「微笑む人」は、予想外の事件が次々と巻き起こるサスペンスドラマです。
物語は、宇治川での水難事故から始まり、母親と子供が命を落とす悲劇が展開。逮捕された仁藤俊実が、実は冷酷な犯罪者だったのか? 後に発見される白骨化遺体や、仁藤の過去にまつわる謎が交錯します。
ショウコという人物の告白や、カスミの真実が明らかになる中で、彼の犯罪の全貌が浮かび上がる様子をお楽しみください。
- 仁藤俊実が逮捕された経緯とその動機
- 梶原敬二郎の不審死とその背景
- 仁藤の過去に関する疑惑や出来事
- ショウコの告白と虚言癖の問題
- カスミの本名と偽情報の発覚
「微笑む人」のあらすじと超ネタバレ
第1章:水難事故と仁藤俊実の逮捕
ある日、宇治川で大変な水難事故が発生しました。母親の翔子さんとその子供の亜美菜ちゃんが川で溺れてしまいました。救急隊が急いで現場に到着しましたが、残念ながら間に合わず、翔子さんと亜美菜ちゃんは命を落としてしまいました。
この悲しい事件が、後に大きな問題へと発展します。目撃者からの通報がきっかけで、仁藤俊実という男性が逮捕されました。仁藤は自分の妻と子供の頭を押さえつけて水に沈めてしまったと言われています。
仁藤は最初、自分が殺害に関わっていないと主張しましたが、取り調べが進むにつれて「本が増えて家が狭くなったから」という理由で殺人を犯したと語り始めました。この理解しがたい動機がマスコミの注目を集めました。
仁藤と接していた人々は、彼がとても温和で礼儀正しい人物であると感じていたため、彼が殺人を犯すとは信じられないと感じていました。冤罪(えんざい)ではないかという声も上がるほどでした。しかし、仁藤の後輩である田坂は、仁藤が仕事上でのミスを指摘した際に、耳を澄ませば聞こえるかもしれないような暴言を吐いたのを目撃しました。仁藤は冗談だと言って笑っていましたが、田坂は少しの恐怖を感じました。
第2章:梶原敬二郎の不審死
宮ヶ瀬ダムの湖底で白骨化した死体が発見されました。その人物は以前から失踪していた梶原敬二郎でした。最初は死因も身元も分からず、捜査は非常に混乱していました。しかし、生前の顔を復元する「復顔」という技術によって、梶原敬二郎であることが判明しました。
驚くべきことに、梶原敬二郎は仁藤と同じ銀行で働いていたのです。報道が過熱する中で、仁藤と梶原の間に何らかの確執があったのかを調べましたが、なかなか確証を得ることはできませんでした。
その後、仁藤と梶原の上司である望月に取材を行いました。望月は、仁藤が人を殺すような人物であるとは信じられないと驚きながらも、梶原が失踪したことで仁藤が出世したことを話しました。しかし、銀行員は年功序列の世界であるため、わざわざ殺さなくても出世できると考え、仁藤が梶原を殺害することはあり得ないと述べました。他の銀行員たちも仁藤が人格者であると証言しました。
その後、新たな事実が発覚しました。松山彰という人物が仁藤と大学の同級生であり、21歳でダンプカーの下敷きになって死亡していたのです。疑惑が深まる中、仁藤と松山、そして中里という人物の関係が話題に上りました。中里によれば、仁藤が松山が大事にしていたポータブルゲーム機を持って遊んでいたと言います。しかし、これだけでは仁藤を犯人とするには不十分でした。
第3章:仁藤の過去に迫る
取材を続ける中で、仁藤の中学時代の周囲の人物に聞き込みを行いました。すると、仁藤の近所の主人がダンプカーの下敷きになって亡くなったという情報が得られました。これは先に発生した事故と似たような状況です。偶然とは思えない出来事が続く中、仁藤の過去をさらに調査することにしました。
調査を進めると、20年以上前に古い団地で階段から転落して亡くなった男性がいたことが判明しました。その男性は妻子を持っており、その子供の名前が「ショウコ」だったのです。ショウコという名前は、仁藤の妻と同じ名前です。
