「スイート・マイホーム」のあらすじとネタバレをお届けします。
この物語は、スポーツインストラクターの清沢賢二が寒い長野のアパートから快適な新居への引っ越しを決意するところから始まります。家族のために選んだ「HA―ほっこりあったかホーム」は、驚くべき暖かさを持つ家でしたが、引っ越し後に次々と奇怪な出来事が起こります。賢二と家族は、家の秘密と過去の罪に向き合いながら、恐怖と戦うことになります。
詳細なストーリーとネタバレをぜひご確認ください。
- スポーツインストラクターの清沢賢二が新しい家を建てる決意をする
- 選んだ家「HA―ほっこりあったかホーム」の暖かさに驚く
- 引っ越し後に家族に奇怪な出来事が起こる
- 賢二が家の秘密と過去の罪に向き合う
- ストーリーの詳細とネタバレが含まれている
「スイート・マイホーム」の超あらすじ(ネタバレあり)
スポーツインストラクターの清沢賢二さんは、アパートで妻のひとみさんと娘のサチちゃんと一緒に暮らしていました。長野の冬はとても寒く、賢二さんは寒がりなひとみさんとサチちゃんのために新しい家を建てることを決心しました。
ある朝、賢二さんはひとみさんに「HA―ほっこりあったかホーム」というチラシを見せました。この家は「冬でも半袖で過ごせる」という宣伝文句が書かれており、賢二さんはこの家が本当に暖かいかどうか試してみたいと思いました。
賢二さん、ひとみさん、サチちゃんの3人は早速HAの住宅展示場に向かいました。道中、ひとみさんは賢二さんに「お母さんに家を建てることをどう伝えるの?」と尋ねました。賢二さんは、東京での暮らしから長野に引っ越してきた経緯を説明しましたが、答えを曖昧にしてしまいました。
展示場に到着すると、担当の本田さんという女性が説明をしてくれました。家の中を見て回ると、その暖かさに驚きました。暖かさの秘密は地下にありました。地下には家と同じ大きさの広い空間があり、ここを一台のエアコンで温め、その暖気を家全体に送っているということでした。地下の入り口には階段があり、大人は這うようにして入らないといけないほど低い空間でした。賢二さんは閉所恐怖症で、この空間を見てぞっとしました。
その後、ひとみさんは本田さんと話し込んで世間話で盛り上がり、賢二さんは一人で別の従業員の甘利さんと遭遇しました。甘利さんは賢二さんの家族構成や他の住宅会社を訪れたかどうかを質問しました。その時、サチちゃんと本田さんが現れ、本田さんは甘利さんに対して厳しい言葉で追い払い、賢二さんに謝罪しました。本田さんは「甘利さんはコンプレックスがあり、素敵な家族に嫉妬してトラブルを起こすことがある」と説明しました。
賢二さんにはひとつの秘密がありました。それは同僚の原友梨恵さんとの不倫関係です。ただし、友梨恵さんには彼氏がいるため、二人の関係は感情的なものではなく、体だけのものでした。
賢二さんと家族は、いくつかのモデルハウスを見て回ったものの、どれもしっくりこなかったため、最終的にはHAで家を建てることに決めました。この決定を報告するために、賢二さんは長野の実家に帰ることにしました。
賢二さんの実家には、母親と統合失調症を患っている兄・聡さんが住んでいました。聡さんは長い間引きこもっており、賢二さんは母親を支えるために東京から長野に戻ってきた経緯があります。実家に着くと、賢二さんは家を建てることに賛成してくれるか心配していましたが、母親は家を建てることを喜んで賛成してくれました。
その日、聡さんも姿を見せましたが、まともに会話ができない状態でした。突然、聡さんが昔飼っていたウサギの死因について話し始め、賢二さんは「それは兄がー」と言いそうになるのをこらえました。
新しい家が完成し、賢二さんたちは引っ越しを終えました。この間に賢二さんとひとみさんの間にはユキちゃんという新しい娘も生まれ、友梨恵さんとの不倫関係も解消されました。しかし、新しい生活が始まった矢先、友梨恵さんから賢二さんの不倫を示す写真が送られてきました。賢二さんは動揺しつつも、まずは様子を見ることにしました。
新居に引っ越してから、賢二さんの家では奇妙なことが起こり始めました。ひとみさんの友人の子供が家の中でオバケを見たと言い出し、賢二さんはその話に不安を感じつつも、友梨恵さんから送られてきた写真のことが気になっていました。
ひとみさんは、HAの本田さんと食事を共にしながら交流を続けていました。本田さんは子供がいるため、サチちゃんとよく遊んでくれていました。しかし、賢二さんが出張中に友梨恵さんと東京で会うと、さらに写真が送られ、友梨恵さんの旦那さんが離婚を提案してきたこともあって、友梨恵さんは精神的に参っていました。
