「サバイバルファミリー(映画)」の超あらすじ(ネタバレあり)

『サバイバルファミリー』は、東京に住むごく普通の家庭・鈴木家が突然の大停電に襲われ、電気、水、ガスなどが使えなくなってしまうサバイバル生活を描いた物語です。

家族で鹿児島を目指し、過酷な旅を続ける中で、生きるために必要な知恵や工夫を学びながら、家族の絆が深まっていきます。絶望的な状況でも前向きに生き抜く鈴木家の姿や、日常のありがたみ、命の大切さに気づかされる感動のドラマです。

この記事のポイント
  • 鈴木家が停電に遭遇する状況
  • サバイバル生活の苦労と工夫
  • 家族の成長と絆の深まり
  • 田中一家との出会いと助け
  • 鹿児島での新たな生活と結末

「サバイバルファミリー(映画)」の超あらすじ(ネタバレあり)

第1章「未曾有の大停電と鈴木家の混乱」

鈴木家は東京のマンションに住む中流家庭で、サラリーマンの父・義之、専業主婦の母・光恵、大学生の兄・賢司、高校生の妹・結衣の4人です。ある朝突然、マンションで停電が発生しますが、最初はすぐに復旧するだろうと家族は楽観的でした。しかし、時間が経つにつれ状況は深刻化し、電気だけでなく水やガス、携帯電話なども使えなくなります。義之は出勤しますが、電車が動かず、会社の業務もストップしてしまいました。

停電が3日続き、鈴木家は混乱します。エレベーターは使えず階段の上り下りが大変で、家の中には洗濯物やゴミがどんどん溜まっていきました。銀行のATMからはお金を引き出せず、日常生活に欠かせないすべてのインフラが停止。学校も会社も閉鎖状態になり、マンションの住民たちの間でも不安が広がり、パニック状態に陥っていきます。

当初は光恵も「手抜き料理ができる」と喜んでいましたが、やがて食料も尽き始めます。夜はろうそくの光で食事をとり、ベランダに出ると今まで見えなかった星空が見えるようになります。家族はこの異常な事態に次第に危機感を募らせていくのでした。

第2章「サバイバル生活と鹿児島への旅」

家に留まることの限界を感じた鈴木家は、光恵の実家がある鹿児島を目指すことにします。移動手段として自転車を選び、最初は羽田空港を目指します。しかし、羽田までの道中でもミネラルウォーターが1本1000円と高騰しており、やがて2500円まで跳ね上がります。光恵の交渉で値下げに成功するものの、羽田空港は結局閉鎖されており、自転車で鹿児島へ向かう長い旅が始まります。

その旅は過酷で、水や食糧は尽き、高速道路の道中も過酷です。義之はやむを得ず川の水を飲み下痢に苦しむなど、過酷な状況が続きます。さらに台風で食糧や衣類が濡れてしまい、家族は心身ともに疲弊していきます。そんな中、ホームセンターでバッテリー液やペットの缶詰を食糧にするなど、工夫しながら生き抜いていく様子が描かれます。

旅の途中で、アウトドアの達人・敏夫とその家族と出会った鈴木家は、サバイバルの基本である「体温の確保、水の確保、火を起こす」方法を教わります。敏夫の息子はアナログカメラを持っており、鈴木家の家族写真を撮ってくれます。しかし、敏夫一家とは途中で別れることになります。

第3章「鈴木家の成長と命の大切さ」

旅は続き、鈴木家はついに大阪にたどり着きます。しかし、停電は大阪でも変わらず、家族は疲弊しきっていました。これまで頼りなかった父・義之に対し、結衣と賢司の不満が爆発し、義之は自分の無力さに打ちひしがれます。大阪では水族館の魚を使って炊き出しが行われており、鈴木家はその食事を求めますが、自分たちの番で品切れに。義之は涙を流して子供たちの分だけでも食べさせてほしいと懇願する場面が印象的です。

さらに旅が続き、鈴木家は野原で豚に出会います。義之は家族のために命がけで豚を捕まえますが、そこに現れたのは豚の持ち主・田中でした。田中は鈴木家に他の豚を捕まえることを条件に、自分の家での生活を許してくれます。井戸水が使え、食糧も豊富な田中家で、鈴木家は久しぶりにお風呂に入り、布団で眠ることができ、心も体も癒されます。田中はここに留まっていいと言ってくれますが、義之は光恵の父を心配し、再び鹿児島を目指すことを決意します。

