『陽気なギャングは三つ数えろ』は、伊坂幸太郎による痛快クライム小説です。
本作は、個性的な4人のキャラクターが織りなす銀行強盗から始まり、彼らが直面するさまざまな困難とその解決方法が描かれています。
この記事では、ネタバレを含む詳細なあらすじと各章の展開を解説します。銀行強盗の成功から逃走中のトラブル、週刊誌記者との対決、カジノグループとの緊張感あふれるやり取り、そして物語のクライマックスまでを追いかけます。
『陽気なギャングは三つ数えろ ネタバレ』を検索している方に向けて、本作の魅力を余すところなくお伝えします。
成瀬たちの銀行強盗の詳細と逃走中のトラブル
火尻政嗣による脅迫とその要求内容
大桑率いるカジノグループとの対決
失踪したアイドル宝島沙耶との接触と彼女の背景
最終的な計画の実行と事件の結末
陽気なギャングは三つ数えろ（伊坂幸太郎）の超あらすじとネタバレ
第1章: 事件の始まり
成瀬一行は銀行強盗に成功しましたが、逃走中に仲間の久遠が警備員から警棒を投げつけられて左手を負傷しました。4人はホッとしたのもつかの間、週刊誌記者の火尻政嗣に目をつけられてしまいました。彼はたまたまホテルで張り込んでいたのです。
その後、成瀬たち3人にも次々と不審な人物が接触してきました。響野の妻には詐欺の電話がかかってきたり、雪子には当たり屋が現れたり、成瀬には痴漢のでっち上げがありました。火尻は、4人の身元を暴露しない代わりに、自分が違法なカジノで作った借金を代わりに返済するよう要求してきました。
第2章: カジノグループとの対決
久遠は火尻の要求を果たすため、マンションを拠点にして荒稼ぎをするカジノグループのリーダー、大桑に会いに行きました。大桑は一見すると祖母の形見である稀少な亀を可愛がる心優しい若者でしたが、借りた金を踏み倒す客には厳しい態度をとります。
成瀬たちは火尻が書いた記事で人生を狂わされた多くの被害者と連絡を取りました。その中のひとりが、最近失踪騒ぎを起こして話題になったアイドル、宝島沙耶でした。宝島には、芸能界デビュー前に恩人だった牛山沙織という女性がいました。牛山は20代の若さで亡くなっていますが、彼女の秘密が火尻に暴かれたことが原因でした。
第3章: 失踪アイドルとの接触
宝島沙耶は、失踪中に都内や横浜のホテルを転々としていましたが、その間に密かに自伝を執筆していました。彼女の自伝の出版記念サイン会がホテルで開かれることになり、成瀬と久遠は行列に並びました。サインをもらう際に、彼女に手渡したのは、自分たちのメールアドレスと火尻に一泡吹かせる方法を記した手紙でした。
牛山沙織の婚約者だった男性も火尻への復讐に燃えており、自身が経営するレストランを計画のために提供してくれました。計画は着々と進行していきます。
第4章: 計画の実行
計画当日、火尻をレストランに招き、宝島と一緒にランチを楽しませる間に、久遠が大桑のカジノに忍び込みました。以前訪れた際に罠を仕掛けておいた久遠は、害虫駆除業者に変装してマンションに潜入しました。ヘルメットをかぶり、特殊なマスクで声を変えていたため、大桑とその一味に気付かれることはありませんでした。
久遠はUSBメモリーを端末ポートに差し込み、火尻の要求通りに顧客データを消去しました。目的を達成した久遠は、雪子が用意したバンに乗り込みますが、一行を呼び止めたのは黒いスーツを着て拳銃を構えた男でした。
第5章: 事件の終結とその後
車のエンジンを切って大人しく相手に従うのか、強行突破するのか。雪子が選んだのは車を急発進させ、大桑たちを誘い出して火尻と鉢合わせにする作戦でした。火尻が食べていた料理の材料は、大桑の祖母との思い出が詰まった亀でした。怒り狂う大桑に捕まった火尻は、宝島や成瀬たちに必死に命乞いをしましたが、誰も彼を助けようとはしませんでした。
