怪人二十面相(江戸川乱歩)の超あらすじとネタバレ

江戸川乱歩の代表作『怪人二十面相』は、スリリングな展開と魅力的なキャラクターで知られています。本記事では、この名作の超あらすじとネタバレを詳細に紹介します。

物語の主要なプロット、重要なキャラクターの行動、そして二十面相の巧妙な犯罪計画をわかりやすく解説します。物語の始まりから終わりまでの詳細な展開や、読者を引き込むサスペンスあふれるシーンを楽しんでいただける内容となっています。

明智小五郎や小林少年たちの勇敢な活躍を通じて、物語の魅力を存分に味わってください。

この記事のポイント
  • 物語の主要なプロットと展開
  • 各章の詳細な内容と重要な出来事
  • 主要キャラクターの役割と行動
  • 二十面相の犯罪計画とそれに対抗する探偵の策略
  • 最終的な結末とキャラクターの運命

怪人二十面相(江戸川乱歩)の超あらすじとネタバレ

第1章: 六個のダイヤモンド

麻布にある大きな邸宅に住んでいる羽柴壮太郎さんのもとに、二つの知らせが届きました。一つは、十年以上前に家出してしまった長男・壮一さんからの「帰る」という手紙です。もう一つは、ロマノフ王家由来の六個の大きなダイヤモンドを譲り受けるという怪人二十面相からの予告状です。

壮太郎さんはこの予告状を受け取った後、邸宅の警備を厳重にしました。しかし、小学生の次男・壮二君は、二十面相がダイヤモンドを奪い去るという悪夢を見てしまい、その夢が現実になるかもしれないと思い、夢の中で二十面相が逃げた先に勝手に罠を仕掛けてしまいました。

その日の午後、壮一さんが帰ってきました。壮太郎さんは壮一さんと一緒に書斎でダイヤモンドが入った箱を見張っていました。予告された時間になっても二十面相は現れませんでした。しかし、箱を確認してみると、すでにダイヤモンドはなくなっていました。さらに、壮一さんが突然笑い出し、「自分は壮一ではなく、二十面相だ」と正体を明かしました。そして、ダイヤモンドとともに書斎前の廊下の窓から逃げていきました。

ところが、二十面相はその先に仕掛けられた壮二君の罠に引っかかってしまいました。罠を外すのに時間がかかり、警備員たちに囲まれそうになりました。しかし、二十面相は弾丸のように警備員たちの間を駆け抜け、姿を消してしまいました。

その翌日の昼、壮二君が行方不明になっていることがわかりました。二十面相からの封書には、「壮二君を返してほしければ、罠で負った傷の賠償として観世音像を要求する」と書かれていました。

第2章: 小林少年

羽柴壮太郎さんは家族と話し合った結果、警察に相談するのではなく、私立探偵の明智小五郎さんに助けを求めることに決めました。しかし、明智さん本人は外国へ出張中でした。代わりに明智さんの助手である少年、小林芳雄君がやって来ました。

壮太郎さんは小林君に事件の詳細を話しました。すると、小林君はしばらく考えた後、「ある手段を考えついた」と言いました。その日の夜、約束の時間になると、二十面相の部下たちがやって来ました。彼らは仏像の入ったガラス箱をトラックに積み込みました。その後、壮太郎さんたちは門の前で無事な壮二君を見つけました。

一方、戸山ヶ原という場所では、杉林の中にある古い洋館で二十面相が仏像と対面していました。しかし、その仏像は実は小林君が変装したものでした。小林君は、何も知らずに近づいてきた二十面相をピストルで脅して、ダイヤモンドを見事に取り返しました。

しかし、二十面相はすきを見て小林君を落とし穴に落とし、扉のない部屋に閉じ込めてしまいました。それでも、小林君は冷静に探偵の七つ道具の一つである伝書鳩を使い、小さな格子窓から放って助けを求めました。

その後、しばらくして中村係長率いる警官隊が駆けつけ、小林君は無事に救出されました。しかし、二十面相自身は警察官に変装し、雇っていたコックを身代わりにして逃げ出してしまいました。

こうして、小林君の勇敢な行動によってダイヤモンドは取り戻されましたが、二十面相は再び姿を消してしまったのです。

第3章: 名探偵明智小五郎

伊豆半島の村はずれの森にある「日下部のお城」と呼ばれる建物に住んでいる日下部左門さんの元に、その夜、秘蔵の名画をいただくという二十面相からの予告状が届きました。左門さんはどうすればいいか悩みましたが、ちょうど近くの温泉旅館に滞在していた名探偵・明智小五郎さんに助けを求めることにしました。

