『チュベローズで待ってる AGE32』は、ゲームクリエーター光太が中心となり、ゲーム会社AIDAでの成功と、新宿で起こる女子高生失踪事件を軸に物語が展開します。
光太は妹の芽々が失踪したことで、大阪や新宿を飛び回りながら、過去の事件や美津子の死の真相に迫ります。登場人物たちの複雑な人間関係や、裏切りと復讐が絡み合う中で、光太が最後に知る驚愕の事実とは?
本作の詳細なあらすじをネタバレ込みで紹介します。
- 光太がゲーム会社で成功していること
- 新宿で女子高生失踪事件が起こること
- 光太が妹の失踪を追うこと
- 美津子の死の真相が物語の中心になること
- 裏切りと復讐が絡むストーリーが展開されること
「チュベローズで待ってる AGE32」の超あらすじ(ネタバレあり)
光太は、ゲーム会社「AIDA(アイダ)」で働くゲームクリエーターです。彼が作った3Dゲーム「ゴーストタウン」はゲームセンターで大ヒットし、光太は注目される存在となっています。ある日、この「ゴーストタウン」のスマートフォン版を開発するために、光太はAIDAの子会社である「DDL(ディーディーエル)」に出向することが決まりました。
出向先での新しい仕事が始まったばかりのころ、光太はかつて働いていたホストクラブ「チュベローズ」のオーナーである水谷が亡くなったという知らせを受けます。水谷は、光太がホストとして働いていた時期に大変お世話になった人物でした。光太は急いでお通夜に参加し、水谷の最後の別れを見届けることにしました。
お通夜の会場で、光太は水谷の養子となった亜夢(あむ)に会います。亜夢は現在、ライターとして活動しており、かつて光太をホストにスカウトした雫(しずく)も参列していました。雫は「チュベローズ」の大阪店を切り盛りしており、東京店を任されているのはユースケという人物です。ユースケは、かつて光太と関わりのあった斉藤美津子の甥です。
お通夜からしばらく経ったある日、「ゴーストタウン」をプレイしていた大阪の中学生に体調不良が出たというクレームが、NPO法人「フレンズ」からAIDAに届きました。光太はこの問題を解決するため、大阪へ飛び、雫に調査を依頼します。雫の調べによると、「フレンズ」は暴力団とのつながりがある救済施設の団体であり、中学生の体調不良は仮病である可能性が高いことがわかりました。
そんな中、光太の実家で働いている外国人家政婦から連絡が入りました。光太の妹、芽々(めめ)が突然失踪したというのです。現在、新宿では女子高生が次々と失踪する事件が発生しており、光太は妹がその被害に遭ったのではないかと心配し、すぐに東京に戻ることにしました。警察に相談しても妹の行方はわからず、途方に暮れる光太のもとにユースケが現れ、協力を申し出ます。ユースケは「うまくいったら、亡くなった叔母の美津子のことを教えてほしい」と条件をつけてきました。
光太とユースケが協力して調査を進めた結果、新宿で起きていた女子高生の連続失踪事件は解決しました。事件の真相は、ある老夫婦が家庭に問題を抱えた女子高生たちを保護し、共同生活を送っていたというものでした。しかし、保護された女子高生たちの中に、光太の妹である芽々はいませんでした。
一方、「ゴーストタウン」に対する抗議の背後には、大手遊技メーカー「ラスコース」が関与しているのではないかと光太は疑いました。確証はないものの、光太は上司の八千草(やちぐさ)とともに「ラスコース」に乗り込みます。そこで、かつてDDLの圧迫面接で大恥をかかされた女性が、現在「ラスコース」で働いており、彼女が復讐心からこの抗議活動を仕組んだことが判明しました。
こうして、「ゴーストタウン」をめぐる問題も解決し、残るは妹芽々の行方です。そんな中、ユースケが新たな情報を持ってきました。芽々は、新宿のクラブで働いているというのです。光太はユースケとともにそのクラブに行き、芽々が「めぐみ」という源氏名で働いていることを確認しました。芽々は、自立することで家を出ていった兄の光太を見返してやろうと考えていたのです。
芽々が未成年であることが店に発覚し、店はすぐに芽々を解雇しました。こうして光太は、無事に妹を家に連れて帰ることができました。芽々を見つけた見返りとして、光太はユースケに斉藤美津子について知っていることをすべて話します。しかし、ユースケは納得しません。彼は「姉の美津子が会社のお金を使い込んで自殺するような人間ではない」と信じているからです。
ユースケの疑念を晴らすため、光太は上司の八千草を誘い出し、斉藤美津子の死の真相を探ることにしました。八千草は、美津子がかつてキレ者で完璧主義者だったことを語ります。あるとき、美津子はコネ入社した男性を部下に持つことになりましたが、その男性に対してパワハラを行ったとして、経理部へ左遷されたというのです。
