「本能寺ホテル(映画)」の超あらすじ(ネタバレあり)

『本能寺ホテル』は、現代の女性・繭子が戦国時代にタイムスリップし、織田信長や森蘭丸と出会う物語です。

京都にやってきた繭子が「本能寺ホテル」のエレベーターで過去に飛び、歴史の大きな事件「本能寺の変」の真相に迫ります。信長との交流を通じて繭子は自分自身と向き合い、新たな道を見つける決意をします。果たして繭子は歴史を変えられるのか、そして信長の運命はどうなるのかが見どころです。

この記事のポイント
  • 『本能寺ホテル』のあらすじ
  • 現代女性・繭子のタイムスリップ体験
  • 織田信長と森蘭丸との出会い
  • 歴史と現代の交錯による繭子の成長
  • 本能寺の変に迫るストーリー展開

「本能寺ホテル」の超あらすじ(ネタバレあり)

第1章:繭子の迷いとタイムスリップの始まり

繭子は会社が倒産し、未来への不安を抱えながら恋人の恭一からプロポーズされます。しかし、素直に喜べず、迷いを抱えたまま恭一の両親に会うために先に京都へ向かうことに。そこで泊まる予定だったホテルに予約の手違いがあり、急遽「本能寺ホテル」という不思議なホテルに宿泊することになりました。繭子はそのホテルで奇妙な置物を見つけます。それは歯車があり、オルゴールが鳴るものでした。

繭子がエレベーターに乗り、金平糖を一粒かじった瞬間、エレベーターの扉が開くと見知らぬお寺の境内にいました。そこにいた和服姿の青年は、気さくな態度で話しかけ、今は「天正10年6月1日」であると告げます。繭子は夢か現実か分からないまま、青年が蘭丸であることに気づかずに話を進め、彼の親方である信長の茶会の場に足を踏み入れてしまいます。信長の怒りを買い追われた繭子は、部屋に逃げ込むとその瞬間ホテルに戻されてしまうのです。

現代に戻っても何が起きたのか分からず、繭子は支配人に相談しますが、エレベーターは普通の状態でした。繭子はそのまま恭一と再会しますが、どこか現実感がなく、不思議な出来事に心を乱されます。

第2章:信長との出会いと歴史の秘密

京都で恭一と合流した繭子は、恭一の両親に会いに行きますが、すでに結婚式の詳細などが決められていたことに驚きます。自分の意思が反映されていないことに少し戸惑いながらも、「私は何の取り柄もないから」と全て恭一に任せることにしました。ホテルに戻った繭子は支配人から、ロビーの置物が信長に関係するものであるかもしれないと聞きます。再びエレベーターに乗り込んだ繭子は金平糖をかじり、またしても時を飛び越えます。

繭子がたどり着いた先は戦国時代で、彼女はすぐに捕えられ信長の前に連れて行かれます。信長は堂々とした人物で、繭子は驚きと同時に彼のカリスマ性に心惹かれます。そして、森蘭丸は青年時代の蘭丸であり、繭子が最初に出会った相手であると判明します。繭子は信長と蘭丸とともに、本能寺の境内における緊迫感に包まれますが、時折見せる信長のやさしさや自由奔放な一面に、繭子は彼をただの武将ではなく、一人の人間として感じるようになります。

繭子は支配人にこれまでの出来事を相談しますが、「歴史を変えることは危険だ」と忠告されます。しかし、繭子の心の中では、信長に「本能寺の変」が起きることを知らせるべきかという葛藤が生まれていきます。

第3章:信長との交流と迷い

繭子は現代に戻り、恭一やその友人たちと食事をともにする中で、自分がこれまでどれだけ流されて生きてきたかに気づき始めます。周囲に合わせるばかりで自分の意見を持たない姿に、繭子は次第に自分自身に疑問を抱くようになります。そして、ホテルに戻りエレベーターに乗り込んだ時、金平糖をかじると再び1582年の本能寺へとタイムスリップします。

そこでは信長が待っており、繭子と信長は手を取り合い、戦国時代の京都の町を歩きます。泰平の世への夢や野望を語る信長に、繭子は感銘を受け、彼の強さとやさしさ、そして時代に縛られない考え方に惹かれていきます。その後、本能寺へ戻った繭子と信長、蘭丸たち家臣は、町で流行っている遊びを楽しみ、まるで子供のように笑い合うひと時を過ごします。

