バイバイ、ブラックバード(伊坂幸太郎)の超あらすじとネタバレ

「バイバイ、ブラックバード」は伊坂幸太郎の作品で、別れをテーマにした物語です。

本記事では「バイバイ、ブラックバード」のあらすじとネタバレを紹介します。主人公の星野一彦は、複数の女性と別れを告げる旅に出ます。各章で描かれる異なる女性たちとの関わりと、彼が背負う運命とは一体何なのでしょうか?本作は感動的なエピソードや予想外の展開が盛りだくさんです。

「バイバイ、ブラックバード ネタバレ」を検索している方に向けて、作品の魅力を余すところなくお伝えします。

この記事のポイント
  • 「バイバイ、ブラックバード」の基本的なあらすじと主要なストーリーライン
  • 主人公星野一彦と5人の女性たちとの関係とその別れのエピソード
  • 各章ごとの詳細なストーリー展開
  • 星野一彦の行動の背景とその理由
  • 最後の賭けとその結末

バイバイ、ブラックバード(伊坂幸太郎)の超あらすじとネタバレ

第1章: 別れの始まり

廣瀬あかりが星野一彦から別れを告げられたのは、12月の夕方でした。場所はあかりのマンションで、星野は繭美という女性を連れてきました。繭美は身長190センチで、体重は100キロ以上ありました。髪の毛はブロンドで、黒いスーツを着ていました。

繭美はあかりと星野に向かって賭けを提案しました。「星野さんが近所のラーメン屋でジャンボラーメンの大食いに挑戦します。成功したら、私は二人の前から消えます。でも、失敗したら星野さんを連れて行きます」という内容でした。

星野は挑戦に挑みました。あと一歩で食べきれるところだったのですが、隣のテーブルで大食いに挑戦していた見知らぬ男性を助けるために、自分の挑戦を中断してしまいました。その結果、星野は挑戦に失敗しました。

あかりは星野の優しさと不思議な行動を再確認し、別れることを受け入れました。

第2章: クリスマスの贈り物

星野とあかりが向かった次の場所は、シングルマザーの霜月りさ子のマンションでした。りさ子は大手銀行に勤めながら、小学1年生の息子、海斗を一人で育てていました。星野はりさ子へのクリスマスプレゼントをサンタクロースの格好をした繭美に託しました。

3人目の女性、如月ユミの家に向かうことにしました。如月ユミはこれまでのふたりとは違い、別れ話をあっさりと受け入れました。「今はそれどころじゃない」という彼女の正体は、実は女泥棒だったのです。星野は黒いつなぎを着て、ぐるぐる巻きのロープを担いで夜の街へ消えていくユミの後ろ姿を見送りました。

第3章: 病院の中で

4人目の女性、神田那美子は乳ガンの疑いがありました。精密検査の結果が分かるのは2日後でした。どうしても検査結果が気になる星野は、年恰好が同じくらいの女性を替え玉にして病院に送り込みましたが、彼女の元カレが那美子の担当医だったために作戦は失敗しました。

諦めきれない星野は自ら病院に侵入し、待合室にいる那美子の様子を見に行きました。子供の頃から算数が好きだった那美子は、物事を数字で考える癖がありました。那美子の順番待ちの整理券の番号は「115」でした。「カズヒコ(一彦)」とも読めなくもない数字です。

にこやかな表情で番号札を見ている那美子を見て安心した星野は、次の彼女に会いに行くことにしました。

第4章: 女優の夢

有須睦子が女優になったのは、小学生時代に近所に住んでいた幼稚園児に薦められたのがきっかけでした。その幼稚園児は「大きくなったらパンになりたい」と言っていたのです。現在、女優として忙しい睦子は、その男の子の顔を思い出せなくなってしまいました。

スケジュールが多忙な睦子が星野と会えるのは数ヶ月に1回程度です。那美子を後回しにしていたのも、撮影中で忙しかったからです。撮影現場にまで押しかけた星野と繭美の前で、睦子のマネージャーは「バイ・バイ・ブラックバード」を口ずさみました。マネージャーによると、ブラックバードは不吉や不運を意味していて、別れは幸せの予感とのことでした。

