「スナック墓場」の超あらすじ(ネタバレあり)

「スナック墓場」のあらすじを詳しく知りたい方へ。この記事では、スナック波止場の店員である克子さんの人生を描いた物語を、各章ごとに分かりやすく解説します。

初めての出会いから夫の急死、そしてスナックの閉店後の新たな生活まで、克子さんとその周囲の人々のドラマを深掘りします。

スナックの閉店から始まる第2の人生のレースと、最後に感謝の気持ちを込めた瞬間まで、詳細なネタバレをお届けします。

この記事のポイント
  • 克子さんと年上の男性との出会いと結婚生活
  • 競馬のハズレ馬券と夫の急死に関するエピソード
  • スナック波止場の運営と克子さんの仕事ぶり
  • 店の閉店と美園さんの死後の相続問題
  • 克子さんの新たな生活と競馬での成功

「スナック墓場」の超あらすじ(ネタバレあり)

克子さんは、親戚から紹介された年上の男性と出会いました。男性は2回りほど年上で、見た目は大柄で角ばった顔をしていました。初対面の日に、克子さんはこの男性の最期を見送る覚悟を決めました。

克子さんは大柄な体格で、角ばった顔立ちの女性でした。一方、夫は1回り小柄で、顔立ちがとても優しげでした。すぐに結婚し、夫が通帳と家計を管理することになりました。毎月の生活費やお小遣いは、夫がきっちりと手渡しました。

休日には二人で喫茶店に行ってデートを楽しむことがありましたが、克子さんは自分のコーヒー代は遊興費として補填しました。克子さんは競馬が好きで、時々新橋のウインズビルに行っていました。その日は大きなレースがありましたが、克子さんは馬券を購入していなかったので、夫に8000円を建て替えてもらいました。

残念ながら、レースは惨敗でした。ハズレ馬券の代金を払うのは虚しいことですから、克子さんはついつい支払いを先延ばしにしてしまいました。夫からの催促もなかったため、支払いをウヤムヤにしようかと考えていた矢先に、夫が心筋梗塞で急死してしまいました。

夫のお墓は遠方にあり、自宅には仏壇もなかったため、財布の中に折り畳まれた8枚の千円札が遺灰の代わりとなりました。

克子さんは、外で働いた経験がほとんどなく、資格も学歴もなかったため、なかなか採用してもらえませんでした。そんな中、偶然「店員急募」の貼り紙を見つけました。貼り紙に書かれていたのは、「スナック波止場」という内陸部にあるスナックの求人情報でした。

店に行くと、中から体重が30キロほどの細い女性、美園さんが現れました。「スナック波止場」は海から離れた内陸部で営業しており、美園さんがオーナーからこの店を任されていました。克子さんはお酒を飲んでも酔わないことをアピールしました。その言葉を聞いた美園さんはにっこりと微笑み、これが事実上の合格通知となりました。

克子さんは次の日からカウンターの中で働き始めました。お酒を作ったり、グラスを洗ったり拭いたりする仕事を一生懸命にこなしました。出勤初日はお客さんたちが物珍しげに話しかけてきましたが、すぐに興味を失い、他の店に行ってしまいました。克子さんは、このお店の中でもその若さと髪質の良さからエース的存在となりました。克子さんの特技は、客の注文を前もって予測することでした。

スナック波止場には、ドラッグストアの社長や電気屋の店主、肉体労働者、サラリーマンなど、さまざまな客が来ていました。克子さんは美園さんや原山さんの姿を見習い、上客であろうと格別のもてなしをせず、同じように接することを学びました。

しかし、常連客が次々と亡くなることが続き、スナック波止場に「メチルアルコールが混入されている」というデマが流れました。これにより、「スナック墓場」と呼ばれるようになりました。オーナーの美園さんがヒート・ショックで病院に運ばれ、その後亡くなったという知らせが届きました。

大勢の法定相続人が名乗り出てきましたが、息子が発表したのは、土地を更地にしてマンションを建てる計画でした。美園さんには反対する権利がなく、抵抗する気力も湧いてきませんでした。幸いにも、相続人が克子さんや原山さんにも十分な退職金を支給してくれました。

スナック波止場が閉店してから、克子さんは湾岸エリアのビルの管理室で働くことになり、原山さんは喫茶店のウェイター、美園さんは隠居して年金暮らしを始めました。店を閉じた後も、3人で会う機会を作ろうと提案したのは美園さんでした。第1回目の集まりは手ごろな居酒屋で済ませました。

第2回目の集まりは、少し奮発して宝町のお寿司屋で行いました。克子さんはその後、東京モノレール沿線にあるUR賃貸に引っ越しました。新居に美園さんと原山さんを招いて酒盛りをするのも良いのですが、ベランダからは大井競馬場の歓声が聞こえてきました。

第3回目の同窓会は、大井競馬場の4号スタンドのボックス席を貸し切り、馬たちを眺めながらビールで乾杯しました。原山さんは3レースを連続で的中させ、副業で始めた出張占いも順調に見えました。美園さんは相変わらず複勝ばかりで手堅い選択をしていました。

克子さんは、3連複で1200倍の大穴を当てました。200円が240,000円に膨れ上がり、財布に収まりきらないほどになりました。隅っこでしわくちゃになっていた8000円のお札に触れながら、克子さんは心から感謝の気持ちを込めました。これが、自分の人生における一つの区切りとなり、過去の出来事に感謝する瞬間となりました。

「スナック墓場」の感想・レビュー

「スナック墓場」は、克子さんの人生を描いた感動的な物語です。克子さんは、親戚から紹介された年上の男性と結婚し、家計を夫に任せる生活を送りました。夫の急死後、財布の中の8000円札が遺灰の代わりとなり、克子さんは深い喪失感を抱えながら新たな生活を始めます。

スナック波止場で働き始めた克子さんは、店のエースとして活躍し、さまざまなお客さんと接しながら成長します。しかし、スナックの常連客が次々と亡くなり、デマが流れるなど困難な状況に直面します。オーナーの美園さんが亡くなり、店が閉店となり、その後の相続問題や新しい生活に向けた変化が描かれています。

物語の最後では、克子さんが競馬で大当たりをし、8000円のお札に感謝の気持ちを込めるシーンが心に残ります。全体として、克子さんの人生の浮き沈みや人間ドラマがリアルに描かれ、感動的な結末を迎える作品です。

まとめ:「スナック墓場」の超あらすじ(ネタバレあり)

上記をまとめます。

  • 克子さんは年上の男性と出会い、結婚生活を始める。
  • 夫が家計を管理し、克子さんは競馬に興じる。
  • 克子さんはハズレ馬券の支払いを先延ばしにする。
  • 夫が心筋梗塞で急死し、財布に入っていた8000円が遺灰の代わりとなる。
  • 克子さんは「スナック波止場」で働き始める。
  • スナックの常連客が亡くなり、店にデマが流れる。
  • オーナーの美園さんが亡くなり、店舗が更地にされる。
  • 克子さんは湾岸エリアのビル管理室で働き始める。
  • 美園さんと原山さんと再会し、競馬場で同窓会を開く。
  • 克子さんが競馬で大当たりし、8000円のお札に感謝の気持ちを込める。