事件から1ヶ月後、成瀬たちは宝島沙耶のサイン会が開かれたホテルのラウンジカフェに集まっていました。ロビーで働いているのは雪子の息子・慎一で、アルバイト先に押し掛けてきた母親に苦々しげな目線を送っています。慎一は少し前まで小学生だったのに、今やもう大学生です。響野は慎一が教習所で親しくなった女の子とメールをやり取りしていることを知り、しつこく絡んでいました。
久遠がようやく包帯が取れた左手に持っているスマートフォンには、最近宝島がハリウッド映画に出演することが決まったニュースが載っていました。サイン会に並んでいるところを職場の同僚に見られてしまった成瀬は、真面目にスポーツ新聞を読んで宝島に関する情報を集めています。
火尻に食べられたと思われていた亀は密かにすり替えられていて、今では久遠の自宅の水槽で元気に泳いでいました。
陽気なギャングは三つ数えろ（伊坂幸太郎）の感想・レビュー
『陽気なギャングは三つ数えろ』は、伊坂幸太郎さんの作品で、とてもスリリングで面白い物語です。銀行強盗に成功した成瀬一行が逃走中に巻き込まれる数々の事件は、読んでいてハラハラドキドキします。特に、週刊誌記者の火尻政嗣が登場してからの展開がとても興味深いです。
火尻は成瀬たちの身元を暴露すると脅してきますが、その要求内容が、彼の借金を肩代わりするというもので、ここから物語はさらに複雑になります。火尻が違法なカジノで作った借金を返すために、成瀬たちはカジノグループのリーダー、大桑と対峙します。
大桑は、一見すると優しい若者ですが、実は冷酷な一面も持っていて、そのギャップがとても印象的です。彼の稀少な亀への愛情と、借金を踏み倒す客に対する態度の違いが興味深いです。
物語の中盤では、失踪したアイドルの宝島沙耶が登場します。彼女の過去や、恩人だった牛山沙織との関係が明らかになる場面は、とても感動的です。火尻によって人生を狂わされた被害者たちのエピソードも胸を打ちます。
計画の実行シーンでは、久遠がカジノに忍び込むところがスリリングで、読者を引き込みます。彼が変装してカジノに侵入し、USBメモリーでデータを消去するところは、手に汗握る展開です。
物語のクライマックスでは、黒いスーツを着た男に一行が襲われますが、雪子の勇気ある決断で、状況を切り抜けます。このシーンはとても緊迫していて、最後まで目が離せません。
事件の終結後、成瀬たちがホテルのラウンジカフェに集まる場面では、それぞれのキャラクターの成長や変化が描かれていて、心温まるエンディングです。特に、久遠の元気な亀を見るシーンは、物語の最後にふさわしい穏やかな締めくくりでした。
全体的に、『陽気なギャングは三つ数えろ』は、個性的なキャラクターたちと緻密なプロットが魅力の作品です。伊坂幸太郎さんの巧みなストーリーテリングによって、最後まで飽きることなく楽しめました。
まとめ：陽気なギャングは三つ数えろ（伊坂幸太郎）の超あらすじとネタバレ
上記をまとめます。
- 銀行強盗に成功するも、逃走中に久遠が負傷する
- 週刊誌記者の火尻政嗣に目をつけられる
- 火尻が4人の身元暴露をネタに脅迫する
- 火尻の借金返済を要求される
- カジノグループのリーダー大桑との対決が始まる
- 宝島沙耶との接触と協力を得る
- 牛山沙織の婚約者が計画に協力する
- 久遠がカジノに忍び込み顧客データを消去する
- 黒いスーツの男に一行が襲われる
- 最終的に火尻が大桑に捕まり命乞いをする