睦子が出演する映画の監督に気に入られた繭美は、エキストラとして映画に出演することになりました。繭美の夢が映画に出ることだと知った星野は、自分の少年時代の夢を語りました。星野は子供の頃、パンになりたかったと話しました。それを聞いた睦子は涙を流してしまいました。

第5章: 最後の賭け

星野が繭美に付き添われるようになってから2ヶ月が経ちました。そして、いよいよ「あのバス」に乗る日がやってきました。これまで別れてきた5人の女性たちを利用すれば、バスに乗らずに済むかもしれませんが、星野は迷惑をかけたくないため、彼女たちに助けを求めませんでした。

繭美は星野が女性たちと別れる度に、持ち歩いている辞書から単語を塗り潰していました。星野はバスに乗る直前に繭美と賭けをしました。「もしも辞書に『人助け』や『助ける』という単語が残っていたら、バスを追いかけて僕を助けてくれ」と言いました。

遠ざかるバスを見送りながら、繭美は辞書を開きましたが、「助っ人」も「救う」も見当たりませんでした。繭美はたまたま通りかかった大学生を呼び止めて、彼が乗っているバイクを借りました。「もし10回ペダルを蹴ってエンジンがかからなかったら星野を見捨てる、かかった時にはバイクでバスを追いかける」と決めました。

繭美は車道の先を見つめながら、バイクに跨がり、右足でペダルを蹴り続けました。

バイバイ、ブラックバード(伊坂幸太郎)の感想・レビュー

「バイバイ、ブラックバード」を読んで、伊坂幸太郎さんの作品の魅力を再確認しました。この作品では、主人公の星野一彦が複数の女性と別れを告げる旅を通じて、さまざまな感情や人間関係が描かれています。

まず、第1章では廣瀬あかりとの別れが描かれています。星野は繭美という女性を連れて現れ、彼女とのジャンボラーメンの大食い賭けに挑みます。星野が他人を助けるために自分の挑戦を中断するシーンでは、彼の優しさと自己犠牲の精神が強く伝わってきました。

第2章では、シングルマザーの霜月りさ子とその息子海斗へのクリスマスプレゼントのエピソードが心温まります。サンタクロースの格好をした繭美がプレゼントを届けるシーンは、星野の人々への思いやりが感じられました。

如月ユミとの別れを描いた第3章では、ユミが実は女泥棒であることが明かされます。彼女の正体に驚きましたが、それでも星野が冷静に対処する姿に感銘を受けました。

第4章では、神田那美子の病院でのエピソードが描かれています。那美子の病気への不安や星野の尽力する姿がリアルに描かれており、感情移入せずにはいられませんでした。彼女の順番待ちの整理券の番号が「115」で、「カズヒコ」と読めることに気づくシーンは、細部にわたる伊坂さんの緻密な描写が光っています。

最後に、第5章では有須睦子とのエピソードが描かれます。女優として忙しい睦子との関係や、星野が子供の頃にパンになりたかったという夢の話が感動的でした。繭美が映画に出演することになり、彼女の夢が叶うシーンも心に残ります。

全体を通じて、星野一彦の人間らしさや思いやり、そして繭美との特別な関係が丁寧に描かれています。彼の行動には常に他人への配慮があり、その姿勢に心を打たれました。伊坂幸太郎さんの作品は、やはり多くの読者に感動を与えるものだと感じました。

まとめ:バイバイ、ブラックバード(伊坂幸太郎)の超あらすじとネタバレ

上記をまとめます。

  • 星野一彦が複数の女性と別れる旅に出る話である
  • 別れを切り出したのは12月の夕方である
  • 星野は繭美という女性を連れている
  • 繭美は星野にジャンボラーメンの大食い賭けを提案する
  • 星野はラーメンの挑戦に失敗し、あかりと別れる
  • 星野は霜月りさ子にクリスマスプレゼントを届ける
  • 如月ユミはあっさり別れを受け入れるが女泥棒である
  • 神田那美子の病院でのエピソードがある
  • 有須睦子の夢と少年時代の話が描かれる
  • 星野は最後の賭けに挑むが繭美が助けることを決意する