「鬼物語」の超あらすじ(ネタバレあり)

『鬼物語』は、阿良々木暦が過去から戻った後、謎の存在「くらやみ」との戦いに巻き込まれる物語です。

八九寺真宵と共に逃げる最中、過去の忍野忍との出会いや彼女の苦い過去が明らかになります。物語は、「くらやみ」が真宵を狙う理由を探りつつ、成仏を決意した真宵との切ない別れで幕を閉じます。

『鬼物語』のあらすじとネタバレを知りたい方に、物語の重要なポイントを詳しく解説します。

この記事のポイント
  • 阿良々木暦と「くらやみ」の戦いの概要
  • 八九寺真宵との逃走劇
  • 忍野忍の過去の話
  • 「くらやみ」の狙いと理由
  • 真宵との別れのシーン

「鬼物語」の超あらすじ(ネタバレあり)

阿良々木暦(あららぎこよみ)は、過去から現代に戻ってきたばかりで、夏休みの宿題がまだ終わっていなかったため、始業式をサボることにしました。帰宅途中、彼は八九寺真宵(はちくじまよい)に出会います。真宵は、以前阿良々木家に遊びに来た際にリュックサックを忘れていったことを思い出し、二人でそれを取りに阿良々木家に向かうことにしました。

しかし、昼食を取るためにどこかで食事をしようと考えていた矢先、突然、どこからともなく「くらやみ」と呼べる真っ黒い存在が現れました。その「くらやみ」は、見た目には何とも形容しがたい不気味なもので、暦は直感的にそれが危険なものであると感じました。彼は真宵を自転車の後部座席に乗せ、全速力で逃げ出します。

逃走中、暦は一瞬「くらやみ」が真宵に襲いかかったかのように感じましたが、何とか逃げ続けました。しかし、「くらやみ」は彼らを先回りし、絶体絶命の危機に陥ります。その時、突如として斧乃木余接(おののきよつぎ)が現れました。余接は、自分の能力「例外の方が多い規則(アンリミテッド・ルールブック)」を使い、暦たちを「くらやみ」から守りつつ、一行を学習塾の跡地へと転移させました。

学習塾の跡地に逃げ込んだ暦は、自分が吸血鬼化しているため何とか無事でしたが、普通の少女である真宵は衝撃に耐えきれず、気絶してしまいます。これにより、物語は次の展開を迎えることになります。

辛くも「くらやみ」から逃げ切った阿良々木暦は、気絶している八九寺真宵を見て焦りますが、その場で助けようとします。すると、彼の影から忍野忍(おしのしのぶ)が現れます。忍は、暦が変な行動を取ろうとしたのを止めるために、彼に強烈な一撃を加え、正気に戻します。

その後、忍は自分の過去について語り始めます。400年前、忍は日照りに苦しむ村を助けるため、少しだけ力を貸しました。しかし、その結果、村人たちは彼女を神として崇めるようになり、怪異を退治することを仕事としていた男、通称「初代怪異殺し」と出会います。忍は彼の名前を覚えていなかったため、「初代怪異殺し」と便宜上呼ぶことにしました。

村に長くとどまることで、忍には「よくないもの」が集まってくるはずでしたが、今回はその代わりに村人たちが次々と消えていきました。最終的に、村に残ったのは忍と「初代怪異殺し」の二人だけとなり、その時「くらやみ」が現れました。忍は完全に油断しており、その結果、体の一部を「くらやみ」に奪われてしまいます。「初代怪異殺し」は、彼の手首だけを残して「くらやみ」に飲み込まれてしまいました。

忍は何とか逃げ出し、「初代怪異殺し」を自分の眷属にしましたが、彼は吸血鬼として生きることに耐えられず、最終的には太陽の下で自ら命を絶ちました。この過去を知った暦は、何とも言い難い感情に襲われました。

忍の過去の話が終わると、斧乃木余接も所用を済ませて戻り、八九寺真宵が目を覚まします。しかし、その瞬間、「くらやみ」が再び現れました。緊急事態を察した暦たちは、余接に助けを求め、再度「アンリミテッド・ルールブック」を使って脱出を図ります。余接は冗談を言いながらも、なんとか一行を無事に山中へと転移させます。

