「シーソーモンスター」(伊坂幸太郎)のネタバレ記事です。本作は製薬会社の営業マンである直人と、元特殊部隊の妻・宮子が直面するミステリーとサスペンスに満ちた物語です。
直人は得意先の病院の院長との関係を築きながら、院長の息子である若院長の金遣いの荒さに疑念を抱きます。一方、宮子は義母のセツとの関係に悩みつつ、セツの周りで起こる不審な事件に気付きます。二人はそれぞれの疑惑と危機に立ち向かい、最終的に真実を明らかにするために行動します。
この記事では、物語の展開や重要なポイントを詳しく解説します。
- 直人と若院長の関係と保険料水増しの疑惑
- 宮子と義母セツの複雑な関係と背景
- 宮子が直面する危険な出来事とその対処方法
- 綿貫が関与する陰謀と直人の拉致事件
- セツの過去と宮子との最終的な和解
シーソーモンスター(伊坂幸太郎)の超あらすじとネタバレ
第1章: 仕事と出会い
直人は製薬会社の営業マンをしています。先輩の綿貫さんはとても優しく、仕事のことだけでなく、家庭の問題についても相談できるほど仲が良いです。ある日、綿貫さんが得意先の病院を紹介してくれました。その病院の院長は、直人の亡くなったお父さんの同級生でした。
初めて会ったにもかかわらず、その院長は直人をとても可愛がってくれるようになりました。彼と一緒にゴルフをしたり、ご飯を食べに行ったりするようになり、直人は次第に親しい関係を築いていきます。直人はこの出会いに感謝しながら、営業の仕事を頑張る毎日を送っていました。
第2章: 新たな担当と疑惑
しかし、ある時その院長が隠居することになりました。院長の息子である若院長が後を継ぎ、直人の会社は若院長を接待することになります。本来の担当は綿貫さんでしたが、しばらくすると直人がその仕事を引き継ぐことになりました。
若院長は先代とは違い、とても派手な遊びが好きで、直人もその遊び方についていくのに一生懸命でした。しかし、若院長の金遣いの荒さに直人は次第に疑問を抱くようになります。そして、若院長が病院で保険料の水増しをしているのではないかという疑念を持ち始め、密かに証拠を集めるための行動を開始します。
第3章: 家庭の問題と過去の秘密
直人の妻である宮子さんは、義母のセツさんとどうしても仲良くできずに悩んでいました。宮子さんは元特殊部隊の隊員で、メンタルトレーニングは得意でしたが、セツさんの前ではうまくいきません。ことの発端は、結婚前の顔合わせの時にさかのぼります。
ホテルのレストランで顔合わせをしていた際、宮子さんは何かおかしな気配を感じました。宮子さんは特殊部隊の仕事を辞めていたものの、その感覚を無視できず、トイレで工作員を拘束しました。しかし、これが原因で直人の家族には「トイレによく行く女性」という印象を与えてしまいました。
その後、宮子さんはセツさんの周りの人々が不審な死を遂げていることに気付きます。もしかして、セツさんが関与しているのではないかと疑うようになり、特殊部隊の仲間に頼んでセツさんの調査を始めました。
第4章: 襲撃と危機
ある日、直人と宮子さんがデートから帰る途中、謎の男たちに襲われました。宮子さん一人であれば対処できましたが、直人には自身の特殊能力を隠しているため、うまく立ち回ることができませんでした。仕方なく、直人の視界を紙袋で隠し、その隙に男たちと戦い、何とか倒すことに成功しました。直人には「仲間割れが始まった」と説明し、何とかその場を収めました。
次に、宮子さんが一人で家にいる時に、セールスマンを装った男が家に押し入ってきました。男は宮子さんを襲おうとしましたが、宮子さんは彼を縛り上げ、警察を呼びました。こんな事件が続いたせいで、宮子さんはより一層セツさんを疑うようになりました。さらに、庭にいると二階から植木鉢が落ちてくるなど、宮子さんの命を脅かす出来事が頻繁に起こるようになります。
第5章: 最終決戦と真実の開示
直人は若院長が保険料を水増ししている証拠をつかみましたが、若院長はその場をやり過ごしました。ある日、直人が病院に向かおうとすると、ある集団に拉致されてしまいました。目を覚ますと、綿貫さんがいて、直人に自殺を迫りました。実は、保険料の水増しは綿貫さんの指示だったのです。
直人は何とか抗おうとしましたが、抵抗できませんでした。最後に宮子さんに電話をかけ、セツさんに感謝を伝えようとしました。不審な電話を受けた宮子さんは、直人に何かあったと察し、電話を逆探知して直人の元に向かいました。しかし、直人の元には屈強な男たちがいて、宮子さんでも倒すのは難しそうでした。
その時、セツさんが助けに来てくれました。宮子さんとセツさんは力を合わせて男たちを倒し、直人を救出することに成功しました。実は、セツさんも若い頃、特殊部隊の一員でした。セツさんの周囲の人々の死は、セツさんが過去に恨みを買った工作員によるものでした。この事実を知った宮子さんは、セツさんの苦しみを理解し、少しずつ心を開くことができるようになりました。
これで、直人と宮子さんは新たな絆を深め、家庭も仕事も安定した日々を取り戻しました。
シーソーモンスター(伊坂幸太郎)の感想・レビュー
「シーソーモンスター」(伊坂幸太郎)は、読み応えのあるミステリーとサスペンスが詰まった作品です。主人公の直人は製薬会社の営業マンで、仕事に真摯に向き合っています。彼の成長と、得意先の病院との関係が描かれる中で、若院長の金遣いの荒さに対する疑念が物語を進行させます。
一方で、直人の妻である宮子の存在が物語に深みを与えています。元特殊部隊の隊員である彼女は、義母のセツとの複雑な関係に悩みながらも、その経験を生かして家族を守る姿が描かれています。宮子が遭遇する危険な出来事や、セツの周囲で起こる不審な事件に対処する場面は、緊張感に溢れています。
特に印象的なのは、直人が若院長の保険料水増しを疑い、証拠を集めるために行動するシーンです。彼の誠実さと正義感がよく表現されており、読者としても彼を応援したくなります。また、綿貫が関与する陰謀が明らかになる場面は、驚きとともに物語の深みを増します。
物語の最終局面では、セツの過去が明らかになり、宮子とセツが協力して直人を救出するシーンが描かれます。セツもまた元特殊部隊の一員であり、その経験が彼女を強くし、宮子との絆を深めることに繋がります。このエピソードは、家族の絆と信頼の大切さを強く感じさせます。
全体を通して、「シーソーモンスター」はスリリングな展開と人間ドラマが巧妙に織り交ぜられた作品です。直人と宮子の成長や、家族の絆が描かれており、読後に温かい気持ちになることができます。ミステリーやサスペンスが好きな方にはぜひおすすめしたい作品です。
まとめ:シーソーモンスター(伊坂幸太郎)の超あらすじとネタバレ
上記をまとめます。
- 直人は製薬会社の営業マンで、先輩の綿貫と仲が良い
- 直人は得意先の病院の院長に可愛がられる
- 院長の息子である若院長が後を継ぐ
- 若院長の金遣いの荒さに直人は疑念を抱く
- 直人は若院長が保険料の水増しをしていると疑う
- 宮子は義母のセツと仲良くできずに悩む
- 宮子は特殊部隊の経験があり、セツを調査する
- 直人と宮子が謎の男たちに襲われる
- 直人が拉致され、綿貫に自殺を迫られる
- セツの助けで直人が救出され、宮子はセツと和解する