「十二人の死にたい子どもたち」の超あらすじ(ネタバレあり)

「十二人の死にたい子どもたち」は、見知らぬ十二人の少年少女が集団安楽死を図るために廃病院に集まるところから始まります。

計画は謎の十三人目の少年の死によって崩壊し、誰が彼を殺したのかというミステリーが展開します。彼らの抱える絶望や葛藤、嘘が明らかになる中、予想外の結末が待ち受けています。

この記事のポイント
  • 十二人の少年少女が集団安楽死を計画する背景
  • 謎の十三人目の少年の死の真相
  • それぞれの子どもたちの死にたい理由
  • 話し合いで明かされる嘘と真実
  • 物語の予想外の結末

「十二人の死にたい子どもたち」の超あらすじ(ネタバレあり)

十二人の少年少女たちは、誰にも知られないように集団で命を絶つため、廃病院に集まりました。1番のサトシが計画の主催者で、集団安楽死を行うためのルールは「全員一致で死に方を決めること」でした。しかし、集まった彼らが最初に目にしたのは、予定外の「十三人目」の少年の死体でした。その少年はすでに息を引き取っており、死んで間もないことがわかります。集団の中にはその少年を知る者はいません。計画に参加する予定の十二人とは別の存在で、全員が動揺し、集団安楽死のルールが早速崩れてしまいます。彼の死は事故なのか、それとも誰かが意図的に殺害したのかが不明なまま、彼らの間に不安と疑念が広がります。計画を進めるべきか、やめるべきか、議論の焦点は次第に変わり始めます。

集まった子どもたちは、それぞれが深い悩みや絶望を抱えていました。1番のサトシは計画の進行役を務め、まず全員が自己紹介と「死にたい理由」を話すことを提案します。サトシの決めた投票ルールでは、全員一致でなければ集団安楽死は実行されません。2番のケンイチは学校でのいじめが原因、3番のミツエは家族との不和、4番のリョウコは病気で未来に絶望しています。5番のシンジロウは理論的に物事を考えるタイプで、真相解明に積極的です。6番のメイコは他人に流されやすく、多数派に属することに安心感を覚える少女です。7番のアンリはリーダーシップを発揮する議長タイプ、8番のタカヒロは言葉に詰まりながらも意見を述べます。9番のノブオは過去のいじめと事件の関与から、他人を信じられない状態です。10番のセイゴは恐ろしい見た目とは裏腹に繊細な心を持ち、11番のマイは援助交際をして生きることに疲れたギャルです。12番のユキはまだ幼いが、心に深い傷を抱えています。それぞれが異なる苦しみを抱え、全員が自らの命を絶つことを望んでいましたが、一部のメンバーが反対し続け、議論は続きます。

死んでいた少年の正体を突き止めることが話し合いの最初のテーマになりますが、次第に議論は「誰がこの少年を殺したのか?」にシフトしていきます。その少年は車イスを使用していたことが明らかになり、廃病院に車イスごと入り込むのは難しいため、彼が誰かに運ばれた可能性が高いと考えられます。少年の死体がいつ、どのようにしてここに運ばれたのか、メンバーの中に犯人がいるのではないかと疑心暗鬼になります。特に、鍵を開けて最初に病院に入った1番のサトシは「その時には少年の遺体はなかった」と証言しますが、その後の出来事が不明瞭です。集まった順番が明確でないことや、誰もが自分を守るために真実を隠している可能性があり、疑惑は深まっていきます。

誰が最初に病院に来たのか、誰が十三人目の少年を運び入れたのか、それぞれの証言に矛盾が見られ、真実を探るために嘘を見抜く必要が生じます。サトシよりも先に病院に来た人は名乗り出ませんが、各メンバーの持つ情報や証言をもとに推理が進みます。各自が抱える嘘と秘密が次々と暴かれ、集団安楽死の計画は実行されず、代わりにそれぞれの真実が明るみに出ます。十三人目の少年が誰かに連れられてきた可能性があることや、彼が生前に持っていた希望と絶望が徐々に明らかになります。少年の死の背景と、それがこの集団に及ぼした影響が物語の核心をなします。最終的に、彼らは自らの命について再び考え直すことになり、計画は予想外の形で幕を閉じます。

「十二人の死にたい子どもたち」の感想・レビュー

「十二人の死にたい子どもたち」は、集団安楽死を図ろうとする十二人の少年少女たちが、計画の崩壊とともに自らの抱える問題と向き合う物語です。

廃病院という不気味で閉鎖的な空間が、物語全体に緊張感と孤独感をもたらしています。1番のサトシを中心に、各メンバーが死にたい理由を語り合い、それぞれの背景が明らかになる過程は非常に感情的で、個々の絶望がリアルに描かれています。ゴスロリのミツエ、いじめを受けているケンイチ、探偵役のシンジロウなど、キャラクターたちの個性が鮮明で、読者は各々の心の葛藤に引き込まれます。

物語はミステリー要素も強く、特に謎の「十三人目の死体」が物語の大きな軸となります。この少年の死因を巡る議論は、彼が車イスを使用していたことや、病院に運び込まれた形跡があることから、誰かが意図的に関わっている可能性を示唆します。各メンバーが持つ情報や証言の中に矛盾が生じ、次第に誰が嘘をついているのかが焦点となり、物語は複雑さを増していきます。結局、集団安楽死の計画は進まず、嘘と真実が絡み合いながら、各メンバーが自らの命について再考する姿が描かれます。結末は読者にとっても意外であり、彼らが選ぶ最終的な道が何であるのか、そしてその背後にある感情の変化が深く胸に響きます。

「十二人の死にたい子どもたち」は、単なるミステリーにとどまらず、命や真実の重さを改めて考えさせられる、心に残る作品です。

まとめ:「十二人の死にたい子どもたち」の超あらすじ(ネタバレあり)

上記をまとめます。

  • 少年少女が集団安楽死を計画して廃病院に集まる
  • 十三人目の少年の死体が発見される
  • 計画は全員一致のルールで進行する
  • 各メンバーが死にたい理由を語り合う
  • 最初の投票で一部のメンバーが反対する
  • 謎の少年の正体と死因を巡る議論が始まる
  • 少年は車イス使用者で病院に運ばれた可能性が浮上
  • それぞれのメンバーの発言に矛盾が現れる
  • 嘘を暴き真実を探し出そうとする試みが続く
  • 計画は進まず、意外な結末を迎える