しかし、光太は八千草が「そのパワハラの被害者については知らない方が良い」と言うのに納得できませんでした。光太は独自に調査を進め、パワハラの被害者がAIDAの営業部に所属する加賀宮明(かがみやあきら)であることを突き止めます。光太は加賀宮に接触し、斉藤美津子がパワハラをしている証拠の動画を見せてもらいます。しかし、その動画は不自然であり、作り物のように感じられました。
光太はユースケの助けを借り、加賀宮のマンションに侵入し、彼を問い詰めて真実を白状させます。加賀宮は八千草にそそのかされて、美津子を陥れるために偽装したのだと認めました。実は、当時AIDAでは役員のポジションが一つ空いており、美津子と八千草の二人がその候補に上がっていました。八千草は美津子を罠にかけ、役員の椅子を狙ったのです。
数日後、光太はユースケが働いている店に八千草を連れて行きました。光太は八千草に、美津子に対するパワハラの偽装工作について問いただし、八千草はそれを認めます。彼は複雑な感情が絡んでいたために美津子を罠にはめたと説明しました。光太は、この話を聞きながら、八千草に対して亡くなった父のような感情を抱いている自分に気づきます。
しかし、ユースケは激しく怒り、八千草を殴り倒してしまいます。八千草は兄に助けを求めるため、光太が彼のワイヤレスイヤホンに耳を近づけると、「会おう」という男の声が聞こえてきました。
その男と光太は、光太のマンションの前にある公園で会うことになりました。その男は、八千草の兄であり、肉体的な問題を抱えていたために、ずっと影の世界で生きてきた人物でした。一方で、弟の八千草は精神的な問題を抱えており、兄は弟に指示を出し続けていました。
兄はかつてゲームに強く、下木(しもき)という男からスカウトされてAIDAに入社し、兄弟一組で一人の人間としてゲームを開発し、出世していったのです。しかし、美津子は、八千草の策略で左遷された恨みから、光太に近づき、彼を操り人形として利用しようとしたと兄は説明しました。実際に、光太が開発したゲームのアイデアは、美津子が生前に話していたものでした。
光太が兄から話を聞いていると、突然ユースケが現れ、兄を刺し殺し、車で逃走しました。しかしその直後、ユースケは別の車と衝突し、重傷を負いました。後日、光太がユースケの見舞いに行くと、ユースケの母親が現れ、斉藤美津子が残したUSBメモリを渡してくれました。メモリの中には、美津子から光太に宛てた愛のメッセージが収録されていたのです。
「チュベローズで待ってる AGE32」の感想・レビュー
『チュベローズで待ってる AGE32』は、ゲームクリエーターとして成功を収めた光太が、妹の失踪をきっかけに複雑な事件に巻き込まれていく物語です。物語の中で、光太はかつての職場や友人たちとの再会を通じて、過去の出来事と向き合うことになります。特に、光太が作ったゲーム「ゴーストタウン」に関連するトラブルや、かつての同僚である斉藤美津子の死の真相を探る過程は、非常に緊張感があります。
物語の舞台となる新宿では、女子高生の連続失踪事件が発生し、光太は妹の芽々を探すために奔走します。この部分では、都市の闇や人々の複雑な感情がリアルに描かれており、読んでいて引き込まれました。芽々の失踪が物語の大きなきっかけとなり、その後の展開においても重要な要素となっています。
また、ユースケという人物が登場し、彼の過去や美津子との関係が次第に明らかになっていくのも興味深いです。ユースケの感情や行動が物語に大きな影響を与え、最後まで目が離せない展開が続きます。光太がユースケと協力しながらも、時には対立し、真実に迫っていく姿には緊迫感があります。
美津子の死の真相が明かされるシーンでは、過去の出来事が次々と紐解かれ、光太が知らなかった真実に驚かされます。美津子がどのような人物であり、なぜそのような結末を迎えたのかが詳しく描かれており、読後に考えさせられるものがありました。
全体として、物語はテンポよく進み、次々と明らかになる真実に読者は引き込まれていきます。光太が直面する試練や、彼を取り巻く登場人物たちの思いが交錯する中で、彼自身も成長していく様子がしっかりと描かれている点が魅力的です。『チュベローズで待ってる AGE32』は、人間関係の複雑さや過去の清算がテーマとなった、深みのある物語だと感じました。
まとめ:「チュベローズで待ってる AGE32」の超あらすじ(ネタバレあり)
上記をまとめます。
- 光太がゲームクリエーターとして成功している
- AIDAというゲーム会社で光太が働いている
- 光太の作ったゲーム「ゴーストタウン」が人気である
- 新宿で女子高生の連続失踪事件が発生する
- 光太の妹・芽々が失踪する
- 光太が妹を探して大阪と新宿を行き来する
- ユースケという人物が重要な役割を果たす
- 美津子の死の真相が物語の鍵となる
- 光太が過去の事件と向き合う
- 裏切りや復讐が物語のテーマである