
広島県で長い歴史と実績を持つ広陵高校に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。高校選びでよく耳にするのが「偏差値」という言葉です。この偏差値は、自分の学力がどのくらいの位置にあるのか、そして目指す高校がどのくらいのレベルなのかを知るための大切な地図のようなものです。
この記事では、最新の広陵高校の偏差値について、コースごとの詳しい情報から、広島県内での立ち位置、さらには合格するために何が必要かまで、一つひとつ丁寧に解説していきます。広陵高校の偏差値が気になるあなたにとって、この記事が最高のガイドになるはずです。
広陵高校の偏差値の数字だけを見るのではなく、その数字が持つ意味や、学校の本当の魅力まで、一緒に深く探っていきましょう。
広陵高校の偏差値はどれくらい?コース別のレベルと広島県内での立ち位置
広陵高校について知るための第一歩は、やはり偏差値です。偏差値は、高校の学力レベルを客観的に知るための目安となります。しかし、広陵高校には複数のコースがあり、それぞれで目指す目標や偏差値が異なります。ここでは、コースごとの偏差値と、それが広島県全体でどのような位置づけになるのかを詳しく見ていきましょう。
広陵高校の学科・コース別偏差値一覧
広陵高校には、主に2つのコースが設置されており、それぞれに偏差値の目安があります。
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普通科 特別進学コース
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普通科 総合進学コース
ウェブサイトや塾によって発表される偏差値の数字に少し幅があることに気づくかもしれません。これは、模擬試験を実施する会社や塾によって、試験を受ける人の集団が異なるために起こる自然なことです。ですから、一つの数字に一喜一憂するのではなく、「だいたいこのくらいの範囲なんだな」と捉えるのが良いでしょう。
特別進学コースは国公立大学や難関私立大学への進学を目指すコースで、偏差値は55から63あたりが目安です。一方、総合進学コースは、私立大学や専門学校など、より幅広い進路に対応するコースで、偏差値は46から49あたりが目安とされています。
下の表で、各コースの偏差値の目安と2025年度の募集定員をまとめてみました。コースごとの違いが一目でわかるはずです。
学科・コース名 | 偏差値の目安 | 主な目標 | 2025年度募集定員 |
普通科 特別進学コース | 55~63 | 国公立大学・難関私立大学への進学 |
約70名 |
普通科 総合進学コース | 46~49 | 四年制大学、短期大学、専門学校など多様な進路実現 |
約430名 |
このように、広陵高校は一つの学校の中に、異なる学力レベルと目標を持つ二つのコースがあるのが大きな特徴です。
広島県内の公立・私立高校と偏差値を比較
広陵高校の偏差値が、広島県全体の中でどのくらいの位置にあるのかを知ることも大切です。他の高校と比べることで、目指すべき目標がより具体的になります。
まず、広島県内の主な公立高校と比較してみましょう。
学校名 | 学科・コース名 | 偏差値 |
広島市立基町高等学校 | 普通科 | 71 |
広島県立広島高等学校 | 普通科 | 69 |
広島市立舟入高等学校 | 普通科 | 67 |
広島国泰寺高等学校 | 普通科 | 64 |
安古市高等学校 | 普通科 | 64 |
広高等学校 | 普通科 | 63 |
海田高等学校 | 普通科 | 62 |
広島皆実高等学校 | 普通科 | 61 |
広島井口高等学校 | 普通科 | 60 |
祇園北高等学校 | 普通科 | 59 |
広島市立沼田高等学校 | 普通科 | 57 |
三原高等学校 | 普通科 | 56 |
高陽高等学校 | 普通科 | 55 |
安芸南高等学校 | 普通科 | 54 |
可部高等学校 | 普通科 | 47 |
安西高等学校 | 普通科 | 43 |
次に、私立・国立高校との比較です。広陵高校と同じように、コースによって偏差値が大きく異なる学校も多いことがわかります。
学校名 | 学科・コース名 | 偏差値 |
広島大学附属高等学校 | 普通科 | 76 |
修道高等学校 | 普通科 | 71 |
AICJ高等学校 | 普通科早慶/国立大コース | 70 |
崇徳高等学校 | 普通科特別進学コース | 65 |
広島城北高等学校 | 普通科 | 63 |
広島国際学院高等学校 | 普通科難関コース | 61 |
広陵高等学校 | 普通科特別進学コース | 55~63 |
広島修道大学ひろしま協創高等学校 | 普通科特別進学コース | 57 |
広島工業大学高等学校 | 普通科特別進学類型 | 56 |
崇徳高等学校 | 普通科進学コース | 55 |
広島国際学院高等学校 | 普通科特進コース | 58 |
広陵高等学校 | 普通科総合進学コース | 46~49 |
広島工業大学高等学校 | 普通科総合進学類型 | 49 |
瀬戸内高等学校 | 普通科特別進学コース | 52 |
