「鍵泥棒のメソッド(映画)」の超あらすじ(ネタバレあり)

『鍵泥棒のメソッド』は、記憶を失った殺し屋と人生がうまくいかない男の入れ替わりから始まるストーリーです。

水嶋香苗と出会ったコンドウは、彼女と交流を深める中で、殺し屋としての人生を悔い改めます。一方で、コンドウの人生になりすます桜井は、偶然が重なり事件に巻き込まれます。

物語は愛と再生、そして新たなスタートを描くハッピーエンドとなり、二人の主人公の人生模様が丁寧に紡がれています。

この記事のポイント
  • 『鍵泥棒のメソッド』のあらすじとネタバレ
  • コンドウと桜井の人生の入れ替わり
  • 水嶋香苗とコンドウの関係
  • 桜井が事件に巻き込まれる経緯
  • 最後に迎えるハッピーエンドの結末

「鍵泥棒のメソッド(映画)」の超あらすじ(ネタバレあり)

第1章:偶然の出会いと偽りの人生

出版社の編集長を務める水嶋香苗は、ある日突然「12月14日までに結婚する」と職場で宣言します。しかし、相手は決まっておらず、香苗は几帳面で何事にも細かい性格ゆえに、期日を設定して結婚相手探しに没頭します。一方、殺し屋であるコンドウは、仕事のあと返り血を洗い流すため銭湯に立ち寄ります。タイミングよく、人生がうまくいかず自殺を試みていた元劇団員の桜井武史も銭湯にやって来ます。

銭湯で隣のロッカーを使っていたコンドウと桜井。コンドウは足元の石鹸で滑って転倒し、頭を打ちます。その衝撃でコンドウのロッカーの鍵は桜井の足元へ転がります。桜井は出来心でコンドウの鍵を拾い、自分の鍵とすり替え、コンドウのロッカーを開けます。コンドウの服を着て、彼の車に乗り込む桜井。彼はコンドウの人生になりすまし、手に入れたお金で借金を返し、なりすまし生活を始めるのです。

しかし、コンドウは転倒時の怪我で記憶喪失となり、病院に運ばれます。桜井は、コンドウに荷物を返そうと病院に行きますが、記憶を失ったコンドウに腕を掴まれ、驚きながらも荷物を持ち帰ります。コンドウのロッカーの中身とその後の生活が、桜井を大きく変えていくことになるのです。

第2章:香苗と記憶を失ったコンドウの出会い

病院で目覚めたコンドウは、記憶が全くなく、自分のことを桜井だと思い込みます。医師は大家から聞いた情報をもとに、コンドウに「桜井は若くして両親を亡くし、現在はアルバイトを探している状態」だと説明します。わずかな所持金しかない中、コンドウはペンとノートを買い、自分の状況を記録し始めます。その几帳面さが、新しい桜井としての彼の生活を支えるのです。

一方で香苗は、病気の父の願いを叶えるため、結婚を決意します。彼女は、やると言ったら最後までやり遂げる強い性格です。病院で道に迷ったコンドウに声をかけられた香苗は、彼を車で送ります。その際にコンドウは35歳だと自己紹介し、記憶喪失であることも打ち明けます。香苗の優しさと助言で、コンドウは自分が役者であったかもしれないと考え始めます。

本来のコンドウは高級マンションに住む殺し屋でしたが、桜井がその生活になりすましている間、香苗と記憶喪失のコンドウは少しずつ親しくなります。香苗はコンドウを出版社に誘い、役者をしながらアルバイトができるように手配します。コンドウと香苗の交流が深まる中で、彼の過去が少しずつ明らかになっていきます。

第3章:二つの人生の交錯と明かされる真実

香苗とコンドウは、デートを重ね、互いに惹かれ合うようになります。香苗は、自分が結婚する決意をしたことをコンドウに打ち明け、彼にプロポーズします。しかし、桜井はコンドウの本当の姿が殺し屋だと気づき、刑事のふりをして香苗が働く出版社に潜入し、コンドウの過去を探り始めます。やがて、コンドウが殺しの依頼を受けていたと知り、その秘密に驚愕する桜井。

一方で、コンドウは桜井になりきっているうちに、香苗との結婚を意識し始めます。しかし、桜井は工藤からの依頼の件で岩城の女に接触し、彼女にお金の行方を確認します。結局、岩城の女はお金をもらっていないことが判明し、桜井は彼女を逃がそうと指示します。しかし、そのことが工藤にバレてしまい、桜井は命の危機に直面します。