しかしその頃、明智光秀は軍を率いて本能寺へ向かっていました。繭子は意を決し、信長に明智の謀反を伝えます。信長は繭子の言動から彼女が未来から来たことを察していましたが、彼は動じることなく、「承知した」と静かにその場を去ります。

第4章:歴史の運命と繭子の決断

恭一の両親の金婚式パーティーを終えた繭子はホテルに戻り、支配人と話をします。支配人は「歴史は変わっていない」と告げ、繭子は自分が信長に伝えた言葉が何も変えなかったことを知ります。しかし、何とかして信長の助けになりたいと強く思った繭子は、再びエレベーターに乗り込んで金平糖をかじり、戦火の中の本能寺へと飛びます。

そこでは明智の軍勢が攻め込んでおり、信長はすでに覚悟を決めていました。繭子は最後の瞬間、信長と蘭丸と共に時間を過ごし、信長は繭子が持っていた未来の人々の笑顔のチラシを見て「良い写真だ」と語り、大切に懐にしまいました。火の手が迫る中、信長と蘭丸は繭子を逃し、彼女はホテルへと帰る道を探しますが、火の海の中で途方に暮れてしまいます。

その時、ホテルのフロントで支配人が磨いていたベルが落ちて鳴り、その音に導かれるように繭子はエレベーター内に戻ります。そして、業火の中で信長は自害し、本能寺は焼け落ちました。翌朝、繭子は残りの金平糖を支配人に託し、晴れやかな表情でホテルを後にします。そして、新たな未来を見据え、歴史教師としての道を歩むことを決意します。一方、支配人もまた不思議な出来事に興味を持ち、エレベーターの先で驚きを見せます。

「本能寺ホテル」の感想・レビュー

『本能寺ホテル』は、歴史と現代の交差点で繰り広げられるタイムスリップストーリーであり、繭子という一人の女性の成長物語でもあります。会社の倒産から始まり、自分の将来に迷う繭子が戦国時代へと飛び、織田信長と森蘭丸と出会うという設定は斬新です。彼女が「本能寺ホテル」という場所で過去と未来をつなぎ、信長の運命に影響を与えようと奮闘する姿には、どこか心に訴えかけるものがあります。

物語の中で、繭子が現代と過去を行き来しながら、信長という歴史の偉人に触れる場面は特に印象的です。信長の夢や野望、そして時代に縛られない自由な心に触れる中で、繭子自身が「自分らしさ」や「生きる意義」を見つける過程は共感を呼びます。また、森蘭丸の親しみやすさと信長の堂々とした存在感のコントラストも見どころで、彼らの人間性が巧みに描かれています。

そして、繭子が歴史の流れに逆らって「本能寺の変」を変えようと奮闘する場面では、彼女の強い意志と葛藤が丁寧に描かれており、感動を覚えます。信長が最後の瞬間まで泰然として繭子を送り出す姿は、織田信長の壮絶な生き様を表しており、歴史の重みと同時に繭子への優しさが伝わってきます。

結末では、繭子が現代へと戻り、新たな自分として歩み出す姿が爽やかで、物語全体に希望をもたらします。歴史を変えることはできなかったけれど、繭子が自分の未来を変えたというメッセージは、観る者に勇気と感動を与えてくれます。また、支配人がエレベーターの謎を解き明かそうとするラストシーンは、物語の余韻を残しつつ新たな可能性を感じさせます。

『本能寺ホテル』は、歴史ファンにも、現代に生きる人々にも響く、タイムスリップと成長の物語です。繭子の冒険を通じて、誰もが一度は考える「自分の生き方」を見つめ直すきっかけを与えてくれる、素敵な作品だと思います。

まとめ:「本能寺ホテル」の超あらすじ(ネタバレあり)

上記をまとめます。

  • 繭子は京都で「本能寺ホテル」に泊まる
  • 繭子がエレベーターで1582年にタイムスリップする
  • 繭子が森蘭丸と出会い、信長とも交流を持つ
  • 信長の魅力に惹かれながら、繭子は自分の人生を見つめ直す
  • 明智光秀の謀反が近づき、繭子は信長に告げるか迷う
  • 繭子の行動は歴史を変えず、本能寺の変はそのまま起きる
  • 信長は最後の瞬間まで覚悟を決めて繭子を送り出す
  • 繭子は現代に戻り、歴史教師になることを決意する
  • 支配人もまたエレベーターの秘密に興味を抱く
  • 信長と蘭丸の運命を見届ける繭子の心の変化が描かれる