ジェントルマン(山田詠美)の超あらすじとネタバレ

「ジェントルマン」(山田詠美)のあらすじとネタバレをお探しの方へ。

本作は、主人公の宮下夢生と坂井漱太郎の複雑な関係を描いたサスペンスフルな物語です。夢生が高校2年生の頃、学年トップの成績と抜群の運動神経を誇る漱太郎と出会います。漱太郎の完璧な外見と行動に憧れを抱く夢生と友人の藤崎圭子。しかし、ある雨の日に夢生は漱太郎の恐ろしい秘密を目撃してしまいます。その日から夢生の人生は大きく変わり、漱太郎との因縁が深まっていくのです。

この記事では、物語の展開と衝撃的な結末について詳しく解説します。

この記事のポイント
  • 宮下夢生と坂井漱太郎の関係の始まりと展開
  • 漱太郎の秘密と夢生が目撃した事件
  • 漱太郎の高校卒業後の人生と夢生の進路
  • 夢生と親友の藤崎圭子の友情と再会
  • 夢生が漱太郎に対して下した最終的な決断

ジェントルマン(山田詠美)の超あらすじとネタバレ

第一章: 出会いと誓い

宮下夢生が坂井漱太郎と関わり合いを持つことになったのは、高校2年生の1学期も終わりに近づいた頃のことです。言葉こそ交わしたことはありませんが、漱太郎の存在は学校中で際立っていて、彼を知らない生徒はいませんでした。

漱太郎は成績が常に学年でトップクラスで、運動能力も抜きん出ていました。中学時代には弓道で全国大会に出場し、その上容姿端麗です。夢生の親友である藤崎圭子も、彼のことを「学校のスター」と呼んでいました。

ある日、夢生と圭子は放課後の教室で「これからも漱太郎さんの素晴らしい生き方を見守っていこう」と誓い合いました。二人とも、漱太郎がどんなに完璧な人なのかを尊敬していたのです。

第二章: 秘密の発覚

梅雨の時期のある日、台風の影響で激しい雨が降っていました。夢生は華道部に所属しており、部活動が終わった後、茶室に忘れ物を取りに行きました。その時、思いがけず顧問の村山先生が漱太郎から暴力を受けている場面を目撃してしまいます。

漱太郎は村山先生が普段から剪定に使っていた鋏を夢生に手渡し、「君も共犯者だ」と言いました。夢生は驚きと恐怖で何も言えず、そのまま家に帰りました。漱太郎の行動を止めることができなかった夢生は、事件のことを学校にも親友の圭子にも打ち明けることができませんでした。

第三章: 進む道

夏休みが過ぎると、村山先生は一身上の都合で退職しました。さらに、弓道部の女子マネージャーである立川ルリ子が漱太郎の子を妊娠してしまい、大きな騒ぎになりました。しかし、漱太郎には何のお咎めもなく、普通に高校を卒業しました。

漱太郎は大手都市銀行に就職し、見合い結婚をして二人の子供にも恵まれました。表向きは完璧な紳士に見えましたが、実際には職場の女性たちを傷つけ続けていました。

一方、夢生は経済的な事情で大学進学を諦め、漱太郎から紹介された華道家に弟子入りしました。彼女はフラワーアートを学び、レストランのディスプレイやイベントの仕事を任されるようになりました。漱太郎の助けを借りていたため、彼に逆らうことができませんでした。

第四章: 友情と再会

土日の午後になると、漱太郎は夢生を自宅に招待し、妻と二人の息子と共におもてなしをしました。家族でバーベキューを楽しむ様子は、まるでホームドラマのようでした。

一方、藤崎圭子は大学で経営学を学び、卒業後は輸入品会社で働きました。その後、祖父のレストラン・バーを譲り受け、「K’s bar」としてリニューアルオープンしました。夢生は店内のフラワーアレンジメントを手掛け、二人の友情は変わらず続いていました。