第4章「鈴木家の結末と再会の喜び」

鹿児島に向かう途中、鈴木家は川にぶつかり、橋がないため渡る手段を模索します。義之は率先していかだを作り川を渡りますが、途中で自転車と共に姿を消してしまいます。残された光恵、賢司、結衣は歩いて鹿児島を目指すことにしますが、光恵は義之がいなくなったショックで心身ともに疲れ果てます。

さらに結衣が犬にエサをあげたことから、野犬と化した犬に追われることになります。光恵は犬に襲われ崖から落ち、骨折してしまいますが、ちょうどその時にSL(蒸気機関車)が通りかかり、鈴木家は助けられます。一方、川で行方不明となった義之も実は生きており、SLを見つけ発煙筒を使って家族と合流します。義之は家族の前でカツラを投げ捨て、ありのままの自分を見せます。

やっと鹿児島にたどり着いた鈴木家は、光恵の父と再会を果たします。その後、2年と126日が経過し、鈴木家はそのまま鹿児島で生活を続けます。ある日、突然電気が復旧し、東京に戻った鈴木家のもとにサバイバル中に撮った家族写真が届くのでした。

「サバイバルファミリー(映画)」の感想・レビュー

『サバイバルファミリー』は、電気が突然消えた世界で生き抜く家族の物語です。東京で普通の生活を送っていた鈴木家にとって、電気、水、ガスが使えない日々は想像以上に過酷なものでした。主人公である父・義之は、最初は頼りなさを見せていましたが、家族を守り、過酷な状況を乗り越えていく中で次第にたくましく成長していきます。特に、自転車での旅の途中で飲み水を得ることに苦労し、高価なミネラルウォーターを買うために交渉する場面は、現実世界の当たり前がいかに大切かを考えさせられます。

途中で出会うアウトドアの達人・敏夫ファミリーとの交流は、サバイバルにおいて必要な知恵や技術の重要性を教えてくれます。水の調達方法、食べられる雑草や虫の知識など、私たちが普段の生活で見過ごしている「生きるための知恵」をリアルに感じることができました。また、敏夫の息子が撮った家族写真が、物語のラストで鈴木家に届くという演出も、家族の絆を象徴しており、感動的です。

そして、大阪での困難な状況で家族がぶつかり合うシーンや、田中一家との出会いによって命のありがたみを学んでいく姿は印象的でした。豚を解体する場面では、生きるために他の命をいただくことの厳しさと感謝を感じさせられます。家族が本当の意味で「生き抜く」力を身につけていく過程が丁寧に描かれており、リアルなサバイバルを感じることができます。

最終的に、義之がカツラを投げ捨てるシーンでは、彼の覚悟と家族への愛が伝わり、思わず胸が熱くなりました。義之は自分を取り繕うのではなく、ありのままの自分を見せることを決意し、その姿に家族の成長を感じます。そして、長いサバイバル生活を終えて再び日常が戻る瞬間の安堵感とともに、サバイバル中に撮られた家族写真が届くラストシーンは、家族の絆と成長の証となり、感動的な余韻を残します。

『サバイバルファミリー』は、普通の家族が極限の状況でお互いを支え合い、困難を乗り越える姿が描かれており、日常のありがたさや家族の大切さを改めて実感できる作品です。

まとめ:「サバイバルファミリー(映画)」の超あらすじ(ネタバレあり)

上記をまとめます。

  • 突然の大停電で鈴木家の日常が崩れる
  • 電気、水、ガスのインフラが全て使えなくなる
  • 鈴木家は自転車で鹿児島を目指すことを決意
  • 高価な水の購入や食糧不足の過酷な旅
  • アウトドア家族との出会いでサバイバル術を学ぶ
  • 大阪でも停電が続き家族の不満が爆発
  • 養豚場の田中一家に助けられる
  • 義之が川で行方不明になるが無事生還
  • SLに助けられ鹿児島の光恵の父と再会
  • 2年と126日のサバイバル生活後、電気が復旧