女たちは二度遊ぶ(吉田修一)の超あらすじとネタバレ

『女たちは二度遊ぶ』は、吉田修一が描く複雑な人間関係と感情の揺れ動きを描いた作品です。

この物語は、ある日友人の仁ちゃんが突然主人公の家に連れてきた女性ユカとの奇妙な共同生活から始まります。仁ちゃんが去った後、主人公とユカは三日半続く雨に閉じ込められ、一緒に過ごすことになります。物語が進むにつれ、二人の関係は深まり、しかしその裏には様々な試練が待ち受けています。

本記事では、『女たちは二度遊ぶ』の超あらすじとネタバレを紹介し、作品の魅力を余すところなくお伝えします。「女たちは二度遊ぶ ネタバレ」と検索している方にとって、作品の核心に迫る内容が満載です。

この記事のポイント
  • 『女たちは二度遊ぶ』のあらすじ
  • 主人公とユカの関係の変化
  • 共同生活の詳細
  • 物語の主要な出来事
  • 作品のテーマとメッセージ

女たちは二度遊ぶ(吉田修一)の超あらすじとネタバレ

第1章: 出会いと雨の始まり

ぼくの友達の仁ちゃんが、ある日突然ぼくの家にユカという女性を連れてきました。仁ちゃんは別の女性に興味があったようで、ぼくにユカの相手をさせて、自分はその女性とどこかに出かけてしまいました。残されたのは、ぼくとユカだけです。

その夜、ぼくたちは一晩中一緒に過ごしました。翌朝、目が覚めると外は大雨で、雨が止む気配は全くありませんでした。ユカの悲しそうな声で目を覚ましたぼくは、「雨が上がるまでいればいいよ」と声をかけました。しかし、実際には雨が止んだら帰ってほしいという意味を込めて言ったのですが、その雨は三日半も降り続けました。

第2章: 雨の日々

それまでのぼくは、仁ちゃんと一緒に女性と遊ぶことが多く、ユカもその中の一人でした。でも、今回は運悪く雨が止まらず、ユカはぼくの家に居ついてしまいました。

一日目は、ぼくたちは布団の中で過ごし、冷蔵庫にあったショートケーキを二人で食べました。二日目には、冷蔵庫の中の食べ物がなくなり、母親が送ってくれたカップラーメンも食べ尽くしてしまいました。お腹が空いたぼくは、仕方なく夜中にコンビニに買い出しに出かけました。その間、ユカは布団に転がったままでした。

三日目には、ぼくはアルバイト先の居酒屋へ出かけ、帰宅したのは深夜二時前でした。ユカは、ぼくが出かける前と変わらず布団に転がっており、ぼくの帰りをお腹を空かせて待っていました。

第3章: 共同生活

ユカは、家事を全くせず、ただ布団に転がっているだけでした。しかし、ぼくはいつしかユカのために弁当を買って帰ることが楽しみになっていました。ユカはどこにも出かけず、放っておくとお風呂にも入らないので、ぼくがユカの身の回りの世話をするようになりました。

ユカは着替えもなく、ぼくのトランクスをはき、ブラジャーは着けず、上下スウェット姿で一日を過ごしていました。二人でいる間は、特に意味のない会話をしていましたが、ユカの本名についてぼくは知りませんでした。ユカに聞いても、「結ぶに花と書いてユカ」と答える時もあれば、「理由の由に、香るって書いてユカよ」と答えたり、「ひらがなのゆか」や「カタカナのユカ」と答えが変わることもあり、結局わかりませんでした。

第4章: 試練と心の変化

ユカがぼくの家に居候を始めて二か月が経ちました。その間、一度だけ仁ちゃんに誘われて遊びに出かけたことがありました。ぼくは女子高生と出会い、ホテルに連れ込んだのですが、その時もユカのことが頭から離れませんでした。結局、女子高生には母親が急病という嘘をついて、弁当を買ってユカが待つ家に帰りました。

