ハンバーガーの日(7月20日)とは?由来から歴史まで解説

毎年7月20日は「ハンバーガーの日」。この日になると、なんだか無性にハンバーガーが食べたくなりませんか?でも、「どうしてこの日が記念日なの?」と聞かれると、意外と知らない人も多いかもしれません。実はこの記念日には、日本社会の変化や食文化の面白いストーリーが隠されています。

この記事を読めば、ハンバーガーの日の由来から、その意外なルーツ、日本での独自の進化、そして未来のハンバーガーの姿まで、すべてがわかります。読み終わる頃には、いつものハンバーガーがもっと特別で、もっと美味しく感じられるはずですよ。

この記事のポイント
  • ハンバーガーの日の由来は、1971年の日本マクドナルド銀座1号店の開店日。

  • ハンバーガーのルーツはドイツ生まれ、アメリカ育ちのサンドイッチ。

  • 日本独自の「てりやきバーガー」や「ライスバーガー」が誕生し国民食へ。

  • 現在は1000円以上する高級な「グルメバーガー」や地域の味「ご当地バーガー」も大人気。

  • これからは地球にやさしい「プラントベースバーガー」が新しいスタンダードになるかも。

ハンバーガーの日の由来は?マクドナルドの歴史から紐解く

毎年7月20日のハンバーガーの日は、日本の食文化にとって特別な一日です。この記念日の由来は、1971年の同じ日に、東京・銀座の三越百貨店に日本マクドナルドの第1号店がオープンしたことにあります。この出来事は、単に新しいお店ができたというだけでなく、日本の外食文化が大きく変わるきっかけとなりました。

銀座に灯ったアメリカの光:1971年7月20日

記念日のもとになったマクドナルド1号店のオープン当日は、まさに衝撃的でした。デパートの1階、しかも歩行者天国に面したテイクアウト専門店というスタイルは当時とても珍しく、多くの人々の注目を集めました。開店日には1万人以上ものお客さんが押し寄せ、ハンバーガー1個80円という新しい時代の味を求めて長い列を作ったそうです。この大成功が、日本のファストフード文化の幕開けを告げる号砲となりました。

そして、この歴史的な日から25年後の1996年、日本マクドナルドは7月20日を「ハンバーガーの日」として記念日協会に登録しました。これは、自社の創業日が、日本の食文化全体の記念日として認められた瞬間でした。今では他のハンバーガーチェーンもこの日にイベントを行うなど、業界全体のお祭りの日になっています。

初めてのマクドナルド体験

私が初めて親に連れられてマクドナルドに行った時のワクワク感は、今でも忘れられません。ポテトの揚がる音と匂い、カラフルな店内、そして手にしたハンバーガーの温かさ。あの日感じた「特別なごちそう」という感覚は、この銀座1号店から始まったのだと思うと、なんだか感慨深いものがあります。

ハンバーガーのルーツはどこ?意外な発祥地と世界の歴史

ハンバーガーの日は日本独自の記念日ですが、そもそもハンバーガー自体はどこで生まれたのでしょうか。実はそのルーツはアメリカではなく、遠く離れたドイツの港町ハンブルクにあります。ハンバーガーが世界中で愛されるサンドイッチになるまでには、長い旅の物語がありました。

ドイツからアメリカへ:ハンブルクステーキの誕生

ハンバーガーの原型は、18世紀のドイツ・ハンブルクで食べられていた「ハンブルクステーキ」です。これは、安くて硬い牛肉を細かく刻んで焼き、食べやすくした労働者のための料理でした。この調理法が、19世紀にドイツからアメリカへ渡った移民たちによって、新大陸に伝えられたのです。

パンとの運命の出会い

アメリカに渡ったハンブルクステーキは、大きな変化を遂げます。初めはお皿の上でナイフとフォークで食べる料理でしたが、ある時、2枚のパンに挟んで提供されるようになりました。誰が最初に始めたかには色々な説がありますが、1904年のセントルイス万博で「ハンバーガー」として売られたことで、その名とスタイルが広く知られるようになりました。パンに挟むことで、お皿もフォークもいらず、歩きながら手軽に食べられる。この「食べやすさ」こそが、ハンバーガーがファストフードの王様として世界に広まる最大の理由となったのです。

日本のハンバーガー文化:マクドナルド以前の物語とご当地バーガー

「ハンバーガーの日」がマクドナルドの歴史から始まったことは事実ですが、日本のハンバーガーの物語はそれよりずっと前から始まっていました。特に、戦後、日本各地にあった米軍基地の周辺では、独自のハンバーガー文化が生まれていたのです。その流れは、今も各地で愛される「ご当地バーガー」に受け継がれています。

元祖ご当地グルメ「佐世保バーガー」

その代表格が、長崎県の「佐世保バーガー」です。1950年頃、佐世保の米軍基地にいるアメリカ人からレシピが伝わったのが始まりとされています。佐世保バーガーには決まったレシピはありませんが、注文を受けてから手作りする、大きくてボリューム満点、という共通点があります。

  • 佐世保バーガーの特徴

    • 作り置きしない、オーダーメイド方式

    • 地元産の新鮮な野菜をたっぷり使用

    • 手作りのオリジナルソース

    • ベーコンや目玉焼きなど、具沢山で大きい!