葬儀に参列したコンドウは、香苗の父が残したビデオレターを見て、香苗が父のために結婚しようとしていることを知ります。その後、香苗が父の好きだったレコードをかけると、それがきっかけでコンドウは姿を消し、記憶を取り戻します。

第4章:運命の選択と新たなスタート

記憶を取り戻したコンドウは、桜井と対峙し、桜井の起こした出来事について全てを聞きます。しかし、桜井がコンドウに向けていた銃は実はおもちゃでした。コンドウは桜井に「このまま自分の人生をもらう」と告げ、桜井を助ける計画を立てます。それは、工藤をだまして桜井をコンドウだと見せかけ、殺し屋を引退させるための作戦でした。

実は、コンドウは殺し屋ではなく、依頼を受けても殺したふりをして相手を逃がし、依頼者とその相手から報酬を二重にもらう便利屋でした。そして、もうお金はいらないと考えていたのです。しかし、香苗が現れたことで、すべての計画は失敗します。とりあえず、桜井の元カノのマンションに逃げ込みますが、工藤に捕まったコンドウは、桜井に岩城の女とお金を要求します。

最終的に、桜井と香苗は岩城の女と協力し、工藤を欺くことに成功します。香苗は工藤を警察に通報し、全てが解決します。香苗はコンドウのノートに自分の名前が書かれているのを見つけ、心がキュイーンと鳴り、同時にコンドウの車の警告音もキュイーンと鳴り響きます。抱き合う二人は、未来へと新たな一歩を踏み出します。

「鍵泥棒のメソッド(映画)」の感想・レビュー

『鍵泥棒のメソッド』は、偶然と必然が交錯するユニークなストーリー展開が魅力的です。記憶喪失の殺し屋コンドウと、人生に行き詰まり自殺を試みる桜井武史の出会いが物語の始まりです。偶然の出来事でコンドウの人生を盗んだ桜井が、彼の過去や秘密に触れていく中で、自分自身も変わっていく様子が描かれています。その一方で、コンドウは自分を桜井だと思い込みながらも、香苗と心の交流を深め、やがて彼女の結婚への想いを知っていく展開が心温まります。

また、水嶋香苗という女性の存在が、この物語の大きな柱となっています。彼女は父の願いを叶えるために結婚を決意し、真剣に相手を探します。香苗の強い意志と優しさが、コンドウの記憶を失った状態に癒しをもたらし、また彼自身の新たな人生へのきっかけとなります。コンドウのノートと香苗のスケジュール帳に描かれる細やかな日常の描写が、彼らの内面を深く理解させてくれます。

桜井の視点では、コンドウの高級マンションや殺し屋の痕跡を見つけていくシーンがスリリングです。コンドウの正体に気づいた時の桜井の驚きと恐れが、物語に緊張感を与えます。また、コンドウが殺し屋ではなく実は「逃がし屋」だったという意外な展開が、物語にユーモアと希望を与え、最後のハッピーエンドへとつながっていくのが印象的です。

物語全体を通して、偶然の出来事が積み重なっていきますが、それが絶妙に組み合わさり、主人公たちの心の変化と成長が描かれています。桜井はコンドウの人生に触れることで、再び生きる希望を見つけ、コンドウは香苗との出会いによって、本当の幸せを手に入れるのです。その中で、香苗がコンドウのノートを見て心が「キュイーン」と鳴る場面は、二人の恋が実を結んだ瞬間として感動的です。

全体として、『鍵泥棒のメソッド』は愛と再生、そして希望に満ちた物語であり、軽やかなコメディ要素とシリアスなドラマがうまく調和しています。コンドウと桜井、そして香苗の3人のキャラクターの魅力がしっかりと描かれ、最後には読者に温かな気持ちを残してくれる作品です。

まとめ:「鍵泥棒のメソッド(映画)」の超あらすじ(ネタバレあり)

上記をまとめます。

  • 桜井武史は殺し屋コンドウの人生になりすます
  • コンドウは銭湯で転倒し記憶を失う
  • 香苗は父の願いで結婚相手を探している
  • コンドウは香苗と出会い、彼女に好意を抱く
  • 桜井はコンドウの正体に気づき刑事に扮する
  • コンドウの記憶が戻り、香苗の結婚を知る
  • コンドウは実は殺し屋ではなく便利屋
  • 工藤との駆け引きで命の危機を迎える
  • 最後に香苗とコンドウは結ばれる
  • 物語は愛と再生、そして未来への希望で締めくくられる