しばらくして、明智さんは三人の刑事とともに「日下部のお城」に訪れました。刑事たちは名画室に入り、明智さん自身は左門さんとともにその部屋の板戸の前に座り込みました。しかし、明智さんと左門さんはすっかり眠ってしまい、目覚めた次の日の朝には、すでに名画は一つ残らずなくなっていました。

実は、左門さんが依頼した明智さんは二十面相の変装であり、三人の刑事もその部下だったのです。左門さんはこの事実を知らされて怒り狂いましたが、二十面相たちは彼を縛りつけてそのまま去っていきました。

それから半月ほど経ったある日の午後、東京駅には、帰国する明智さんを出迎えるために小林少年と外務省の辻野さんが来ていました。二人が朝刊にあった国立博物館への二十面相の犯行予告について話していると、明智さんの乗った列車が到着しました。明智さんは降りるなり辻野さんに誘われて鉄道ホテルへ向かいましたが、実はその辻野さんは二十面相の変装だと明智さんは見抜いていました。

部屋に入るとすぐに、明智さんは辻野さんが二十面相であることを指摘しました。そして、「博物館の所蔵品を盗ませはしないが、今は捕まえもしない」と告げました。明智さんは二十面相を脅しつつも、その場では逃がしました。外に出ていた二十面相を追いかけて見逃すことで、彼の動きを見張ることにしたのです。

一方、それを見ていた今西刑事はなぜ二十面相を逃がしたのかと明智さんを問いただしました。明智さんは、二十面相が乗り込んだ自動車のナンバーを覚えており、その自動車がすぐに発見されるだろうと説明しました。しかし、車内にいたのは二十面相が変装のもとにした松下庄兵衛さん本人であり、またも二十面相は姿をくらましてしまいました。

こうして、二十面相との戦いは続くことになったのです。

第4章: 少年探偵団

明智小五郎さんは港区に住んでいて、妻の文代さんや助手の小林少年たちと一緒に暮らしていました。明智さんは、ホテルで二十面相と対決してから、家の外に二十面相の部下が見張っていることを知りました。そこで、小林少年に「二十面相の隠れ家を見つけるための考えがある」と言いました。

次の日の夕方、明智家の前に座り込んだ物乞いが、一人の男と明智さんがもめている様子を見ていました。その男の名前は赤井寅三といいました。物乞いは、赤井さんに自分が二十面相の部下だと正体を明かし、「仲間にならないか」と誘いました。赤井さんはその誘いを受け、その夜には青山墓地へ行きました。そして、他の二十面相の部下たちと一緒に、騙されて来た明智さんを誘拐しました。その後、赤井さんは二十面相の隠れ家に招かれ、二十面相からも認められるようになりました。

次の日の朝、小林少年はあの羽柴家の次男、壮二君に誘われました。壮二君は自分が作った「少年探偵団」と一緒に明智さんを探すことにしました。少年探偵団は、壮二君をリーダーとして、明智さんを助けるために全力で動きました。

しかし、何も手がかりがつかめないまま、とうとう二十面相が予告した日になってしまいました。国立博物館には警官隊が集まり、警視総監と刑事部長も訪れました。総監と刑事部長は、館長の北小路博士とともに館長室で二十面相が現れるのを待っていました。

その時、突然あの明智さんが現れました。明智さんは、「もうすでにすべて盗み出されてしまった」と言いました。そして、陳列室に並ぶ所蔵品がすべて偽物であることを示しました。実は、明智さんは赤井寅三に変装して二十面相の仲間になり、二十面相の部下たちに身代わりを誘拐させ、その隠れ家に潜入していたのです。そこで、今回の犯行方法を知ることができたのです。

さらに、明智さんは「この館長こそが二十面相の変装だ」と言い、その手をねじあげました。しかし、二十面相は警察に引き渡された後、またも隙をついて逃げ出そうとしました。その時、小林少年たち「少年探偵団」が現れ、一斉に飛び出して二十面相を捕まえました。

少年探偵団は、皆両手を挙げて喜びました。こうして、二十面相はついに捕まり、明智さんや少年探偵団のおかげで事件は解決に向かっていきました。

第5章: 二十面相の最期

明智小五郎さんは、二十面相を捕まえるための最後の計画を立てました。国立博物館での一件の後、二十面相は警察に捕まりましたが、すぐに逃げ出しました。明智さんは、この逃亡を予期しており、二十面相の動きを見張っていました。