この手作りの温かさが地元で愛され、今では全国的に有名なご当地グルメになりました。マクドナルドのようなシステム化された味とは違う、地域に根ざしたハンバーガーの文化が日本には昔からあったのです。

全国の「ご当地バーガー」が熱い!

佐世保バーガーの成功に続き、今では全国各地でその土地の特産品を活かした「ご当地バーガー」が生まれています。

淡路島バーガー(兵庫)

甘い淡路島産玉ねぎをふんだんに使用。

飛騨牛バーガー(岐阜)

ブランド和牛「飛騨牛」を使った贅沢なパティ。

ラッキーピエロ(北海道)

函館発。チャイニーズチキンバーガーが人気。

ご当地バーガー体験

旅行先でその土地ならではの「ご当地バーガー」を探すのが、私の楽しみの一つです。特に淡路島で食べたバーガーは、主役の肉を食ってしまうほど玉ねぎが甘くてジューシーで、衝撃的な美味しさでした。ご当地バーガーは、その土地の味と歴史が詰まった、最高の旅の思い出になります。

 

「てりやき」は日本発!ハンバーガーの独自進化

アメリカからやってきたハンバーガーが、これほどまでに日本人に愛されるようになった最大の理由は、日本人の好みに合わせて独自の進化を遂げたからです。「ローカライゼーション(日本化)」と呼ばれるこの工夫こそが、ハンバーガーを国民食に押し上げた原動力でした。

日本が生んだ世界的ヒット作「てりやきマックバーガー」

その代表例が、日本マクドナルドが開発した「てりやきマックバーガー」です。醤油と生姜をベースにした甘辛い「てりやきソース」は、日本の家庭料理の定番の味。この馴染み深い味がポークパティと見事にマッチし、大ヒット商品となりました。今では海外のマクドナルドでも販売されるほど、世界的な人気を博しています。これは、日本の味が世界に通用することを証明した、素晴らしい発明でした。

常識を覆した「ライスバーガー」

もう一つの革命的な発明が、モスバーガーが生み出した「ライスバーガー」です。ハンバーガーの命であるパン(バンズ)を、なんとお米を固めたライスプレートに変えてしまったのです。この大胆な発想により、ハンバーガーはパン食の文化から、日本人の主食であるお米の文化へと一気に引き寄せられました。異文化と日本の食文化が出会うことで、全く新しい美味しさが生まれることを示してくれたのです。

季節を感じる限定メニュー

他にも、日本のハンバーガーチェーンは、私たちの心をくすぐるメニューを次々と生み出しています。

  • 月見バーガー:秋の風物詩「お月見」をイメージした、卵入りのバーガー。

  • グラコロ:冬に食べたい、熱々のグラタンコロッケを挟んだバーガー。

  • えびフィレオ:プリプリのエビカツがおいしい、定番の人気商品。

これらのメニューは、日本の食文化が大切にする「旬」や「季節感」をうまく取り入れています。こうした日本ならではの工夫の積み重ねが、ハンバーガーを「アメリカの食べ物」から「私たちの食べ物」へと変えてくれたのです。

現代のハンバーガー事情:高級グルメと未来のカタチ

かつては「安くて早い」が魅力だったハンバーガー。しかし、現代のハンバーガーはそれだけではありません。「特別な食体験」や「健康志向」など、私たちの様々な価値観に応える、多様な世界が広がっています。

1個1000円超え!「グルメバーガー」革命

グルメバーガーは、素材と調理法にとことんこだわった、贅沢なハンバーガーです。和牛などのブランド肉を使い、パン職人が焼いた特注のバンズ、新鮮な野菜を組み合わせ、まるでレストランの一皿のようなクオリティを追求しています。その美味しさと美しい見た目はSNSでも人気を集め、ハンバーガーが「ごちそう」として楽しまれる新しい文化を生み出しました。

地球と体にやさしい「プラントベースバーガー」

そして今、最も注目されているのが「プラントベースバーガー」です。これは、大豆など植物由来の原料で作った「代替肉」のパティを使ったハンバーガーのこと。環境問題や健康への関心の高まりから、世界中で急速に広がっています。

プラントベースバーガーのメリット・デメリット

👍 メリット

  • 環境への負荷が少ない(サステナブル)
  • コレステロールが低く、ヘルシー
  • 新しい食の選択肢が増える

👎 デメリット

  • 通常の肉より価格が高い場合がある
  • 製品によっては大豆特有の風味が気になることも

最近では技術も進歩し、本物の肉と変わらないくらい美味しいプラントベースパティも登場しています。モスバーガーやロッテリアなど、多くのチェーン店で食べられるようになりました。「健康や環境のために、今日のランチはプラントベースにしてみよう」そんな選択が当たり前になる日も、そう遠くないかもしれません。

私の体験談

私も先日、初めてプラントベースバーガーを試してみました。食べる前は「本当に美味しいのかな?」と半信半疑でしたが、一口食べてびっくり。香ばしさやジューシーな食感は、まるでお肉そのもの。罪悪感なく楽しめるこの新しい選択肢は、ハンバーガーの未来を明るく照らしていると感じました。

ハンバーガーとポップカルチャー:映画や漫画にも登場!

