで双葉の遺体を焼くシーンは、家族の絆を象徴する感動的な場面です。銭湯の煙突から立ち上る赤い煙は、双葉の情熱や家族への愛が形となったように感じられ、心に残るシーンです。
この作品は、母と子、家族のつながりを考えさせる一方で、生きることの尊さや愛の形を教えてくれます。双葉の強さと優しさ、そして彼女が残した家族の絆の物語は、多くの人の心に深く響くことでしょう。
まとめ:「湯を沸かすほどの熱い愛(映画)」の超あらすじ(ネタバレあり)
上記をまとめます。
- 双葉はパン屋で働きながら娘・安澄を育てている
- 夫・一浩が失踪し銭湯「幸の湯」は休業中
- 双葉は膵臓がんで余命2〜3か月と診断される
- 夫の一浩と浮気相手の子・鮎子が戻ってくる
- 安澄は学校でいじめを受けていた
- 双葉は安澄に強く生きるよう励ます
- 双葉は安澄の本当の母親ではなかった
- 君江が実母で、耳が不自由で育児を放棄していた
- 銭湯のボイラーで双葉の遺体を焼くというシーン
- 物語のテーマは家族愛と強さ、そして別れ