これらの表から、広陵高校の特別進学コースは県内の中堅上位の公立・私立高校と肩を並べるレベルであり、総合進学コースは多くの人が挑戦しやすいレベルに位置していることがわかります。
偏差値だけじゃない!内申点(調査書点)の重要性
高校入試では、偏差値で示される学力試験の点数だけでなく、「内申点(調査書点)」も非常に重要です。内申点とは、中学校での成績や学校生活の様子を点数化したもので、合否判定の重要な資料となります。
広島県の公立高校入試で使われる内申点の計算方法は、私立高校である広陵高校の入試を考える上でも、とても参考になります。その計算方法は以下の通りです。
この式の最大のポイントは、中学3年生の成績が3倍になることです。これは、今から頑張ることが、将来の可能性を大きく広げるというメッセージでもあります。たとえ1年生の時の成績に自信がなくても、3年生で一生懸命努力すれば、内申点を大きく伸ばすことができるのです。225点満点のうち135点は、中学3年生の頑張りで決まります。
さらに注目すべきは、内申点は国語・数学・英語・理科・社会の5教科だけでなく、音楽、美術、保健体育、技術・家庭科といった実技4教科も同じように評価される点です。つまり、テストの点数だけでなく、授業への取り組みや提出物なども大切になります。得意な教科や好きな活動で良い評価をもらうことが、入試で自分を助けてくれる力になるのです。
推薦入試と一般入試、偏差値の基準は違う?
広陵高校には、主に「推薦入試」と「一般入試」という2つの受験方法があります。
推薦入試は、広陵高校を「第一志望」とする人が受けられる入試です。この入試では、内申点に明確な基準が設けられています。
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特別進学コース: 中学3年生の内申点が、75点満点中で54点以上、または135点満点中で97点以上が目安です。135点満点で97点というのは、9教科の平均評定が約3.6(5段階評価)であることを意味します。
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総合進学コース: 中学3年生の内申点が、135点満点中で72点以上が目安です。これは9教科の平均評定が約2.7に相当します。
一般入試は、誰でも受験することができます。推薦入試のような明確な内申点の「基準」はありませんが、合否は学力試験の点数、内申点、そして面接を総合的に見て判断されます。
ここで知っておきたいのが、一般入試における「専願制度」です。これは、「公立高校も受験するけれど、もし不合格だった場合は必ず広陵高校に入学します」と約束して出願する制度です。この制度を利用すると、入試で有利になることがあると言われています。学校側にとって、入学の意思が強い生徒はとても魅力的です。もし広陵高校への進学を真剣に考えているなら、この専願制度の利用は有効な戦略の一つと言えるでしょう。
併願校・滑り止め校選びのポイント
高校入試では、第一志望の学校だけでなく、いくつかの学校を組み合わせて受験プランを立てることが一般的です。これを「併願」と言います。自分の学力に合わせて、「挑戦校」「実力相応校」「滑り止め校」を選ぶのが基本です。
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挑戦校: 自分の現在の偏差値よりも5~10ポイントほど高い、合格できたら嬉しい目標校。
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実力相応校: 自分の偏差値に合っていて、合格の可能性が高い学校。
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滑り止め校: 自分の偏差値よりも5~10ポイントほど低く、安心して合格が見込める学校。
広陵高校は、この併願戦略を立てる上で非常に興味深い存在です。なぜなら、偏差値の異なる2つのコースを持っているからです。
例えば、広島市立基町高校(偏差値71)のようなトップレベルの公立高校を第一志望にしている人にとって、広陵高校の特別進学コース(偏差値55~63)は、実力相応校や、万が一に備えるための有力な滑り止め校になり得ます。
また、現在の偏差値が40台後半で、まずは着実に合格できる学校を目指したいと考えている人にとっては、広陵高校の総合進学コースが実力相応校となります。そして、同じ学校内でより高い目標として特別進学コースを挑戦校と位置づけることも可能です。
このように、自分の目標や学力に応じて、広陵高校を戦略的に受験プランに組み込むことができるのです。
広陵高校の偏差値に見合う実力をつけるには?入試情報と合格後の魅力
広陵高校に合格するためには、どのような準備が必要で、入学後にはどんな学校生活が待っているのでしょうか。ここでは、入試の具体的な内容から、卒業後の進路、学校生活のリアルな姿まで、詳しく見ていきます。
入試の出題傾向と効果的な勉強法
広陵高校の入試は、推薦・一般ともに「国語・数学・英語」の3教科の学力試験と面接で実施されます。英語のリスニング試験はありません。
