「憑物語」の超あらすじ(ネタバレあり)

『憑物語』は、阿良々木暦が自らの吸血鬼性の高まりに直面する物語です。

ある日、暦は鏡に自分の姿が映らない異変に気付きます。忍野忍や斧乃木余接の助けを借りて原因を探るうちに、これまでの戦いで吸血鬼の力を多用したことが原因だと判明します。更なる危機を回避するために暦は行動を起こしますが、黒幕の陰謀が待ち受けていました。

本記事では、物語の展開や結末をネタバレを含めて詳しく解説します。

この記事のポイント
  • 『憑物語』の物語概要
  • 阿良々木暦の吸血鬼性の高まりの原因
  • 暦が直面する異変の内容
  • 忍野忍や斧乃木余接との関係
  • 物語における黒幕の存在と陰謀

「憑物語」の超あらすじ(ネタバレあり)

2月になり、受験勉強も佳境に入った阿良々木暦(あららぎこよみ)は、いつものように妹たち、阿良々木火憐(あららぎかれん)と阿良々木月火(あららぎつきひ)によってたたき起こされました。暦は、寝ぼけながらもなんとか起き上がり、朝の準備を始めます。その後、火憐は日課であるランニングに出かけ、暦は月火に「ファイヤーシスターズ」の活動をやめるように提案します。しかし、月火はそれに強く反対し、二人は激しい言い合いになってしまいます。

言い争いの末に、二人はお互いに引かず、ついには火憐のために沸かしていた風呂に一緒に入ることになります。風呂に入りながら、二人はお互いの頭を洗い合います。その時、暦は「頭をマッサージするのはとてもリラックスできる」と、やや奇妙な趣味を暴露します。泡を洗い流した後、ふと鏡を見た暦は、自分の姿が映っていないことに気づきます。

暦は驚いて硬直し、その異変に気づいた月火は「鏡に何か映っているの?」と不思議に思い、鏡を見ようとします。暦はとっさに月火の注意をそらすため、自分の方を向かせてキスをし、その場を取り繕おうとします。ちょうどその時、ランニングから帰ってきた火憐が風呂の扉を開けて入り、「何やってるんだ!」と驚きます。火憐の登場で事態は中断され、暦はなんとか鏡の前から離れることができました。

自分の部屋に戻った暦は、吸血鬼である忍野忍(おしのしのぶ)を呼び出して相談します。しかし、忍もこの異変の原因を特定することができず、暦は仕方なく、臥煙伊豆湖(がえんいずこ)に連絡を取ることにしました。

忍野忍から「斧乃木余接(おののきよつぎ)なら何か知っているかもしれない」という助言を受けた暦は、臥煙伊豆湖に連絡を取り、余接と会うための手配をしてもらいました。臥煙が火憐と月火に接触しないようにするため、暦は二人を神原駿河(かんばるするが)の家に送り出します。そして、暦は待ち合わせの場所へと向かいました。

暦が余接を探していると、彼女はクレーンゲーム機の中に隠れていました。彼女はまるで景品の人形のように見え、暦は一瞬スルーしようとしましたが、忍野忍に止められ、彼女を中から取り出すためにゲームを始めます。暦は苦戦しながらも、なんとか余接を取り出すことができましたが、余接は「僕を取り出すのにこんなに時間がかかるなんて」と不満をぶつけます。

しかし、余接は忍に対しては過去のトラウマからか、非常に敬意を払っていました。合流した一行は神社に向かい、そこで暦の吸血鬼性について検証を行います。余接の仲間である影縫余弦(かげぬいよづる)は、突然暦の指の骨を折り、「治すイメージを持って全神経を集中させろ」と指示します。暦は集中し、「この指が治らなかったら羽川翼(はねかわつばさ)の胸を揉めない」という、自分なりの強い願望を持ちながら指の修復に集中します。すると、指は見る見るうちに修復されていきました。

この現象を見た影縫余弦と斧乃木余接は、暦の吸血鬼性が上がっていること、そして既にそれを治す手段はないと結論付けました。

影縫余弦と斧乃木余接は、暦がこれまでに何度も吸血鬼の力を借りていたことが原因で、暦自身の吸血鬼性が高まっていると指摘します。暦はその言葉に愕然とし、思い返せば思い当たる節がありました。