しかし、この転移の衝撃で、暦と忍のペアリングが切れてしまいます。ひとまず山を下り、町へと向かおうとする一行でしたが、暦は真宵の様子がいつもと違うことに気づきます。彼が冗談を言っても、真宵はいつものように返してくれず、どこか寂しげな表情を見せます。

疲れ果てた真宵は、暦に背負われながら眠ってしまいます。山を下りた先で、一行は人里離れた民家を発見し、そこで休むことにしました。民家に入ると、そこで待っていたのは臥円伊豆湖(がえんいずこ)でした。彼女はすべてを知っている人物であり、今回の出来事の真相を語ります。

臥円伊豆湖は、「『くらやみ』が今回狙っているのは、そこで寝ているお嬢ちゃん、つまり八九寺真宵なのだ」と言います。「くらやみ」は、怪異としての道を外れた怪異を狙い、この世から排除する存在だというのです。臥円の言葉に、暦は驚きを隠せませんでした。

臥円伊豆湖の説明によって、「くらやみ」が狙っているのは八九寺真宵であり、その理由が彼女が本来成仏すべき存在であるからだと判明します。かつての迷い牛としての役目を果たし、成仏していたはずの真宵がこの世に存在し続けていることが、「くらやみ」にとっては許されないことだったのです。

臥円は、「『くらやみ』は、怪異としての誤りを正さない限り、その存在を許さないのだ」と言います。忍がかつて襲われたのも、神様の役割を演じてしまい、本来の吸血鬼としての姿を隠していたからでした。

しかし、暦は真宵が成仏していない理由を理解することができず、彼女を守りたい一心でどうにか対処しようとします。ところが、真宵自身は既に成仏する決意を固めていました。彼女は暦に感謝の言葉を伝え、「死んでしまったことや幽霊になってしまったことは不幸でしたが、あなたと出会えたことは幸せでした」と話します。

最後に、真宵は「いつものやつをやりましょう」と提案し、暦に「噛みましたから始まる一連の流れ」を求めます。そして、真宵は暦に別れのキスをし、「失礼、噛みました」と涙を流しながら告げます。最後に「大好きでしたよ、阿良々木さん」と言い残し、真宵は成仏していきました。物語はこうして静かに幕を閉じます。

「鬼物語」の感想・レビュー

『鬼物語』は、阿良々木暦と彼に関わるキャラクターたちの複雑な関係と成長を描いた作品で、特に八九寺真宵との別れが印象深いです。物語は、暦が過去から戻ってきたところから始まり、真宵との再会によって再び大きな試練に直面します。「くらやみ」という謎の存在が登場し、彼らを追い詰める中で、斧乃木余接や忍野忍が重要な役割を果たします。

忍野忍の過去の物語は、彼女の強さと弱さを同時に描き出し、彼女が過去に経験した悲劇が明らかになります。この過去のエピソードは、彼女が今の忍になった理由を深く理解する手助けとなり、物語全体の重みを増しています。また、臥円伊豆湖が真宵の正体や「くらやみ」の真の目的を明らかにするシーンは、物語の緊張感を一気に高め、真宵が「成仏」という避けられない運命に向き合う決断に感動させられました。

特に感動的だったのは、真宵が自らの消滅を受け入れ、暦に感謝の言葉を伝えるシーンです。彼女の「死んでしまったことや幽霊になったことは不幸だったけれど、阿良々木さんと出会えたことは幸せでした」という言葉は、彼女の純粋な気持ちと成長を象徴しています。

『鬼物語』は、キャラクターたちの感情や過去が丁寧に描かれており、物語の最後には大きな感動と余韻が残ります。成仏していく真宵との別れは切なくも美しい場面で、読者にとっても忘れられない一瞬となります。この作品は、物語シリーズ全体の中でも特に心に残るエピソードの一つだと感じました。

まとめ:「鬼物語」の超あらすじ(ネタバレあり)

上記をまとめます。

  • 阿良々木暦が過去から戻る
  • 八九寺真宵と再会する
  • 「くらやみ」という謎の存在が現れる
  • 斧乃木余接が助けに現れる
  • 学習塾跡地に逃げ込む
  • 忍野忍が過去の話を語る
  • 忍と初代怪異殺しの出会い
  • 忍が「くらやみ」に襲われる
  • 臥円伊豆湖が真相を明かす
  • 八九寺真宵が成仏を決意する