各教科の出題には特徴があり、それを知ることが効果的な対策につながります。
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数学: 問題は大きく前半と後半に分かれています。前半は計算問題などの基本的な問題が中心で、ここで確実に得点することが大切です。後半は、グラフの読み取りや図形問題など、思考力や応用力が問われる問題が出題されます。ただし、問題文をしっかり読み解けば、計算自体はそれほど複雑ではないことが多いようです。
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国語: 物語文、説明文、古文、そして作文という構成が一般的です。幅広い文章に対応できる読解力と、自分の考えをまとめる表現力が求められます。
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英語: リスニングがない分、長文読解や文法・語彙の知識が重要になります。
最も効果的な勉強法は、何と言っても「過去問演習」です。私立高校の入試問題は、学校ごとに独特の傾向があります。過去の問題を何度も解くことで、問題の形式や時間配分に慣れ、自分に足りない部分を発見することができます。
また、面接では「なぜ広陵高校に入学したいのか」「将来の夢は何か」といった質問がよくされます。自分の言葉で、自分の思いをしっかりと伝えられるように、あらかじめ考えをまとめておく練習もしておきましょう。
卒業生の進路は?国公立・難関私大への進学実績
高校生活の先にある大学進学。広陵高校の卒業生がどのような道に進んでいるのかは、気になるところでしょう。広陵高校は、多様な進路希望に応える実績を持っています。
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国公立大学: 特別進学コースを中心に、広島大学、山口大学、長崎大学、広島市立大学など、毎年安定して国公立大学への合格者を出しています。
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広島県内の主要私立大学: 県内の有力私立大学への進学実績は非常に豊富です。特に、広島修道大学(85名)、広島工業大学(56名)、広島経済大学(72名)、安田女子大学(27名)など、多くの卒業生が進学しています。これは、総合進学コースの生徒たちが、それぞれの目標をしっかりと達成している証拠です。
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県外の難関私立大学: 東京のGMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)や、関西の関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)といった全国的に有名な難関私立大学へ進学する生徒も毎年います。
この進学実績からわかるのは、広陵高校が二つのコースを通じて、生徒一人ひとりの多様な夢をサポートしているということです。国公立大学を目指す高い目標から、地元でじっくり学びたいという希望まで、どちらの道も力強く後押ししてくれる環境がここにはあります。
部活動と勉強は両立できる?文武両道のリアル
広陵高校は「質実剛健」を校訓に掲げ、「文武両道」を目指す学校として知られています。特に硬式野球部は全国的に有名で、甲子園の常連校です。その他にも、柔道部やダンス部など、全国大会レベルで活躍する部活動がたくさんあります。
体育系17、文化系14とクラブの数も多く、多くの生徒が部活動に打ち込んでいます。では、勉強との両立は可能なのでしょうか。
学校側は、両立を積極的にサポートしています。例えば、勉強が大変な特別進学コースの生徒も、すべての部活動に参加できます。2年生からは週3日、7時間目の授業があるため、その日は少し練習に遅れて参加することになりますが、部活動を続けることは可能です。
一方で、在校生や卒業生からは様々な声が聞かれます。「部活動を本気でやりたい人には最高の環境」という意見もあれば、「学校全体が野球部のための学校だと感じることもある」という声もあります。
結局のところ、「文武両道」は自動的に手に入るものではなく、自分自身の強い意志と時間管理能力が鍵を握ります。広陵高校は、勉強を頑張りたい生徒にも、部活動に打ち込みたい生徒にも、そのための環境を提供してくれます。その環境をどう活かすかは、あなた次第なのです。
実際に通ってどう?在校生・卒業生による口コミ・評判
学校のパンフレットやウェブサイトだけではわからない、リアルな学校生活を知るために、在校生や卒業生の口コミは貴重な情報源です。広陵高校についての評判は、良い点も厳しい点も含めて様々です。
ポジティブな意見
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「先生が進路相談に親身になってくれるし、AO入試や指定校推薦のサポートが手厚い」
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「私立だけあって施設が綺麗で充実している」