ある日、夢生が店を訪れると、圭子は高校の同窓会について話し始めました。同窓会で再会した立川ルリ子は、現在性暴力被害者専門のカウンセラーをしており、漱太郎の過去について調べていると言いました。ルリ子は漱太郎の行動を許せず、彼を追及する決意を固めていました。

第五章: 決断と行動

漱太郎の上の息子が間もなく誕生日を迎えるため、夢生はプレゼントを用意していました。圭子も一緒にお祝いに行くと言い出し、夢生は少し困惑しましたが、圭子の決意に共感しました。

誕生日当日は晴れていて、近所では運動会のようなイベントが行われていました。漱太郎の家の庭では、金木犀の香りが漂い、彼の両親や勤め先の部下たちが集まって大賑わいでした。

漱太郎は一時的に姿を消し、自室でテレビを見ていました。その時、テレビでは有名な大学教授が不適切な行為で逮捕されたニュースが流れていました。圭子の「罪を犯した人は裁かれるべき」という言葉を思い出した夢生は、あの嵐の日に漱太郎から受け取った鋏を手に取り、彼に立ち向かいました。

夢生はその鋏を漱太郎に突き立て、長年の恐怖と苦しみから解放される瞬間を迎えたのです。

ジェントルマン(山田詠美)の感想・レビュー

「ジェントルマン」(山田詠美)を読んで感じたことは、物語の展開が非常にスリリングであり、読者を引き込む力があるということです。主人公の宮下夢生は、高校2年生の時に坂井漱太郎と関わりを持ちます。漱太郎は成績優秀で運動神経も抜群、まさに学校のスターでした。夢生と親友の藤崎圭子は、漱太郎の生き方に憧れを抱き、見守ることを誓い合います。

しかし、ある雨の日に夢生が目撃したのは、漱太郎が顧問の村山先生に対して暴力を振るうという衝撃的なシーンでした。この事件をきっかけに、夢生の心には大きな負担がかかります。漱太郎は村山先生が使っていた鋏を夢生に渡し、彼女を共犯者としてしまいます。夢生は恐怖と罪悪感を抱えながらも、誰にもこのことを話せませんでした。

漱太郎はその後も様々な問題を引き起こしながらも、社会的には成功を収め、銀行に就職し結婚もします。彼の裏の顔を知っている夢生は、漱太郎に対して複雑な感情を抱き続けます。一方で夢生は、漱太郎から紹介された華道家に弟子入りし、フラワーアートを学びます。夢生の生活は漱太郎の影響下にあり、彼女は自由を感じられません。

再び圭子との友情が描かれる中で、二人は高校の同窓会で立川ルリ子と再会します。ルリ子は漱太郎の過去の行動について調査しており、漱太郎を許せないと感じています。圭子もルリ子に共感し、漱太郎への怒りを共有します。

最後に、夢生は漱太郎の家族が集まる誕生日パーティーで、ついに自分の感情を爆発させます。漱太郎に対して長年抱えてきた恐怖と憤りから、夢生は漱太郎に鋏を突き立てます。このシーンは、夢生の長い葛藤の終わりを象徴しています。

「ジェントルマン」は、表向きの姿と裏の顔のギャップを描き出した作品です。夢生と漱太郎の複雑な関係が緻密に描かれており、読者を最後まで引きつけます。友情、裏切り、そして復讐が絡み合うこの物語は、一度読み始めたら止まらない魅力があります。

まとめ:ジェントルマン(山田詠美)の超あらすじとネタバレ

上記をまとめます。

  • 宮下夢生が坂井漱太郎と関わりを持つきっかけ
  • 漱太郎の学校での評判と彼の優秀さ
  • 夢生と藤崎圭子の友情と誓い
  • 台風の日に夢生が目撃した漱太郎の秘密
  • 村山先生への暴力と夢生の共犯の烙印
  • 漱太郎の高校卒業後の進路と結婚
  • 漱太郎の家庭と職場での裏の顔
  • 夢生の華道家への弟子入りと漱太郎の影響
  • 高校同窓会での立川ルリ子との再会
  • 夢生が最終的に漱太郎に対して取った行動