「僕だけがいない街」の超あらすじ(ネタバレあり)

「僕だけがいない街」のあらすじ・ネタバレ記事です。売れない漫画家の藤沼悟は、巻き戻し現象「リバイバル」で過去に戻り、未解決の誘拐殺人事件と母の殺害事件に挑みます。小学生時代のクラスメイト・雛月加代を救うことで、現在を変えようとする悟の奮闘が描かれます。

物語は、悟が事件の真相を追い続ける中で、周囲の人々との関係や、彼自身の成長を繊細に描きます。八代先生の正体や真犯人との対決を通して、事件の解決に向かうスリリングな展開が見どころです。

最終的に悟は現在の運命を変え、周囲の人々も新たな未来を生きていく結末に至ります。

この記事のポイント
  • 藤沼悟の「リバイバル」能力について
  • 連続誘拐殺人事件の概要と真相
  • 雛月加代と悟の関係性と奮闘
  • 真犯人である八代先生の策略と正体
  • 悟のタイムリープによる未来の変化

「僕だけがいない街」の超あらすじ(ネタバレあり)

第1章:時を巻き戻す力と連続誘拐事件の始まり

売れない漫画家の藤沼悟は、日々アルバイトで生計を立てながら生活していました。彼には、危険を察知すると時が巻き戻る「リバイバル」と呼ばれる現象が起こります。ある日、ピザの配達中に子どもがトラックに轢かれそうになるのを「リバイバル」で救うことに成功しますが、自分は対向車に跳ねられてしまいます。幸い一命を取り留め、病院でバイト仲間の片桐愛梨に看病されながら退院します。

退院後、悟は母・佐知子と買い物に出かけた際に再び「リバイバル」の気配を感じます。その直後、母親がかつての未解決誘拐事件について言及します。1988年に悟の小学校で発生した連続誘拐殺人事件は、白鳥潤という青年が犯人として逮捕されましたが、母は真犯人が別にいるのではないかと疑念を抱いていました。その後、母は何者かに刺し殺され、悟は現場から逃げる途中で警察に追われ、再び過去にタイムリープしてしまいます。

今回、悟が戻ったのは1988年、小学生時代の自分の体に入り込みます。意識は大人のままなので、悟は母を救うために過去を変えることを決意します。そのため、連続誘拐殺人事件の被害者である雛月加代を救うことが、自らの未来を変える鍵であると考え始めます。

第2章:雛月加代の救出と再び失われる命

悟はクラスメイトである雛月加代の存在を意識し始めます。彼女は家庭で虐待を受けており、いつもひとりで過ごしている女の子でした。悟は、彼女に「友達になってほしい」と声をかけ、自分の誕生日会に誘います。誕生日会は雛月と悟の共同誕生日会として開かれ、雛月は大変喜びます。そして悟は、彼女に手袋をプレゼントし、雛月も翌日に誕生日プレゼントを渡すと約束します。

悟は、雛月が自分の誕生日に殺されてしまう運命を変えられたと感じていました。しかし、翌日、彼女は再び命を落としてしまいます。悟の努力も空しく、事件の犯行を阻止できなかったのです。失意の中、悟は意識を現代へと戻され、再び母の死という現実に向き合うことになります。

現代に戻った悟は愛梨の助けを受けながら真相を追求します。愛梨は、悟の無実を信じて行動していましたが、家が火事になり巻き込まれる事態に。愛梨は命を取り留めますが、悟の立場は悪化し、澤田という母の同僚と協力して真犯人の手がかりを探します。

第3章:真犯人への疑念と策略

澤田と共に犯人を追う悟ですが、警察に追われる立場に変わりはありません。愛梨の言葉から「西園」という名前に疑念を抱きますが、悟は警察に逮捕されそうになり、再び1988年の誕生日の前日へとタイムリープしてしまいます。悟は、親友の賢也を味方につけ、今度こそ雛月を守るために策を練ります。そして誕生日会が終わると、雛月を廃バスの中に隠し、一時的に彼女を安全な場所へと移動させます。

悟はその後、雛月から手編みの手袋を誕生日プレゼントとしてもらいます。以前はもらえなかった大切な贈り物です。バスの中で見つけた犯行に使われるはずの道具に危険を感じた悟は、雛月を母の元へ連れて帰り保護します。最終的に、悟の母が児童相談所に連絡し、雛月は保護されて無事命を救うことができました。