その時、友梨恵さんに電話がかかってきました。友梨恵さんに代わって賢二さんが電話に出ると、無言電話の後ろから赤ん坊の声がかすかに聞こえました。賢二さんは、もしかしてすべてひとみさんの仕業なのかと疑い始めました。
長野に戻ると、ひとみさんも「誰かが家にいた」と話し、ユキちゃんの瞳の中に人の顔が映っていたと怯えていました。友人が家に来た際も、スマホの画面に顔が映ったと言って慌てて帰ってしまいました。次に、友梨恵さんの遺体が見つかり、賢二さんは再び柏原刑事から事情聴取を受けることになりました。
賢二さんが慰安旅行に出かけていると、母親から「聡がいない」という連絡が入りました。押入れにもいないということで、賢二さんは柏原刑事に事情を説明し、急いで実家に向かいました。
家に到着すると、ユキちゃんを守るように抱きしめたまま聡さんが亡くなっていました。ひとみさんもまた精神的に不安定で、家の中で奇怪なものを見たと訴えていました。
葬儀のために実家に戻った賢二さんは、押入れのことを思い出し、聡さんが家族を守るために心を病んでいたことを理解しました。聡さんが昔、父親とトラブルになり、その結果として父親が押入れに隠されたことを知りました。ひとみさんは実家で療養することになり、賢二さんは一人で自宅に戻ることにしました。
自宅に戻った賢二さんは、天井から「ズズズ…」という音を聞きました。フィルターの網目からは目のようなものが覗いていました。その時、柏原刑事から電話があり、犯人の目星がついたことと十分に気をつけるように警告されました。
賢二さんはHAに電話をかけ、本田さんが過去に婚約者を亡くしていることを知りました。本田さんは、3人家族への執着が異常で、地下に潜んでいることがわかりました。賢二さんは本田さんと対峙し、最終的に本田さんを止めるために対決しました。
対決の最中、賢二さんは自分が父親を殺したこと、そして聡さんがその罪を背負っていたことを思い出しました。事件が解決した後、ひとみさんが自宅に戻ると、ユキちゃんが不幸な状態で抱かれているのを見つけました。賢二さんは自分の罪と向き合い、家族の安全を守るために戦ったことを振り返りました。
「スイート・マイホーム」の感想・レビュー
「スイート・マイホーム」を読んで感じたことを詳しくご紹介します。
この物語は、スポーツインストラクターの清沢賢二さんが寒い長野から快適な新居へ引っ越す決断から始まります。賢二さんが選んだ「HA―ほっこりあったかホーム」は、冬でも半袖で過ごせるという驚きの暖かさを誇る家でした。家の地下に広い空間があり、ここを一台のエアコンで温める仕組みがとてもユニークです。
物語が進むにつれて、賢二さんと家族は新しい家で奇怪な出来事に直面します。ひとみさんの友人の子供がオバケを見たと言い出し、家の中で不安が広がります。また、賢二さんの過去の不倫関係や、家の担当者である本田さんの暗い過去も物語に影を落とします。
特に印象に残るのは、賢二さんの兄・聡さんの失踪と死亡のエピソードです。聡さんが亡くなった後、賢二さんは家族の過去や自身の罪に向き合うことになります。この部分は非常にドラマチックで、家族の絆や個人の責任が深く掘り下げられています。
物語のクライマックスでは、賢二さんが本田さんと対決し、緊張感のあるシーンが続きます。本田さんの過去や動機が明らかになり、物語が収束していく様子はとても引き込まれます。
全体として「スイート・マイホーム」は、家族の幸福と過去の罪が交錯するサスペンスフルな物語です。新しい家がもたらすはずの幸せが、意外な方向に進展し、読者を最後まで引き込むストーリーが展開されています。
まとめ:「スイート・マイホーム」の超あらすじ(ネタバレあり)
上記をまとめます。
- スポーツインストラクターの清沢賢二が寒さから解放されるために家を建てる決意をする
- 賢二が選んだ「HA―ほっこりあったかホーム」の暖かさに驚く
- 家の地下空間が暖房システムの秘密である
- 賢二の同僚・原友梨恵との不倫が物語の背景となる
- 新居に引っ越した後に奇怪な出来事が続く
- 家族や友人の間に不安と恐怖が広がる
- 本田という担当者の過去が物語に関与する
- 聡の失踪と死によって家族の絆が試される
- 賢二が自分の過去の罪に向き合う
- 最終的に本田との対決が物語をクライマックスに導く