我が友、スミス(石田夏穂)の超あらすじとネタバレ

『我が友、スミス』は石田夏穂による小説で、フィットネスと自己成長をテーマにした物語です。

本作は、主人公がGジムでのトレーニングを通じて、ボディ・ビルの世界に飛び込む姿を描いています。物語は、スミス・マシンの不足という問題から始まり、新たなジムへの移籍、厳しいトレーニング、そしてボディ・ビル大会への挑戦と続きます。途中で出会う様々なキャラクターや困難を乗り越えることで、主人公は心身ともに成長していきます。

この記事では、その詳細なあらすじとネタバレを紹介し、物語の魅力をお伝えします。物語の全体像をわかりやすくまとめました。ぜひご覧ください。

この記事のポイント
  • 主人公がGジムでのトレーニングを通じて経験する問題点と改善策
  • 主人公がNジムに移籍する理由とその過程
  • 主人公がボディ・ビル大会に向けてどのように準備するか
  • 大会前のトレーニングとメンタルの変化
  • ボディ・ビル大会の結果とその後の主人公の成長と目標

我が友、スミス(石田夏穂)の超あらすじとネタバレ

第1章: GジムでのトレーニングとNジムへの勧誘

私は、ここ一年余りGジムというジムに通って、全身の筋肉を鍛えています。このジムは、家から近くて通いやすく、設備もそれなりに整っています。でも、一つだけ大きな問題があります。それは、スミス・マシンという特別なトレーニング機械が一台しかないことです。

スミス・マシンは、バーベルがレールに沿って上下するようになっているので、安全に重いバーベルを持ち上げることができます。私は、このスミス・マシンを使ってトレーニングしたいのですが、いつも他の人が使っているので、なかなか自分の順番が回ってきません。そのため、待つ時間が長くなってしまい、効率的にトレーニングができないのです。

ある日、いつものようにGジムでトレーニングをしていると、一人の女性が私に話しかけてきました。彼女の名前はO島さんで、明るく元気な印象の人です。O島さんは、自分のNジムという新しいジムを立ち上げるために、ボディ・ビルの大会を目指す会員を募集していると説明してくれました。

O島さん自身、かつてボディ・ビルダーとして大会に出場していた経験があり、現在は大会を主催するBB協会の理事でもあるそうです。彼女は、ボディ・ビルの世界で非常に経験豊富で、たくさんの知識を持っている人でした。彼女の話を聞いているうちに、私は次第に興味を持ち始めました。

その後、O島さんの勧めで、私はNジムを見学に行くことにしました。Nジムに入ると、まず目に入ったのは、なんとスミス・マシンが三台も置かれていることです。これなら、待つ時間も少なくて済みそうです。他にも最新のトレーニング機器がたくさんあり、とても魅力的なジムでした。

さらに、O島さんはNジムの会費についても教えてくれました。Gジムよりも少し高いですが、BB協会主催の大会に出場する場合、会費がかなり割引されるとのことです。この特典も私にとっては大きな魅力でした。

私は、Nジムに入会することを決めました。Nジムなら、より効率的にトレーニングできると感じたからです。また、O島さんのような経験豊富な人の指導を受けられることも、大きな決め手となりました。

このようにして、私は新しい環境で、さらに自分の身体を鍛えることを決意しました。Nジムでのトレーニングが始まり、私はボディ・ビルの大会に向けて、本格的に準備を進めることになったのです。

第2章: Nジムへの移籍とトレーニングの日々

私はNジムに入会し、さっそくトレーニングを始めました。Nジムはとても広く、最新のトレーニング機器がたくさん揃っています。特に気に入ったのは、スミス・マシンが三台もあることです。これで順番待ちをすることなく、自分のペースでトレーニングができるようになりました。

Nジムの会費はGジムより少し高いですが、BB協会主催の大会に出場する場合には割引があるので、それほど負担にはなりません。私はボディ・ビルの大会に出場することを目標にしているので、この特典はとてもありがたいです。

トレーニングのプランも大きく変わりました。Nジムでは、週に七回通うことにしました。五回は自分でトレーニングを行い、残りの二回はパーソナルトレーナーの指導を受けます。パーソナルトレーナーは、私の体力や筋力の状態を見ながら、最適なトレーニング方法を教えてくれます。

初めてのパーソナルトレーニングでは、まず私の体の状態を詳しくチェックしてもらいました。その後、筋力トレーニングの基本から始めて、少しずつ負荷を増やしていく方法を教えてもらいました。トレーナーの指導のおかげで、自分の弱点や改善点がよくわかるようになりました。