ハンバーガーは、お腹を満たすだけでなく、映画や漫画の世界でも、物語を面白くするための重要なシンボルとして活躍しています。登場人物のキャラクターを表現したり、物語の雰囲気を伝えたりするのに、ハンバーガーはぴったりのアイテムなのです。

映画『パルプ・フィクション』のハンバーガー

ハンバーガーが印象的な映画といえば、クエンティン・タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』を思い出す人も多いでしょう。殺し屋の主人公たちが、仕事の合間にハンバーガーについて語り合うシーンは非常に有名です。

「フランスじゃ、なんて言うんだ?」

「ロワイヤル・ウィズ・チーズ」

この何気ない会話は、彼らが世界を股にかける裏社会の人間であることを、観客にさりげなく教えてくれます。怖い殺し屋たちが、私たちと同じようにハンバーガーを食べる。このギャップが、キャラクターに人間味を与え、物語をより魅力的にしているのです。

日本のアニメや漫画にも「ワクドナルド」が!

日本のアニメや漫画にも、ハンバーガーショップは頻繁に登場します。よく見かけるのが、マクドナルドのパロディである「WcDonald’s(ワクドナルド)」。これは、アニメの世界で長年愛されてきた「お約束」でしたが、2024年には、なんと本物のマクドナルドが公式キャンペーンとして「ワクドナルド」を世界で展開し、大きな話題になりました。フィクションが現実世界に影響を与えた、とても面白い例です。ハンバーガーショップは、登場人物たちが集まり、語り合う「いつもの場所」として描かれることが多く、私たちの日常に寄り添う存在であることがわかります。

ハンバーガーの日を楽しもう!おうちで作る本格レシピ

お店で食べるハンバーガーも最高ですが、おうちで自分だけのオリジナルバーガーを作るのも、ハンバーガーの日の素敵な楽しみ方です。ちょっとしたコツを押さえるだけで、お店に負けないくらい美味しいハンバーガーが作れますよ。

ジューシーパティの作り方

本格的な味の決め手は、やっぱりパティです。

  1. 材料を混ぜる: 牛ひき肉に塩コショウをふり、玉ねぎのみじん切り、パン粉、卵を入れます。この時、こねすぎないのがポイント。手の熱で脂が溶けないよう、ヘラなどでさっくり混ぜ合わせるのがおすすめです。

  2. 成形する: 焼くと縮むので、バンズより一回り大きく、平べったく形を整えます。真ん中を少しへこませておくと、火の通りが均一になります。

  3. 休ませる: 形を整えたら、焼く直前までラップをして冷蔵庫で30分ほど休ませます。こうすることで肉汁が安定し、ジューシーに仕上がります。

  4. 焼く: フライパンを熱し、中火で片面に焼き色をつけます。ひっくり返したら、蓋をして弱火でじっくり蒸し焼きにすれば完成です。

無限に広がるソースの世界

ソースを工夫すれば、味のバリエーションは無限大です。

  • 簡単オーロラソース: ケチャップとマヨネーズを1:1で混ぜるだけ。

  • 本格BBQソース: ケチャップにウスターソース、少しのお醤油とお砂糖、すりおろしニンニクを加えて煮詰めれば完成。

  • 濃厚チーズソース: 牛乳にチェダーチーズを加えて、弱火でゆっくり溶かすだけ。

家族や友達と、好きな具材やソースを持ち寄ってハンバーガーパーティーを開くのも楽しいですね。

まとめ:ハンバーガーの未来を味わおう!

7月20日の「ハンバーガーの日」をきっかけに、ハンバーガーの奥深い世界を旅してきました。もともとはマクドナルドの創業記念日から始まったこの日ですが、今ではグルメバーガーやご当地バーガー、そして地球の未来を考えたプラントベースバーガーまで、多様なハンバーガーが楽しめるお祭りの日になっています。

ハンバーガーは、ただの食べ物ではありません。時代の変化を映し出し、私たちの価値観とともに進化し続ける、文化そのものなのです。

今年のハンバーガーの日は、いつもと少し違う一品を試してみませんか?近所のグルメバーガー店を訪ねてみるのもいいし、家族でオリジナルバーガー作りに挑戦するのも楽しいでしょう。あるいは、未来の食事のスタンダードになるかもしれないプラントベースバーガーを、思い切って体験してみるのも面白いかもしれません。

あなたのその選択が、ハンバーガーの新しい歴史の1ページを作ります。さあ、今年の7月20日は、あなただけの特別なハンバーガーを味わい尽くしましょう!