二十面相は、再び姿を消してしまったものの、明智さんは彼の次の動きを読んでいました。二十面相は、明智さんの動きを逆手に取り、再度挑戦する計画を立てていました。しかし、明智さんはすでにその計画を見抜いていました。

二十面相は、新たな隠れ家を見つけ、その場所で次の犯行を計画していました。しかし、小林少年と少年探偵団は、この隠れ家の場所を突き止めるために奔走しました。壮二君のリーダーシップのもと、少年探偵団は隠れ家の周囲を徹底的に調査しました。

ついに、二十面相の隠れ家が見つかりました。明智さんは、警察と少年探偵団と協力して、二十面相を捕まえるための大規模な作戦を展開しました。隠れ家に突入する前に、明智さんは計画を練りに練り、全員が万全の準備を整えました。

作戦決行の日、明智さんと警察、少年探偵団は二十面相の隠れ家を包囲しました。二十面相は、再び逃げようとしましたが、今回は逃げ場がありませんでした。明智さんは二十面相を追い詰め、彼の逃亡を阻止しました。

二十面相は最後の抵抗を試みましたが、明智さんと少年探偵団の協力によって、ついに捕まりました。二十面相は逮捕され、これ以上の逃亡は不可能となりました。

少年探偵団は、再び成功を収め、全員が大喜びしました。壮二君は、「僕たちの努力が実を結んだんだ!」と言って、仲間たちと喜びを分かち合いました。

こうして、二十面相は最終的に捕まり、明智小五郎さんと少年探偵団の努力によって、平和が戻りました。明智さんは、「これからも皆で協力して、悪を追い詰めよう」と言い、少年探偵団の未来に期待を寄せました。

これで、二十面相との戦いは終わりを迎え、明智さんと少年探偵団は新たな冒険に向けて歩み始めました。

怪人二十面相(江戸川乱歩)の感想・レビュー

江戸川乱歩の『怪人二十面相』は、読者を引き込む魅力的な物語です。物語の展開は非常にスリリングで、次々と起こる事件に目が離せません。まず、六個のダイヤモンドを巡る謎から始まるストーリーは、読者の興味を引きつけます。羽柴壮太郎さんの家族が巻き込まれる緊迫した状況は、まるで自分もその場にいるかのような臨場感を味わえます。

登場人物たちも非常に魅力的です。特に、明智小五郎さんと小林少年のコンビは、名探偵と勇敢な助手という組み合わせが素晴らしいです。小林少年の機転と勇気には驚かされます。彼が変装して二十面相に立ち向かう場面は、手に汗握る展開でした。また、少年探偵団の結成と活躍も、読者に勇気と希望を与えてくれます。

二十面相というキャラクターも非常に興味深いです。彼の変装術や巧妙な犯罪計画は、読者を驚かせます。彼が常に一歩先を行く存在でありながらも、最後には必ず明智小五郎さんに追い詰められるという展開は、読んでいて爽快感があります。

物語の結末も満足のいくものでした。二十面相が最終的に捕まるシーンは、少年探偵団の活躍が光ります。彼らの努力が実を結び、正義が勝つというメッセージは、読者に安心感を与えます。また、物語全体を通して、友情や信頼の大切さが描かれており、心温まる要素も多く含まれています。

全体として、『怪人二十面相』はスリルとサスペンスに満ちた物語であり、読者を飽きさせません。江戸川乱歩の巧みなストーリーテリングと魅力的なキャラクターたちが織りなすこの作品は、ぜひ一度読んでみる価値があります。中学生でも理解しやすい表現で書かれており、読書初心者にもおすすめです。

まとめ:怪人二十面相(江戸川乱歩)の超あらすじとネタバレ

上記をまとめます。

  • 羽柴壮太郎の家に二十面相からダイヤモンド奪取の予告が届く
  • 長男壮一が実は二十面相であり、ダイヤモンドを奪う
  • 次男壮二の罠に二十面相が引っかかり逃げるも姿を消す
  • 壮二が誘拐され、二十面相から仏像と引き換えの要求が来る
  • 明智小五郎の助手、小林少年が事件解決に乗り出す
  • 小林少年が変装して二十面相からダイヤモンドを取り返す
  • 二十面相が再度逃亡し、警察官に変装して逃げる
  • 日下部左門の名画を狙う二十面相が再び登場する
  • 明智小五郎が二十面相を追い詰め、偽物の博物館館長を暴く
  • 少年探偵団が二十面相を捕まえ、事件は解決する