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「挨拶がしっかりしていて、礼儀正しい生徒が多い」
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「最近、校則が緩やかになり、スマホの持ち込みや使用が許可されるなど、過ごしやすくなった」
ネガティブな意見
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「校則が厳しすぎると感じる部分がある」
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「いじめに対する学校の対応に不満がある」という深刻な声も一部で見られる
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「部活動、特に野球部が優先されているように感じる」
これらの口コミからわかるのは、1400人以上もの生徒が通う大きな学校なので、人によって感じ方が大きく異なるということです。先生との相性や、所属するコース、友人関係によって、学校生活の満足度は変わってきます。大切なのは、色々な意見があることを知った上で、最終的には自分の目で確かめることです。
オープンスクールや学校説明会には参加すべき?
口コミで様々な意見があるからこそ、絶対にやるべきなのが「オープンスクールや学校説明会への参加」です。文章で読む情報と、実際にその場の空気を感じるのとでは、得られるものが全く違います。
広陵高校では、例年5月から11月にかけて、複数回のオープンスクールや、少人数制の「未来発見!学校体験DAY」などを開催しています。
オープンスクールでは、次のような体験ができます
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学校全体の詳しい説明
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授業や校内施設の見学(立派な室内練習場なども見られます)
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食堂でのランチ体験(名物のカレーライスが食べられることも)
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部活動の体験や見学
これは、学校の雰囲気を肌で感じ、先生や先輩たちの様子を直接見ることができる絶好の機会です。気になること、不安なことを直接質問することもできます。
インターネット上の評判や偏差値の数字だけで判断するのではなく、ぜひ一度、広陵高校に足を運んでみてください。そこで感じた「この学校、いいな」「ここで3年間過ごしたいな」という直感が、何よりも大切な判断材料になるはずです。
まとめ:広陵高校の偏差値
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広陵高校の偏差値は、特別進学コースが55~63、総合進学コースが46~49が目安です。
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特別進学コースは県内中堅上位、総合進学コースは多くの人が挑戦しやすいレベルに位置します。
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合否には内申点も重要で、特に中学3年生の成績が3倍になるため、これからの努力が大切です。
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内申点は実技4教科も含まれるため、得意なことで評価を上げることが可能です。
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入試は推薦と一般があり、一般入試の「専願制度」は有利に働くことがあります。
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入試科目は国・数・英の3教科で、過去問を解いて傾向に慣れることが最も効果的な対策です。
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進学先は国公立大学から県内の主要私立大学まで幅広く、多様な目標に対応しています。
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文武両道を掲げており、部活動と勉強の両立は可能ですが、本人の強い意志が求められます。
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在校生の評判は様々ですが、これは大規模校ならではの特徴とも言えます。
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学校を本当に知るためには、オープンスクールに参加して自分の目で確かめることが一番重要です。