「リバース(湊かなえ)」の超あらすじ(ネタバレあり)

『リバース』は、過去に起きた悲劇的な事故とその真相を追いかける、サスペンスドラマです。主人公の深瀬和久は、3年前に友人の広沢を事故で亡くしており、その出来事を隠し続けてきました。しかし、ある日届いた告発文をきっかけに、彼とゼミ仲間たちの間に隠されていた事実が次々と明るみに出ていきます。

物語は、広沢の死に関する過去の謎や告発文の送り主を探る深瀬たちの葛藤を中心に展開します。各キャラクターの背景や過去が複雑に絡み合い、最後に明かされる広沢の死の真相には驚きが隠されています。

この記事では、『リバース』のあらすじをネタバレ含めて詳細に解説します。物語の核心に迫りたい方、告発文の真相やキャラクターの関係性を知りたい方に最適です。

この記事のポイント
  • 深瀬和久とゼミ仲間たちの過去の出来事
  • 広沢が事故死した経緯とその真相
  • 告発文が届いた理由
  • 美穂子と広沢の関係
  • 告発文の背後にある人間関係

「リバース(湊かなえ)」の超あらすじ(ネタバレあり)

第1章: 深瀬と美穂子の出会いと告発文の到来

深瀬和久は、事務機器メーカーに勤める普通のサラリーマンです。唯一の趣味は、コーヒーに蜂蜜を入れて飲むことでした。ある日、彼は行きつけのカフェでパン屋で働く女性、美穂子と出会い、2人は徐々に親しくなっていきます。その後、2人は恋人同士になります。

そんな幸せな日々が続く中、ある日、美穂子の職場に「深瀬和久は人を殺した」という告発文が届きます。この出来事に驚いた美穂子は、深瀬にその真相を確かめに行きます。深瀬は3年前、ゼミ仲間と共に行った旅行での出来事を語り始めます。友人の広沢が事故で亡くなり、深瀬たちはその原因となる飲酒の事実を隠していたのです。

この話を聞いた美穂子はショックを受け、深瀬の元を去ることを決意します。同時に、当時のゼミ仲間にも同様の告発文が届いており、さらにそのうちの一人、谷原が駅で転落する事件が発生します。深瀬はこの一連の出来事が広沢の死に関連していると考え、真相を調べることにしました。

第2章: ゼミ仲間たちに届く告発文と事件

深瀬だけでなく、当時一緒に旅行に行ったゼミ仲間たち、浅見康介や村井隆明、谷原雅人にも告発文が送られてきます。浅見は現在、高校で社会科の教師をしており、3年前の事故以来、飲酒を控えています。浅見の告発文は、サッカー部の生徒たちが飲酒騒動を起こした直後に彼の車に貼られ、ビールがかけられていましたが、彼は生徒の悪戯だと考えていました。

村井は政治家の息子で、当時の旅行は彼の家の別荘で行われました。彼は途中で参加することになり、迎えを頼んだものの、迎えに来なかったため、自力で別荘に向かいました。その途中で、浅見と谷原が広沢の事故を隠ぺいする場面に遭遇します。

谷原は商社で働いており、草野球チームにも所属しています。野球の帰りに駅で転落する事件に巻き込まれ、命に別状はありませんでしたが、その後、精神的に苦しむことになります。この事件をきっかけに、深瀬たちは広沢の死の背後に何かがあると疑い始めます。

第3章: 美穂子の過去と広沢の関係

美穂子は、実は広沢と高校の同級生で、大学生の時に再会し、交際していた過去がありました。しかし、広沢は大学卒業後、就職せずに海外に行くという夢を持っており、その考えに美穂子は不満を抱いていました。彼女は広沢と距離を置くようになり、その後、広沢が事故で亡くなったという連絡を受けます。

広沢の3回忌を迎えた際、彼と一緒に旅行をしていたゼミ仲間たちの存在を知り、彼らが広沢の最後の瞬間を目撃していたことに気づきます。これをきっかけに、美穂子は深瀬に接近し、真相を探るために行動を起こします。

美穂子は広沢の死に対して深い恨みを抱いており、告発文を送りつけたのは彼女自身でした。そして、谷原に対しても怒りを持ち、最終的に彼が駅で転落する事件が起こることになりますが、それは広沢に対する正義を求める彼女の行動の一環でした。

第4章: 広沢の死の真相とその結末

深瀬は広沢のことを調べる中で、彼がどんな人物だったのかをノートに書き留め始めました。その過程で、事件当時に見過ごしていた大きな事実に気づきます。それは、広沢が蕎麦アレルギーを持っていたことです。旅行中、広沢は蕎麦屋に寄らず、カレー屋で一人で昼食を取っていたことを思い出します。

さらに、広沢が事故当日、他の仲間たちが飲酒していたため、運転を代わる形で引き受けたことも重要なポイントです。深瀬は自ら作った蜂蜜入りのコーヒーを広沢に渡しましたが、その蜂蜜には蕎麦粉が含まれていました。広沢はそのコーヒーを飲んだことでアレルギー反応を起こし、運転中に発作が発生し、事故に繋がったのです。

最終的に、深瀬はこの事実に打ちのめされ、自分が無意識のうちに広沢の死に関わっていたことを認めざるを得なくなります。広沢の死の真相が明らかになる中で、深瀬は自分の罪と向き合い始めます。

「リバース(湊かなえ)」の感想・レビュー

『リバース』は、過去の過ちが今なお人々に影響を与え続ける様子を描いた作品で、その人間ドラマの深さに引き込まれました。主人公の深瀬和久は、3年前に友人の広沢を事故で亡くし、当時の状況を隠して生きてきましたが、告発文をきっかけにその過去と向き合うことになります。彼の葛藤や苦しみが物語全体に緊張感をもたらし、読者や視聴者としても共感を覚えます。

物語の展開の中で、特に印象的だったのは美穂子と広沢の関係です。美穂子は広沢の元恋人であり、彼女の行動が全体のストーリーに大きな影響を与えます。彼女が深瀬に近づいた理由や、告発文を送りつけた動機が明らかになるにつれて、物語の真相が徐々に明かされていく点が秀逸でした。

また、ゼミ仲間たちのそれぞれの人生にも触れられており、彼らが背負う罪や後悔が物語の深さを増しています。特に、広沢の死に直接関与していなかったと思っていた浅見や村井の心情が描かれている部分は、物語の緊張感を高めています。彼らの視点を通して、人間がどれほど自分の過ちから目を背けたがるかがよくわかります。

最終的に明かされる広沢の死の真相は衝撃的です。蕎麦アレルギーによる事故死という予想外の展開が、作品全体にリアリティと深みを与えています。深瀬が無意識に広沢の死に関与していたことを知る瞬間は、特に感動的で、彼の成長が感じられる重要な場面でした。

『リバース』は人間関係や罪悪感が絡み合ったサスペンスであり、過去の出来事がどのように今の人生に影響を与えるかを考えさせられる作品です。

まとめ:「リバース(湊かなえ)」の超あらすじ(ネタバレあり)

上記をまとめます。

  • 深瀬はコーヒーに蜂蜜を入れるのが好き
  • 広沢は3年前に事故で死亡
  • ゼミ仲間4人が飲酒していた事実を隠していた
  • 美穂子の職場に告発文が届く
  • 告発文は他のゼミ仲間にも届いていた
  • 谷原が駅で転落する事件が起こる
  • 美穂子は広沢の元恋人
  • 広沢は蕎麦アレルギーを持っていた
  • 広沢は蕎麦粉入りの蜂蜜でアレルギーを起こす
  • 深瀬は広沢の死に責任を感じるようになる