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家庭教師の選び方を間違えると、予習シリーズの「詳しすぎる解説」をなぞるだけの先生が一人増えて、親子喧嘩の火種が家庭の外にも広がります。親が教えて揉めるのは、親御さんの教え方が下手だからではありません。予習シリーズが、大人が読んでも「全部分かったつもり」になれるほど丁寧に書かれていて、子どもの理解の速度とずれやすいからです。
四谷大塚のAコース・Bコースのお子さんにとって必要なのは、解説をもう一度話してくれる人ではなく、進捗と週テストの解き直しを最後まで見届ける人です。この記事では、そうした家庭教師をどう見分けるか、わたしが現場で見てきた失敗例も交えてお話しします。
予習シリーズを親が教えると、なぜ揉めるのか
四谷大塚の1週間は、予習、授業、復習、週テスト、復習という流れで回ると紹介されています。メインの教材は予習シリーズで、授業の前にここを読んで予習し、授業のあとに復習する前提です。
予習シリーズは解説が丁寧です。そのため、親御さんが横について教え始めると、つい解説の流れ通りに説明したくなります。大人は「ここまで書いてあるのに、なぜ分からないの」と感じ、子どもは「読んでも分からないから聞いているのに」と感じます。このすれ違いが毎晩続くと、勉強そのものが嫌になってしまいます。
以前担当した小5の女の子のお母さんは、毎晩、予習シリーズを開いて隣で説明していました。ご自身も中学受験経験者で、説明は正確でした。それでも、お子さんは途中で黙り込み、最後は泣いて終わる日が増えていました。説明が間違っていたのではありません。正確な説明を、子どもが受け取れる速さで出す練習を、親御さんは積んでいないだけでした。
これは、親御さんの責任ではありません。教える仕事は、本来、プロが訓練を積んで行うものです。
親が見ているつもりでも、見えなくなるもの
教えるところで疲れ切ると、親御さんの手から次のものがこぼれ落ちていきます。
- 予習シリーズが今どこまで進んでいて、どこを飛ばしたか
- 演習問題集のうち、やった問題とやっていない問題
- 週テストで間違えた問題と、解き直しが終わったかどうか
- 5週に1回の組分けテストに向けた復習の順番
四谷大塚は、組分けテストが5週に1回あり、同じサイクルで前4週分の復習テストも行われると紹介されています。高学年のクラス分けは、組分けテストの成績をもとに行われます。つまり、週ごとの積み残しは、5週後のクラス替えにつながっていきます。
ここで大切なのは、週テストの点数そのものより、解き直しがどう行われたかです。間違えた問題を「解答を見て写して終わり」にしていると、同じ単元の同じ型で、5週後にまた間違えます。
親子喧嘩が起きやすい場面
わたしの経験では、揉めるのはたいてい決まった場面です。週テストが返ってきた日の夜、間違えた問題を前に「どうしてここを間違えるの」と聞いてしまうとき。予習シリーズの例題を読ませたのに、子どもが「分からない」と言ったとき。どちらも、親御さんが悪いのではなく、親という立場で採点と指導を同時にやらされている構造が原因です。
親は、結果を見れば心配になります。心配が声に出ると、子どもには責められているように聞こえます。第三者の先生なら、同じ間違いを「次はここを直そう」という作業として扱えます。この距離感が、家庭の中では作りにくいのです。
先生が入ることで、親御さんは「見張る人」から「労う人」に戻れます。お子さんが机に向かう時間を温かく見守れるようになることは、成績以上に大きな変化です。
A・Bコースの子に必要なのは「進捗の管理人」
四谷大塚のコースは、第三者の塾紹介サイトでは、上位からS・C・B・Aの順で細分化されていると紹介されています。AコースやBコースの細かな進度や教材の違いは、年度や校舎で変わることがあるため、お通いの校舎に確かめてください。
わたしが現場で見てきた範囲では、この層のお子さんは、能力が足りないのではなく、積み残しが静かに溜まっていることが多いです。授業は進み、週テストは来る。その中で、解き直しが後回しになり、気づけば何週間分もの穴があいています。
このとき、必要なのは新しい難しい問題ではありません。次の3つです。
| 管理するもの | 見るポイント | 放置するとどうなるか |
|---|---|---|
| 予習シリーズの進捗 | 今週分を読んだか、基本問題まで終えたか | 授業が「初めて聞く話」になる |
| 週テストの解き直し | 間違えた型を、自力で再現できたか | 同じ型を何度も落とす |
| 組分けテスト前の復習順 | 前4週分のうち、優先すべき単元はどこか | 全部を浅く見て終わる |
この表のような管理を、仕事や家事をしながら毎週続けるのは、親御さんにとって大きな負担です。ここに、家庭教師の役割があります。
予習シリーズを理解している家庭教師の選び方
家庭教師と言っても、中身はさまざまです。四谷大塚生の家庭教師を選ぶときに、わたしが見てほしい基準は4つあります。