トレーニングの成果はすぐに現れ始めました。身体全体の筋肉が少しずつ大きくなり、力もついてきました。特に腕や脚の筋肉が明らかに強くなってきたことが実感できました。また、トレーニング後のストレッチやケアの方法も教えてもらい、筋肉痛も減ってきました。

Nジムには、私と同じようにボディ・ビルの大会を目指している会員がたくさんいます。みんな真剣にトレーニングをしており、その姿を見ると私も頑張らなければと思います。お互いに励まし合いながら、トレーニングを続けることができるのは、とても心強いです。

また、ボディ・ビルの大会に出場するためには、外見にも気を使わなければなりません。女性のBB大会は、ミス・コンテストのような要素も含まれているため、見た目も大事です。そこで、私はそれまでショートだった髪を伸ばすことにしました。髪が長いと、より女性らしい印象になるからです。

Nジムでのトレーニングが始まってから、私の生活は一変しました。毎日のようにジムに通い、トレーニングに励むことで、身体だけでなく心も鍛えられている感じがします。疲れることもありますが、少しずつ自分が変わっていくのを実感するのはとても楽しいです。

このようにして、私はNジムでの新しいトレーニング生活を楽しみながら、ボディ・ビルの大会に向けて準備を進めています。今後も頑張ってトレーニングを続け、目標を達成できるように努力していきます。

第3章: トレーニングの過酷さと新たな挑戦

ボディ・ビルの大会まで七か月となり、私はさらにトレーニングに力を入れるようになりました。Nジムでの生活にすっかり慣れ、毎日のようにジムに通って筋肉を鍛えています。トレーニングが進むにつれて、自分の身体がどんどん変わっていくのがわかります。

ある日、ふとGジムで知り合ったS子さんのことを思い出しました。S子さんは美容外科医で、いつも自分の写真をSNSに投稿していました。最初は、ただの見せびらかしだと思っていましたが、実は彼女もボディ・ビルの大会に出場していたのです。彼女の投稿はすべて、大会に向けての準備だったことがわかり、私は彼女を見直しました。

その後、NジムではBB大会に参加する選手たちの発起会が開かれました。発起会では、選手が一人ずつ呼ばれて、O野さんが身体を見てアドバイスをしてくれます。私の番になり、O野さんは私の身体を見て、予選を通るかもしれないとほめてくれました。私はその言葉に有頂天になりました。

しかし、その日のスペシャルトレーナーとして呼ばれていたのは、元ミス・ユニバースのE藤さんでした。E藤さんはとても厳しく、私にきついダメ出しをしました。ボディ・ビルの大会では、筋肉だけでなく、女性らしさも求められるのです。E藤さんは、私にピアスをすること、肌をブロンズ色に焼くこと、そして脱毛することを勧めました。

私はさっそく行動を起こしました。まず、ピアスの穴を開けに行きました。それから、ニードル脱毛という方法で全身の脱毛をしました。さらに、日焼けマシンを使って肌を焼き、ブロンズ色にしました。このようにして、見た目の準備も着々と進めていきました。

競技用のビキニも選びました。ビキニはボディ・ビルの大会でとても重要なアイテムです。自分の身体を最大限に引き立てるデザインを選ぶ必要があります。私はE藤さんのアドバイスを受けて、赤いビキニを選びました。

トレーニングは続きますが、無理をしすぎてしまい、ひじと手首を痛めてしまいました。大会まで七十日を切ったところで、O島さんとE藤さんによる二回目のコンディション・チェックが行われました。私は減量しすぎと注意され、一方で私のパーソナルトレーナーであるT井さんは、O島さんから減量がなっていないと叱られました。これは、T井さんが私のトレーナーであり、師弟関係があるからこその叱咤でした。この場面で、私は淡い嫉妬を感じました。

しかし、その嫉妬心を乗り越えて、私はさらに努力を続けました。トレーニングの合間には、ケアや休息をしっかりとることも心がけました。Nジムでの仲間たちとも情報を共有し、お互いに励まし合いながら、大会に向けて準備を進めました。

このようにして、私は過酷なトレーニングを乗り越え、新たな挑戦に向けて一歩一歩進んでいきました。大会までの道のりは決して楽ではありませんが、自分の目標に向かって努力し続けることが大切だと感じています。これからも自分を信じて、頑張っていきます。