春休みに吸血鬼になって以来、暦は猫に魅せられた少女・羽川翼や、猿に願った少女・神原駿河、蜂に悩まされた妹・火憐、不死身の怪異であった妹・月火、神になってしまった少女・千石撫子(せんごくなでこ)などを救うために、幾度となく吸血鬼の力を借りてきました。その結果、暦の吸血鬼性は徐々に上がっていったのです。

さらに最近では、神となった撫子と戦うために、恐ろしい頻度で吸血鬼の力を使っていました。「何とかして元に戻る方法はないのか」と暦は影縫余弦に尋ねますが、「無理だ」と即答されてしまいます。しかし、影縫余弦は「お前が人間としてのすべてを失ったわけではない。これ以上吸血鬼の力を借りなければ大丈夫だ」と助言します。ただし、これ以上暦の吸血鬼性が高まれば、専門家として見過ごすことはできなくなると警告されました。

臥煙伊豆湖から妹たちの様子を見に行くように指示された暦は、なぜ臥煙がそのことを知っているのか疑問に思いつつも、神原駿河の家に向かいます。しかし、時すでに遅く、妹たちは何者かにさらわれてしまっていました。残されていた手紙に書かれた場所である神社へ、暦は斧乃木余接の力を借りて向かいます。

神社に到着すると、暦の前に現れたのは忍野扇(おしのおうぎ)でした。彼女はいつものように暦を挑発しますが、暦は状況を理解し、立ち向かう決意を固めます。階段を昇る途中、斧乃木余接は自分がどのようにして作られたか、そして正弦(せいげん)と影縫余弦が自分の所有権を巡って争ったことを語ります。また、もし影縫余弦が正弦に対して全く歯が立たなければ、自分を差し出せばいいとも言いました。

暦は境内に到着し、正弦と対峙しますが、どうも会話がかみ合いません。正弦は「なぜ自分がここにいるのか分からない。もちろん、君を倒すためなのだろうが、どうも誰かに操られているだけなのではないか」と言います。そして最後に「忍野メメを探せ」というアドバイスを残し、斧乃木余接の能力「アンミリテッド・ルールブック」で消滅させられます。

斧乃木余接は、暦との関係を悪化させようとすることが黒幕の狙いではないかと考えますが、暦に「僕のようになってはいけない」と忠告し、今後も暦の力になることを約束しました。

「憑物語」の感想・レビュー

『憑物語』を読んで、物語の展開が非常に緊張感に満ちていて、引き込まれました。特に、阿良々木暦が鏡に映らないという異変に気づいた瞬間から、一気に物語が動き出します。暦が忍野忍や斧乃木余接と協力して真相を探ろうとする姿は、彼の仲間への信頼と自分の運命に立ち向かう決意が感じられました。

また、暦がこれまでの戦いで幾度も吸血鬼の力を借りてきたことが、彼自身の吸血鬼性を高めてしまったという事実が明らかになった時は、これまでの物語との繋がりが見事に描かれていると感じました。過去の行動が現在に影響を及ぼすというテーマは、非常に考えさせられるものがありました。

さらに、黒幕として現れた忍野扇の存在は、物語にさらなる緊張感をもたらしました。彼女の謎めいた言動や、暦を挑発する態度が、物語のクライマックスを盛り上げています。そして、最後に暦が「忍野メメを探せ」というアドバイスを受ける場面では、今後の展開がどうなるのか、ますます期待が高まりました。

全体を通して、『憑物語』は、キャラクターたちの成長と葛藤が丁寧に描かれており、ギャグ要素も織り交ぜ、読者を飽きさせない素晴らしい作品だと感じました。特に、暦が自分の運命にどう向き合うのか、そして仲間たちとの絆をどう守るのかが、今後の物語の大きな鍵になると感じました。

まとめ:「憑物語」の超あらすじ(ネタバレあり)

上記をまとめます。

  • 阿良々木暦が鏡に映らない異変に気付く
  • 忍野忍に相談するが原因が分からない
  • 斧乃木余接と影縫余弦の助けを借りる
  • 暦の吸血鬼性が高まっていることが判明する
  • 吸血鬼性を上げた原因は過去の戦いによるもの
  • 影縫余弦から元に戻る方法はないと告げられる
  • 暦は吸血鬼の力を使わないように警告される
  • 妹たちが何者かにさらわれる
  • 忍野扇が黒幕として現れる
  • 最後に「忍野メメを探せ」とのアドバイスを受ける