ユカがぼくの家に居続けた三週間後、ぼくがアルバイトを終えて帰宅すると、いつも布団に転がっているユカの姿がありませんでした。「やっと居なくなったか」と思いながらも、ぼくは言葉にできないほどの喪失感に襲われました。しかし、三十分ほど経った後、ユカが帰ってきました。「どこに行っていたんだ」と問い詰めると、ユカは「これは、男のあなたには買ってきてくれとは頼めないでしょ」と言って、ビニール袋の中身を見せてトイレに持って行きました。

第5章: 別れと再会の兆し

ぼくはユカがいることが当たり前になっていました。そこで、ユカを試すようないたずらを思いつきました。アルバイト先に泊まり込み、帰宅すると、ユカはお腹を空かせて待っていました。今度は二日間帰らないことも試し、ユカは怒りながらも待っていました。

しかし、四日間家を空けた時、ユカの姿はありませんでした。ぼくはお店で作ったおかゆを台所に流しながら、やりすぎたと後悔しました。そのままユカは戻って来ず、仁ちゃんに聞いても詳細はわからずじまいで、ユカについての手がかりは何もありませんでした。

数年が経ち、母親がユカのことを話題にした時、ユカが保育士をしていたことや、実の母親が亡くなり休養していたことを知りました。ぼくはユカのことが急に恋しくなりましたが、それはもう過去のことでした。

女たちは二度遊ぶ(吉田修一)の感想・レビュー

『女たちは二度遊ぶ』を読み終えて、吉田修一さんの描く世界に引き込まれました。この物語は、主人公とユカの奇妙な共同生活を通じて、感情の揺れ動きや人間関係の複雑さを描いています。

まず、物語の始まりがとても印象的でした。仁ちゃんが突然連れてきたユカと、主人公の予期せぬ共同生活が始まります。雨が三日半も降り続ける中、二人は閉じ込められ、一緒に過ごすことになります。この設定がとてもユニークで、二人の関係がどのように変わっていくのか興味を引きました。

ユカが家事を全くせず、ただ布団に転がっているだけという描写が続きますが、主人公は次第にユカのために弁当を買って帰ることが楽しみになります。ユカが着替えもせず、ぼくのトランクスをはいて過ごす姿は、少し変わっているけれども親しみやすいキャラクターとして描かれています。

ユカの本名や仕事についての謎も興味深いです。ユカに名前を聞くと、毎回違う答えが返ってくるため、彼女の本当の素性がわからないまま物語が進行します。このミステリアスな要素が、物語に深みを与えています。

また、主人公がユカを試すようないたずらを思いつく場面も印象的です。アルバイト先に泊まり込んで帰宅しないことで、ユカがどのように反応するかを試します。ユカが待っている姿に心を動かされる主人公の気持ちが描かれており、彼の心の変化がよく伝わってきます。

四日間家を空けた時、ユカが姿を消してしまう場面では、主人公の後悔が痛いほど伝わってきました。数年後、母親からユカの過去について話を聞かされた時、主人公が感じた懐かしさと切なさも共感できました。

総じて、『女たちは二度遊ぶ』は、人間関係の複雑さや感情の微妙な変化を巧みに描いた作品です。吉田修一さんの筆致が光る、心に残る物語でした。

まとめ:女たちは二度遊ぶ(吉田修一)の超あらすじとネタバレ

上記をまとめます。

  • 仁ちゃんがユカを主人公の家に連れてくる
  • 仁ちゃんが別の女性と出かけ、ユカと主人公が残る
  • 三日半続く雨の中での共同生活が始まる
  • ユカが家事を全くしない
  • 主人公がユカのために食べ物を調達するようになる
  • ユカが着替えもせず、スウェット姿で過ごす
  • ユカの本名や仕事について謎が多い
  • 主人公がユカを試すようないたずらを思いつく
  • ユカが四日間家を空けた主人公を待ち続けるが姿を消す
  • 数年後、母親からユカの過去について聞かされる