第4章: 準備と試練

ボディ・ビルの大会まであと四十日となりました。私はE藤さんの指導の下、ポージングのレッスンを始めました。ポージングとは、筋肉の美しさを最大限に見せるためのポーズを取ることです。これも審査の重要なポイントです。E藤さんは、ポージングだけでなく、ウォーキングの方法も教えてくれました。

最初のレッスンでは、E藤さんに勧められた赤いビキニを着て参加しました。このビキニは、私の筋肉を引き立てるために選んだものです。しかし、慣れないハイヒールを履くのがとても大変でした。ハイヒールを履いて歩くことがこんなにも難しいとは思いませんでした。E藤さんからは、「次回までにハイヒールに慣れるように」と指示されました。

そこで、私はすぐに室内用と室外用の二足のハイヒールを購入しました。家の中でも外でも、できるだけハイヒールを履いて歩く練習をしました。最初は足が痛くて大変でしたが、毎日少しずつ練習することで、だんだんと慣れてきました。二回目のレッスンでは、ハイヒールを上手に履きこなすことができ、E藤さんにもほめられました。

そんな中、新婚の弟夫婦との交流のために実家に帰る機会がありました。実家でのひととき、テレビで偶然ボディ・ビルの特集が放送されていました。それを見ていた母と私は、ボディ・ビルについて意見が対立してしまい、言い争いになりました。母は、私がこんなに一生懸命にトレーニングしていることを理解してくれないようでした。

実家を出たとき、私は自分がどれだけこの大会に情熱を注いでいるかを改めて感じました。この怒りも、自分が本気で取り組んでいる証だと思いました。大会まであと一週間となり、最後の仕上げに向けて気持ちを引き締めました。

四回目のポージング・レッスンでは、私は自信を持ってポーズを取ることができました。しかし、E藤さんから「笑顔がない」と指摘されました。ボディ・ビルの女子大会では、笑顔も審査のポイントになるのです。私はそれに疑問を感じました。なぜ女子の大会だけが笑顔を求められるのか?男子の大会では無表情でも問題ないのに、と考えてしまいました。

それでも、私は大会に向けて気持ちを切り替えました。出場するからには勝たなければなりません。私が出場するカテゴリーには五十二人がエントリーしています。予選では十二人ずつにグループ分けされ、上位二人が決勝へ進むことになります。

予選の日、私は幕裏で準備を始めました。自分のグループの中で三番手くらいかなと予想しましたが、十五番と十七番の選手がとても素晴らしい身体をしているのを見て、不安になりました。予選の結果は、私の予想通り、決勝へは進めませんでした。

着替えようとしていると、急にスタッフの動きが慌ただしくなりました。十五番の選手がドーピングで引っかかったのです。去年までは許可されていた筋肉増強剤を使用していたため、失格となりました。十五番の選手は他の大会にもよく出ているので、それほど落ち込んだ様子もなく退場しました。

私は十五番の選手の鍛え抜かれた肉体美を見て、納得がいきませんでした。しかし、決勝に進んだ私は反抗心からハイヒールもピアスも取ってしまいました。大会後、私は自分の成績に悔しさを感じながらも、新たな目標を胸に秘めて、再びトレーニングに励むことを決意しました。

こうして、Nジムでの試練を乗り越え、私はボディ・ビルの世界でさらに成長するために努力を続けました。これからも自分を信じて、目標に向かって進んでいきます。

第5章: 大会とその後

大会まであと一週間となりました。いよいよ最後の仕上げです。E藤さんによる四回目のポージング・レッスンが行われ、私は自信を持ってポーズを取れるようになっていました。しかし、E藤さんから「笑顔が足りない」と指摘されました。ボディ・ビルの女子大会では、笑顔も審査の重要なポイントなのです。

私は、なぜ女子の大会だけが笑顔を求められるのか、疑問に感じました。男子の大会では無表情の選手もいます。それでも、E藤さんの指導に従い、笑顔の練習を始めました。ポージングをしながら笑顔を作るのは難しかったですが、鏡の前で何度も練習しました。

大会当日、私は緊張しながら会場に向かいました。出場するカテゴリーには五十二人の選手がエントリーしていました。予選は十二人ずつのグループに分かれ、上位二人が決勝に進むことになります。私は自分の順番を待ちながら、幕裏で準備を整えました。

予選が始まり、私のグループの出番がやってきました。ステージに上がり、ポージングをしました。笑顔を忘れずに、今まで練習してきたことをすべて出し切りました。しかし、予選の結果、私は決勝に進むことができませんでした。悔しい気持ちでいっぱいでしたが、すぐに気持ちを切り替えようとしました。