その後も悟は現代に戻れず、事件がまだ解決していないことを感じ取ります。そして母の同僚・澤田から「八代先生が児童相談所に連絡していなかった」との情報を得て、八代先生が事件に関与しているのではないかと疑い始めます。

第4章:八代の正体と悟の未来への決断

八代先生への疑念を強めた悟は、彼がクラスの孤立している美里をホッケーの観戦に誘ったことに注目します。悟は美里の後を追い、偶然白鳥の車が走り去るのを見つけます。悟は八代に頼んでその車を追いかけますが、車内での会話で八代先生は自身の犯行を認めます。八代は白鳥に罪をかぶせるために策略を巡らせており、悟を事件に巻き込むことを決めていました。そして、八代は悟を連れ出し、橋から投げ落とします。

橋から落ちた瞬間、悟は再び現代へと戻されます。今回、悟が目覚めたのは病院で、そこには雛月と母・佐知子が寄り添っていました。母が殺される過去は変わり、現代の悟は新たな人生を生き始めます。そして偶然愛梨と再会するも、愛梨には悟の記憶がありませんでした。

その後、悟は弁護士になった賢也の協力を得て、八代の今を探ります。八代は「西園」と名前を変えており、再び誘拐事件を起こそうとしていました。悟は八代と対峙し、八代は自ら命を絶とうとしますが、賢也と警察の協力で八代は逮捕されます。2016年、悟の墓前に仲間たちが集まり、彼に感謝を捧げます。愛梨は悟の漫画から勇気をもらい、カメラマンになる夢を追うのでした。

「僕だけがいない街」の感想・レビュー

「僕だけがいない街」は、過去と現在が交錯するサスペンスストーリーで、主人公・藤沼悟の葛藤や成長を軸に展開されます。悟は、売れない漫画家として苦しい生活を送りつつも、「リバイバル」という巻き戻し能力によって、繰り返し過去へ戻ることで、周囲の人々の危機を救う役割を担います。しかし、母親の佐知子が何者かに殺害されたことをきっかけに、彼の運命は大きく動き出します。悟は真犯人を追うため、過去にタイムリープして小学生時代に戻ることになるのです。

物語の重要な鍵を握るのは、連続誘拐殺人事件の被害者であるクラスメイトの雛月加代です。彼女は家庭内で虐待を受け、クラスでも孤立していました。悟は彼女を救うことで未来を変えようと試みます。雛月の誕生日に共に過ごすなど、悟の奮闘により一度は彼女の命を救えたかに見えましたが、再び彼女が犠牲になる運命に苦しむことになります。そんな彼の葛藤が丁寧に描かれ、読者の心をつかみます。

物語のクライマックスは、八代先生の正体が明らかになるシーンです。悟の学校の担任であった八代先生は、実は事件の真犯人であり、彼が白鳥潤に罪をなすりつけていたことが判明します。八代の巧妙な計略や冷酷な本性が浮き彫りになり、悟と八代の心理戦が緊張感を高めます。最終的に八代に捕らえられた悟が、橋から突き落とされるシーンは衝撃的で、物語の大きな転換点となります。

悟が現在に戻ったとき、母が生きている未来が描かれるのは、彼の努力が報われた瞬間でもあります。また、雛月や愛梨といった女性キャラクターの未来も変わり、彼女たちの新たな人生が感じられるのも感動的です。特に、八代が結婚して「西園」と名前を変え、再び犯行に及ぼうとする場面では、悟が彼を止めるために自ら立ち向かう姿が印象的です。

最終的に八代が逮捕され、悟の周囲の人々が新たな未来を生き始めるというエンディングは、読者に希望と感動をもたらします。物語全体を通して、悟の成長や周囲のキャラクターとの絆が描かれ、サスペンスとヒューマンドラマが見事に融合された作品です。

まとめ:「僕だけがいない街」の超あらすじ(ネタバレあり)

上記をまとめます。

  • 藤沼悟は売れない漫画家である
  • 「リバイバル」で過去にタイムリープできる
  • 母・佐知子が殺害される事件が発生
  • 連続誘拐殺人事件の真犯人は八代先生
  • 雛月加代はクラスメイトで事件の被害者
  • 悟は過去に戻り、雛月を救おうとする
  • 八代先生は白鳥潤に罪をなすりつけていた
  • 悟は親友の賢也と協力して事件に挑む
  • 現代で八代は「西園」と名前を変えている
  • 最終的に八代先生は逮捕される