1. 予習シリーズの構成を理解しているか
予習シリーズを使った指導経験があるか、1週間の流れ(予習、授業、復習、週テスト)を踏まえて計画を立てられるかを確認してください。体験授業で「うちの子の今週分なら、どこから手を付けますか」と聞いてみると、経験の深さが分かります。
2. 解説を繰り返すだけでなく、進捗と解き直しまで管理するか
詳しすぎる解説をそのまま話す先生は、親御さんと同じことを繰り返すだけです。大事なのは、週の初めに計画を立て、週テストのあとに解き直しを一緒に確認し、次の週に反映する仕組みを持っているかどうかです。
3. 学生講師か、社会人のプロ講師か
学生講師には、年齢が近くて話しやすい、費用を抑えやすいという良さがあります。一方で、教材の取捨選択や、組分けテストに向けた逆算は、受験指導の経験が長い社会人のプロ講師のほうが得意なことが多いです。何を任せたいかで決めてください。
4. お子さんとの相性
勉強で親と揉めているお子さんは、「先生にも怒られるのでは」と身構えています。体験授業で、お子さんが質問できているか、終わったあとの表情はどうかを見てください。
選び方の失敗例
現場で見てきた、よくある失敗を挙げます。
親と同じ説明を繰り返す先生を選ぶケース。 予習シリーズの解説をなぞるだけでは、家庭の空気は変わりません。先生が増えただけで、子どもの負担も増えます。
解き直しを見ない先生を選ぶケース。 宿題を一緒に解いて終わる先生だと、間違えた問題が積み残されたままになります。週テストの結果を一緒に開き、どの型で落としたかを確認してくれるかが分かれ目です。
1回の体験授業で決めてしまうケース。 相性がよさそうに見えても、進捗の管理や報告の仕組みまでは1回では分かりません。報告の頻度や方法を、契約の前に聞いてください。
費用だけで決めてしまうケース。 安さは大事ですが、費用は会社によって大きく違います。何が含まれるのかを確認して比べてください。
週の流れに合わない曜日で組む先生を選ぶケース。 週テストの解き直しは、テストの記憶が新しいうちにやるのが効きます。授業日と週テストの日程を聞かずに曜日を決めると、解き直しがテストの数日後になり、間違えた理由をお子さん自身が思い出せなくなります。
比較するときのチェックリスト
| 確認項目 | 聞き方の例 |
|---|---|
| 予習シリーズの指導経験 | 四谷大塚生を何人くらい担当した経験がありますか |
| 進捗の管理方法 | 毎週の進み具合を、どう記録して共有しますか |
| 週テストの解き直し | 間違えた問題は、どのタイミングで、どう確認しますか |
| 組分けテスト前の対応 | 前4週分の復習は、どう優先順位をつけますか |
| 講師の種類 | 学生講師ですか、社会人のプロ講師ですか |
| 報告の頻度 | 保護者への報告はどのくらいの頻度ですか |
| 費用 | 授業料以外にかかる費用はありますか |
1社に決めず、複数社を比較する理由
以前、最初に話を聞いた1社でそのまま契約したご家庭が、数か月後に「報告が月に一度しかなくて、週テストの解き直しが見えない」と相談に来られたことがあります。契約前に他社と並べていれば、報告の頻度という違いに気づけたはずでした。
家庭教師は、会社によって講師の選び方も、フォローの仕組みも違います。1社だけの話を聞くと、それが普通だと思ってしまいます。複数社の資料を並べると、進捗の管理や報告の仕組みに、会社ごとの考え方の違いが見えてきます。
比較するのは、料金だけではありません。「週テストの解き直しをどう扱うか」という同じ質問を、各社に投げて、答えを見比べてください。
「くらべーる」で一括比較する流れ
家庭教師を一社ずつ調べるのは手間がかかります。「くらべーる」は、家庭教師会社を比較・検討できるサイトです。公式サイトでは、都道府県を選んでフォームに進み、資料を請求する流れになっています。資料請求は無料と表記されています。
フォームの途中で「よく一緒に比較検討される会社」が表示され、追加して請求するか、そのまま進むかを選べます。選んだ地域が対象外の会社は、資料請求ができない地域だと表示されます。口コミも、対応、サポート、講師、指導方法、料金といった項目別に掲載されています。授業料の表示は会社によって異なるため、費用は公式ページや届いた資料で確認してください。
予習シリーズの管理を、親が一人で背負い続ける限界
ここまでの話を、家庭でできる形にすると、次のようになります。週の初めに今週分の予習シリーズの進み具合を確認し、週テストの翌日に解き直しの状況を見て、5週ごとの組分けテストに向けて復習の順番を決める。これを、小6の入試まで続けることになります。
ただし、親御さんがこれを完璧にこなす必要はありません。教える役と、管理する役を、同じ人が毎晩担うこと自体に無理があるのです。
親御さんは、お子さんの味方でいることが一番の仕事です。解説を教える役と、進捗を管理する役は、外に任せてかまいません。比較して選ぶ段階から、まずは資料を取り寄せて並べてみてください。