着替えをしようと控室に戻ったところ、スタッフの動きが慌ただしくなりました。何か問題が起きたようです。すると、十五番の選手がドーピングで失格になったという知らせが入りました。その選手は去年までは許可されていた筋肉増強剤を使用していたのです。そのため、急遽、私が決勝に進むことになりました。

決勝では、反抗心からハイヒールもピアスも外して臨みました。ステージに上がり、自分の信じるままにポージングをしました。結果はどうあれ、自分がここまで努力してきたことに誇りを感じました。決勝の結果発表では、上位入賞はできませんでしたが、自分のベストを尽くしたことに満足しています。

大会が終わり、私は再びGジムに戻ることにしました。Nジムでの経験はとても貴重でしたが、Gジムでのトレーニングも大切だと思ったからです。Gジムでは、純粋に自分の身体を鍛えることだけに集中できる環境があります。私はまた一からトレーニングを始め、自分の身体をさらに鍛え上げることに決めました。

Gジムに戻ってからは、新たな目標を設定しました。今度は、もっと大きな大会に出場することを目指しています。これからも努力を続け、さらに成長していきたいです。Nジムで学んだこと、E藤さんやO島さんからのアドバイスを忘れずに、自分の力を信じて進んでいきます。

こうして、私のボディ・ビルの挑戦は続いていきます。これからも自分自身を鍛え、目標に向かって頑張っていきます。今までの経験を活かし、さらに高みを目指して努力を続けていくつもりです。

我が友、スミス(石田夏穂)の感想・レビュー

『我が友、スミス』は、石田夏穂さんが描くフィットネスと自己成長をテーマにした物語です。主人公が筋肉を鍛えながら、心も成長していく過程が描かれています。この物語の感想をいくつかのポイントに分けて詳しく書いてみます。

まず、主人公が通うGジムでのトレーニングの描写がとてもリアルです。スミス・マシンが一台しかなく、順番待ちで効率的にトレーニングできないという問題は、多くのジム利用者が共感できるポイントです。このような細かな設定が、物語に現実感を与えています。

次に、Nジムに移籍する過程が興味深いです。O島さんという女性からの勧誘によって、新しいジムを見学し、そこに移る決意をするまでの描写が具体的で、主人公の心の動きがよくわかります。特に、Nジムの設備や特典に魅力を感じる部分がよく伝わってきます。

Nジムでのトレーニングが始まってからは、主人公の生活が一変します。毎日ジムに通い、個人トレーニングやパーソナルトレーニングをこなす様子が詳細に描かれています。トレーニング後のストレッチやケアの方法も学び、筋肉痛を減らす工夫をしている点がリアルです。

また、ボディ・ビル大会に向けた外見の準備も興味深いです。ピアスを開けたり、日焼けマシンで肌を焼いたりと、外見を整える努力が細かく描かれています。これらの準備が、大会での評価にどれだけ影響するかがよくわかります。

一方で、無理なトレーニングによる怪我や、減量の難しさも描かれています。特に、ひじと手首を痛めてしまうシーンや、減量しすぎて注意される場面は、フィットネスの厳しさを感じさせます。

大会当日の描写もとても緊張感があります。予選でのポージングや笑顔の重要性、そして決勝に進むための努力が詳細に描かれています。ドーピングで失格になった選手が出たために、急遽決勝に進むことになった主人公の心の葛藤もリアルです。

最終的に、主人公はNジムでの経験を通じて成長し、再びGジムに戻る決意をします。純粋に自分の身体を鍛えるためのトレーニングに戻る姿勢が、物語の締めくくりとしてとても感動的です。

『我が友、スミス』は、フィットネスの世界の厳しさや美しさを描いた素晴らしい作品です。主人公の努力や成長に共感し、応援したくなる物語です。これからも、フィットネスや自己成長に興味のある人にとって、ぜひ読んでほしい一冊です。

まとめ:我が友、スミス(石田夏穂)の超あらすじとネタバレ

上記をまとめます。

  • Gジムでのトレーニングの問題点
  • スミス・マシンの不足がもたらす影響
  • O島さんからのNジムへの勧誘
  • Nジムの設備と特典の魅力
  • ボディ・ビル大会出場を目指す決意
  • Nジムでの具体的なトレーニング内容
  • 外見の準備としてのピアスや日焼け
  • トレーニング中の怪我とその対策
  • ポージングと笑顔の重要性
  • 大会当日の予選と決勝の展開