さらに調査を進めるために、ショウコに関連するカスミという人物にたどり着きました。カスミはショウコと仁藤の小学生時代の知り合いであり、ショウコと接触できるといいます。カスミの協力を得て、ショウコと話すことができました。ショウコは仁藤のことを親しい友達だったと言い、仁藤が義父からの暴力で泣いていたときに声をかけてくれたと話しました。仁藤は義父をやっつけてやると言ってくれたと語りました。
第4章:ショウコの告白
取材を終えた後、ショウコから再び連絡がありました。ショウコは「本当のことを話す」と電話口で伝え、喫茶店で会うことになりました。ショウコは、母親と義父が来てからの生活についてより詳細に話してくれました。
当初は平穏な生活が続いていたものの、日が経つにつれて次第に悪化していったと言います。ついには我慢できなくなったショウコは、小学生時代の仁藤に義父を突き落として欲しいと助けを求めました。仁藤はそのタイミングで恐怖のために動けず、何もできませんでした。最終的に、ショウコは自ら義父を突き落としました。
このような話を聞いた後、カスミから連絡がありました。カスミは、実はショウコに虚言癖があると告げました。ショウコが仁藤との出来事を作り話だと話していると言います。話を信じられないまま、さらにショウコが実は男性であることがカスミによって明かされました。混乱の中、ショウコに連絡を取ろうとしましたが、連絡がつかなくなりました。
第5章:カスミの真実
混乱の中、カスミの所在も不明となりました。仕方なくカスミが働いている飲み屋を訪ねると、カスミの本名が「ショウコ」であることが分かりました。カスミが偽のショウコを作り上げ、仁藤に関する話をした可能性があることが判明しました。
過去を探られたくないカスミが、自分の本名を隠すために偽のショウコを作り上げたのかもしれません。現在では、その詳細は不明のままです。
「微笑む人」の感想・レビュー
「微笑む人」は、非常に複雑で引き込まれるサスペンスドラマです。物語は、宇治川での悲しい水難事故からスタートし、母親の翔子さんとその子供の亜美菜ちゃんが亡くなるというショッキングな出来事が描かれます。仁藤俊実という男が逮捕され、その理由が「本が増えて家が狭くなったから」とされるのですが、この奇妙な動機が物語に深みを加えています。
仁藤が最初は自分の罪を否認し、彼の温和な性格が冤罪の可能性を疑わせます。その後、宮ヶ瀬ダムで発見された白骨化遺体が仁藤の同僚である梶原敬二郎だと判明し、さらに事件は複雑化します。梶原の死と仁藤の関係が調査され、彼の出世や過去に関する疑念が浮上します。
調査を進めるうちに、仁藤の中学時代に起きた事故や、20年前の団地での転落死事件が関係していることが明らかになります。ショウコという人物が仁藤に義父を突き落とすように助けを求めたという告白もありますが、ショウコの虚言癖や偽のショウコが関わることで、真実がますます不明瞭になります。
全体として、「微笑む人」は登場人物の多様な背景と複雑な事件が絡み合い、読む者を惹きつける魅力的な物語です。特に、仁藤の動機や過去、ショウコとカスミの関係が複雑に絡むことで、サスペンスとしての深みが増し、最後まで目が離せません。
まとめ:「微笑む人」のあらすじと超ネタバレ
上記をまとめます。
- 宇治川で母親と子供が水難事故で死亡し、仁藤俊実が逮捕される
- 仁藤は妻子の殺害を認めたが、動機が「本が増えたから」と理解しがたい
- 仁藤は温和で礼儀正しいと評価され、冤罪説も浮上する
- 宮ヶ瀬ダムで白骨化遺体が発見され、梶原敬二郎と判明する
- 梶原と仁藤の間に確執があったかの調査が進められる
- 仁藤と松山彰の関係が取り上げられ、ゲーム機に関する証言がある
- 仁藤の過去に関する調査で、中学時代の事故が浮かび上がる
- 20年前の団地の転落死事件が仁藤の過去と関連があるとされる
- ショウコの告白で仁藤が義父を突き落とす助けを求められるが動けなかった
- カスミがショウコの虚言癖や偽のショウコを作り上げたことが発覚する